勝利の女神:NIKKE[DAEMON X MACHINA] 作:ちしかんn号機
これからもよろしくお願いします!
〔クロガネSIDE〕
線路のエネルギー供給を絶ってから進み、今は目的地である発電所を偵察できる高所に居た。
〘発電所の位置を確保。進入可能です!〙
「50機以上のラプチャー…しかも他の個体よりも強さが段違いな奴らがうじゃうじゃいる所に行くことを[進入]と呼べるならそうね」
「そうだぞシフティー。普通の奴等にとっては自殺行為に等しいんだ。正確には[侵入]か[潜入]っていうのが正しいぞ」
〘そ、そうでした…。すみません〙
シフティーは優秀なオペレーターではあるが、時々状況を読まない言葉を言うからなぁ。
「とりあえずあの発電所が動いた原因を探れば良いんだな?」
〘はい。原因を不明ですが、少し前から前触れも無く稼働を始めたそうです〙
「人がいる可能性は…0に近いか」
〘はい。中央政府の公式見解で地上に生き残った人類は0です。しかし物事には例外が付きものです。以前は発電所の発電能力と備蓄されている資材目的で、この場をラプチャーから奪い返す作戦が行われましたが…〙
「ぜーんぶダメだったのよね。クロガネ様も知っているとは思うけど大規模部隊を編成しても、ラプチャー1体1体が通常のロード級並みの強さ。しかもタイラント級ラプチャーまでいるみたいだったし」
「そうか」
俺は自前の視力で発電所を見渡す。
確かに戦闘痕やニケと人間の死骸があったような痕跡がいくつかある。
それと、デカい何かで掘削されたような場所を修復したようなところも。
もしかしてあのタイラント級ラプチャーがこの施設の地下に潜んでいるって事か。
「イングリットの話じゃ、あの発電所の発電能力と資材でアークを2ヵ月稼働させることができるっていっていたな」
〘クロガネさんの言う通りです〙
「つまり、この作戦の重要度は非常に高いと言えます」
「ラピの言う通りこの4人に任せるくらい、
「アニス」
「何?」
「作戦拒否?」
「それは…違うけど。ていうか大規模部隊でダメだったことを私達でやれって言われて、
「まあ、気持ちはわからなくもない」
アニスみたいな意見が出るのが普通だけどな。
ぶっちゃけ、俺がいないとアークにいるどの指揮官でも難しいだろう。
まあ、アブソルートが出れば掌握くらいは出来ると思うが。
「それで皆さん。どうやって発電所に侵入しましょうか?」
ネオンが話を元に戻した。
「発電所を掌握しているラプチャーを全滅させて、ゆっくりと調査をすればいい」
「なるほど。シンプルで良いですね! 私の火力を最大限お見せする時が来ましたね!」
「行けばいいんでしょう、行けば。じゃあ皆―――」
「悪いがラピの提案した作戦は却下だ」
俺はラピの作戦を行おうとする3人を言葉で制す。
「クロガネ少佐。作戦の却下とは?」
「あのな? 発電所で戦闘なんてしてみろ、俺達であれば戦闘で勝てるが、それは戦闘による周囲への被害を考えない場合だ。んで、今回の作戦の目的は[発電所の調査]だ。戦闘の影響で調査場所を荒らして、下手な誘爆の危険がある資材に被弾し爆破、
「なるほど…」
「そういえばそうでしたね!」
「クロガネ様…なんかありがとう」
「只の戦闘であの規模のラプチャーなら俺達でも勝てるが今回は違う。だが、詳しく調査しようにもラプチャーが邪魔だ。そういうわけで―――
「「え…」」
「師匠が殿を? つまり火力の神の本領発揮ですね!」
俺の提案に呆けるラピとアニス。
ネオンはなぜか興奮していた。
「下手に潜入しても見つかった時のリスクが高い。だから俺が発電所にいるラプチャーを引きつけつつ各個撃破していき徐々に戦力を削る。3人はそのまま別のルートから潜入して内部調査。これ以上のない合理的な作戦だろ?」
「ちょ、ちょっと待ってよクロガネ様! 相手は只のラプチャーじゃなくて、1体1体がロード級なんだよ!? いくら戦えるからって1人で50体のラプチャー相手って無理だよ!」
