勝利の女神:NIKKE[DAEMON X MACHINA]   作:ちしかんn号機

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合流

〔語り部SIDE〕

 

 

 

 

 

 

クロガネとマリアンが目指している分隊04-Fとのランデブーポイント付近。

 

そこには二人のニケが廃墟で構築された遮蔽物を利用して迫りくるラプチャーと銃撃戦を繰り広げていた。

 

「いつまでここで待てばいいのよ」

 

()()()()()()

 

灰色と橙色を基調とした服装のボブカットヘアが特徴のニケの言葉に、淡々と返事をする黒と赤を基調した服装の桃色みがかかったブロンドヘアーのニケが言葉を返した。

 

「死ぬまでってわけじゃ無いよね?」

 

「合流するまでよ」

 

「もう救援からかなりの時間が経過しているんですけど!?」

 

灰色と橙色を基調とした服装のニケが、所持している重火器であるグレネードランチャーをラプチャーに放ち撃破しながら相方のニケに反論した。

 

「でも輸送機が無事に到着して指揮官とニケを作戦区域近くに降下させたわ。もうすぐ来るはずよ」

 

「それにしたって時間かかりすぎじゃない!? ていうか私達とは別方向で戦闘音が聞こえているし、それが止んだとおもったら、この場所にラプチャーがわんさか現れてるのよ! 多分救援の指揮官とニケが襲われてやられちゃったんじゃないの!?」

 

“アニス”。そんな憶測は正式な死亡報告が入って来てから。そしてまだ死亡報告は入って来てない」

 

「そうね“ラピ”。でもこの周辺はエブラ粒子の濃度が上昇したせいでアークと通信できていないんですけど? そんな状態でその報告が入るまでずっと待つの?」

 

「ランデブーポイントはこの場所。ここを離れると今行われている作戦がダメになる。それにもし救援が生きていて、ここに対象である私達がいなかったら余計にダメになる」

 

「既に作戦自体ダメになっていると思うわ!」

 

2人がそう会話している傍らで、背後から一つの人影が現れた。

 

「合流します!」

 

2人が突然現れた人影―――マリアンに銃口を向けた。

 

「味方です! シルバーガン部隊機関銃手のマリアンです! 指揮官の命令で[分隊04-F]に合流しました」

 

「やっときたわね」

 

「来るのが遅すぎない!? ていうか、貴方はニケっぽいけど指揮官様は?」

 

「指揮官は狙撃ポイントで指揮と対ラプチャー対物ライフルで援護するそうです。短距離通信の周波数は13.06です」

 

「狙撃ポイントで指揮? しかも対ラプチャー対物ライフルで援護? どういう事?」

 

「マリアン。いまいち説明が呑み込めないのだけれど…」

 

「詳しく説明したいのですが、今は迫るラプチャーを何とかしないと」

 

マリアンが己の銃火器であるマシンガン[ファーストアフェクション]の安全装置を解除して構える。

 

「どうする?」

 

「状況は彼女の言う通りだからこの場は従うしかないでしょうね。アニス、マリアンが言った周波数に無線を合わせよう」

 

「そうね。わかったわ」

 

2人が脳内の短距離通信の周波数をマリアンが教えた数値に変更。

 

すると―――

 

〘ようやくつながったな。二人が[分隊04-F]の“ラピ”と“アニス”で良いか?〙

 

通信から低めの男の声が二人の脳内にこだまする。

 

「貴方が救援の指揮官ですか?」

 

ラピが通信でそう尋ねる。

 

()()()()()()()()()()。とりあえずラピの武器はアサルトライフル、アニスの武器はグレネードランチャーで間違いないか?〙

 

「はい」

 

「え、なんでわかったの!?」

 

〘作戦前に作戦に参加している分隊の銃火器や役割はある程度調べはついている。俺が対ラプチャー対物ライフルで狙撃支援で遠距離兵装のラプチャーを叩く。マリアン、と[分隊04-F]の二人は最終防衛ラインの奴等を叩け。状況が変わればその都度指揮を通信で送る。異論はあるか?〙

 

「異論といいますか、指揮官も戦うのですか?」

 

「そういえば対ラプチャー対物ライフルで狙撃支援するって言ってなかった!? 大丈夫なの!?」

 

〘問題ない。んで、それ以外の異論は?〙

 

クロガネの通信に懐疑的な様子を見せる二人。

 

それを見たマリアンは説明を開始する。

 

「指揮官―――クロガネ少佐なら問題ありません。私も未だに納得できない事はありますが、彼の実力は本物です」

 

「どうする…ラピ?」

 

「今はやるしかないでしょうね。状況が終了したら詳しい説明をしてもらいましょう」

 

「はぁ……今はそうするしかないわね。とりあえずやってみるけど、ちゃんと説明してよね!指揮官様!(仮)!」

 

〘(仮)なのが妙だがありがとう。目標は前方のラプチャーの集団。戦力は中隊クラス。奴らを殲滅するぞ〙

 

「ラジャー」

 

「ええ!」

 

「了解!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

分隊04-Fとのランデブーポイントでの戦闘が終了。

 

前線で戦っていたマリアン、ラピ、アニスの三名とクロガネは身を隠せる近くの廃墟での合流を通信でやり取りを行い、その場所での合流を果たした。

 

「分隊04-Fの勝利の女神達。俺がクロガネだ。よろしく」

 

「「……」」

 

クロガネを見た二人は唖然としていた。

 

着崩した中央政府の軍服に全長2mはある巨大な対物ライフルを型にかけながら登場したクロガネをみて。

 

「本当に指揮官様(仮)が援護していたんだ…」

 