「アニスの言う通りです。クロガネ少佐だけでは危険が大きすぎます」
「んじゃ、2人はあのラプチャーを引き付けて生き残る自信はあるのか?」
「それは…」
「正直無理…」
2人は目を伏せながら答える。
「師匠はあるのですか?」
「ああ。ていうか俺の身長は180以上あるから潜入には向かないんだ。対して3人は俺より小柄で武器とかも潜入に向いている。ちょうどアサルトライフル、グレネードランチャー、ショットガン。武器の適性距離はバランスが取れている。ラピとネオンで屋内戦をしつつ、状況によってはアニスのグレネードランチャーで室内のラプチャーを一掃できる。対して俺の武器は2m近い対物ライフル、屋外戦が適正だ」
「クロガネ少佐の言う事もわかりますが、私達が安全で指揮官である貴方が一番危険な役割は、
「さすがにね…」
2人は俺のアーセナルでの戦闘を見たうえでの言葉だろう。
それに俺がやろうとしている事は、ニケの存在理由に抵触しかねない。
「私は師匠の意思を尊重しますよ。まあ、2人が言う事も正しいのですが…」
流石のネオンも心配の様だ。
あまり使いたくない手だがやるしかないか。
「シフティー」
〘はい。なんでしょうか?〙
「あの規模で臨海の土地だと発電所用のデカい排水路があるはずだ。そこを使って発電所内部に潜入できないか?」
〘今調べますね―――ありました! 1つだけラプチャーの反応が無く人のサイズで発電所内部に潜入する排水路が! しかも、発電所の中枢からもかなり近い場所まで接近できます!〙
「そうか。なら、その場所にラピ、アニス、ネオンのナビゲートに専念してくれ。俺の方の補助はいらない」
〘またですか!? 毎回毎回ニケ達に安全な役回りさせて指揮官であるクロガネさんの危険な役目を背負うを見るのはつらいんですよ!〙
「んじゃ、この3人に俺が潜入する際に発電所にいるラプチャーを引きつけつつ倒して全員無事に合流できる可能性は?」
〘それは……〙
「低すぎだろ? 俺なら何時もの事だから問題ない。というわけで
〘わかりました…〙
よし、これでシフティーの説得完了。
後は―――
「さて、
「…ラジャー」
「わかったわ…」
「わかりました」
俺は3人に指揮官としての命令で潜入するように指示を出した。
さて、俺はいっちょ派手に行きますか。
アーセナルの使用もブランクがあるから、こういう場で肩慣らししておかないといけないしな。
そして、俺はラピ、アニス、ネオンと別行動を始めた。
◇
〔アニスSIDE〕
「ふぅ~瓦礫の撤去完了です」
私達ニケ組はクロガネ様の命令で発電所内部に潜入すべく、ラプチャーが徘徊していない排水路を進んでいた。
そとでは既に戦闘音が鳴り響いていて、クロガネ様が発電所を占拠しているラプチャーを引き付けているのが判る。
命令されちゃったら従うしかないけど、いくら何でもクロガネ様のやってることは非常識で無茶苦茶よ…。
私だって死にたくないけど、それでも人間であるクロガネ様を死地に向かわせることはニケとしての存在意義に反する。
でも、指揮官であるクロガネ様の命令はニケにとって絶対。
複雑すぎるわ…。
「ラピ、アニス、どうしてそんな浮かない顔をしているんですか?」
そう私達に行ってくるネオン。
クロガネ様も言っていたけど、ネオンのショットガンの火力高すぎよね。
瓦礫の破砕も簡単にやってのけているし。
しかも、火力を増して反動や取り回しが割るのにそれを手足のように扱っている。
エリシオンのCEOが勧めるだけのニケではあるわね。
「ネオンは気にならないの? クロガネ少佐が平気で危険に飛び込むことを」
ラピがネオンの疑問に疑問で返した。
「確かにニケとして止めるべきですが、指揮官である師匠の命令は従うしかないじゃないですか。それに―――」
ネオンは眼鏡を光らせながら答えた。
「師匠は
「「え…」」
私とラピはネオンの言葉に絶句した。
あの発電所にいるラプチャーは推定50体。
その3倍の数を1人で殲滅!?
「ちょ、ちょっとネオン!? どういう事!?」
「どういう事も何も言った通りですよ?」
「その言った通りが理解できないのよネオン。流石に冷静さが少しだけ無くなったわ…」
ラピがそういいながらため息をついた。
「実は最後に師匠と地上に行った時に、私のミスで100体のラプチャーに50体のロード級ラプチャーが来ちゃいまして…。火力の極みを目指す私でも応戦するのが難しいのを、師匠は[ディアボロス]とあらゆる状況を駆使して集まって来たラプチャーを殲滅し切ったんですよ」
「シフティー。その作戦記録は?」
〘先ほど検索してみたのですが、クロガネさんとネオンが最後に出撃した記録は
エリシオンCEOの許可が無いと見れない……。
下手に閲覧できるよりも、ネオンの話に真実味が増しているわね。
〘って!? ネオン、その話を2人にしちゃっていいんですか!? さっきも言いましたけどその時の作戦記録はエリシオンCEOによって機密扱いなんですよ!〙
「あ、そういえばそうでした。では、今の話は忘れてください」
「って!?忘れるなんてできないでしょ!?」
「流石に無理よ。しかも教官が秘密にしているのが余計に真実味が増しているし…」
「でしたら、ここでの話は私達だけの秘密でどうですか? 実は私、秘密を共有できるニケや人っていなかったんで丁度いいですね」
「よくない!」
「よくない」
〘よくありません!〙
私とラピ、シフティーが同時にネオンにツッコミをいれた。
この話で余計にクロガネ様に関してわけわからなくなってきたわ。
ニケでも運用が難しいデカいラプチャー用の対物ライフルを軽々と扱う。
タイラント級ラプチャーの攻撃を受けてもひるむどころか投げ返す。
そして、謎の黒いパワードスーツを着てタイラント級であり特殊個体[ブラックスミス]よりも強くなった[ブラックスミス]を跡形も無く消し飛ばす威力の武器を扱う。
はっきり言って、クロガネ様は人間じゃなくて100年前にいた伝説の部隊である[ゴッデス部隊]のニケだって言われた方が信じられるわ。
「まあ、師匠の話は置いておいて今は師匠に指示されたことを私達が全力でやる番です! 行きましょう!」
そう話を無理やり切り上げるネオン。
「ねぇラピ…」
「言いたいことはわかるわ。とりあえずはクロガネ少佐に言われた任務をしましょう」
「そうね…」
私達…とんでもない人?の指揮下にはいったみたい…。
まあ、悪い人ではないけどそれでもなんかニケとしては調子が狂うわね。
とりあえず言われたことを頑張るしかないわね。
私とラピは今の指揮官様であるクロガネ様の事を気にしつつ潜入を続行した。
そして、潜入の際に下水道に入った際にあまりの臭さに悶絶。
その際に後ろにいたネオンに―――
「匂いがキツ過ぎます……吐きそうです……ウプッ…」
といわれて、まるで私のお尻がそういうにおいみたいに言われている感じがしてムカッと来た。
ちなみにクロガネがやった生身での150体ラプチャークッキングは、とにかく動いて同士討ちさせつつ、自爆型ラプチャーを捕縛してそのままラプチャーが密集した場所にぶん投げて殲滅みたいな感じを繰り返して、150機のラプチャーを[ラプチャーの廃材炒め]という料理にしました。
相手次第では生身でも割と行けるのがこの作品の主人公なんです。
流石にタイラント級複数は無理ですけどねw
まあ、過去に大分暴れてその影響でラプチャーも強化されているんですけどね!