「そうみたいね。指揮官としての能力もそうだけど、狙撃の技術も目を見張るものがありました」

 

「えーと。亜麻色ボブカットヘアーの娘がアニスで、桃色みがかかったブロンドヘアーの娘がラピで間違いないか?」

 

「そうだけど…何で知っているの?」

 

「作戦に介入する前に、作戦に参加している指揮官やニケ。事前の作戦区域のスキャンデータや予測される敵の増援とかは大抵頭に入れているもんだ」

 

「うわー、物凄いベテランな指揮官様(仮)が来てくれるなんてね」

 

「マリアンも機関銃主としての腕前もすごかったわ

 

「だ、そうだ。マリアン」

 

「私に話を振るんですか!?」

 

「いや、ラピに褒められたから感想の一つや二つはあるだろって」

 

「それは…まあ、嬉しいですが」

 

「だってよ、ラピ」

 

「素直に戦力評価しただけです。それで、貴方が中央政府から要請された指揮官でマリアンが追加のニケですか?」

 

「マリアンはそうなんだけど、俺は臨時なんだよな」

 

「え?」

 

「どういう事?」

 

ラピとアニスはクロガネの言葉に困惑した。

 

その様子を見たクロガネがこれまでに至る経緯を説明した。

 

「そんなこんなで俺が臨時の指揮官としている。中央政府のアホな人事でこうなってしまってすまないな。少佐の立場として謝罪する」

 

クロガネはそう頭を下げた。

 

「いえ、指揮官が―――クロガネ少佐が謝る事では…」

 

「まあ、こっちの救援要請の理由の方がアレだから仕方ないけど」

 

「アニス」

 

「いや、常識的に人間が扱える銃火器でラプチャーにダメージを負わせることが不可能なのに「ラプチャー!!人類の敵!!」とか叫びながらそのまま突撃して頭を吹っ飛ばされたのよ?」

 

「守れなかったんですね…」

 

マリアンがそう言うが、アニスが反論する前にクロガネが口を開いた。

 

「マリアン。君達に勝利の女神は指揮官を…ひいては人間を絶対に守る。それこそ自分達の命を盾にしても―――だが自分から死のうとする者を守る事は不可能だ。君の指揮官だった男だってそうだろう?」

 

「そうでした…。すみません、アニス」

 

「良いのよ。指揮官様達が自殺なんて今じゃよくある話だし。その点、臨時で来てくれた指揮官様(仮)は凄い人みたいだし。あ、私のフォローありがとうね」

 

「フォローもなにもないさ。互いの認識の違いを直しただけで指揮官として当然の業務を果たしたまでだ」

 

そう二人にいうクロガネ。

 

そんな状況でラピがクロガネに話しかけた。

 

「申し訳ございませんが指揮官。貴方の名前をもう一度お聞きしても良いでしょうか?」

 

「ああ。クロガネだ」

 

「アニス」

 

「検索してみるわ。どれどれ―――うわ、この人アークでは物凄い有名人よ!? 最初の作戦で量産型ニケ3機だけでタイラント級ラプチャーを撃破。それから物凄い活躍で[ゴッデス部隊指揮官][新星」の再来って呼ばれた凄い指揮官様よ! それと中央政府の高官やアークの特権階級の人達に怖気ず反発して、この人を消そうとした者たちが軒並み行方不明か不審死を遂げていて[悪魔]って呼ばれているわ」

 

「貴方が教官のおっしゃっていた人でしたか」

 

「教官? もしかしてイングリットの事か?」

 

「はい」

 

「そういえば社長も貴方の事を話していたのを覚えているわ―――「あのCommanderはMeが見て来た者たちの中でも凄いPotentialを秘めていまーSU! 他にも私のMy Pretty達も良くお世話になっていますしNE」ってね」

 

「マスタングもか。って、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「まあ、アーク三大企業でも一番キャラが濃い人だからね。ってよく知っているわね」

 

「テトラのニケと仕事するときに大抵の奴等はマスタングの口調の真似をするからな。ていうか面白がってやっているだろ?」

 

「まあね。たまに社長のモノマネ大会とかやっているわよ?」

 

「あいつは本当に人気だな―――ってそんな話をしている場合じゃないな。とりあえず今後の作戦についてだが…」

 

「アニス」

 

「良いわよ。凄い指揮官様だし」

 

「ええ。指揮官、すみませんが[分隊04-F]の指揮権を移行してもよろしいでしょうか?」

 

「ああ」

 

そしてラピが分隊04-Fの指揮権を俺に移行した。

 

「作戦については大丈夫でしょうか?」

 

「把握している。作戦区域の座標もな」

 

「よかったぁ。前の指揮官様は「ニケ如きに人間の崇高なる作戦情報を知る権利は無い」って言っていて私達が知らなかったから」

 

「はずれの指揮官を引いたみたいだな。まったく、中央政府の教育は相変わらず酷いもんだな」

 

「そういう指揮官様が悪魔って呼ばれているから、私達にとっては天使様かもね?」

 

「天使って柄じゃない。各員、戦闘継続は可能か?」

 

「マリアン、問題ありません」

 

「同じくラピ、問題ありません」

 

「同じくアニス、問題ないわ」

 

「了解。それでは前任の救援派遣の指揮官及び前任の分隊04-Fの指揮官業務は俺、クロガネ少佐が正式に引き継いだ。これより行方不明の分隊の捜索に移る」

 

「「「了解」」」

 

こうして正式に合流したクロガネ、マリアン、ラピ、アニスの四名はこの区域での作戦を行うべく動き始めた。

 

しかし、そんな四人の中で既にラプチャーの悪意が迫っている事をこの時の四人は知る由もなかった。

 

それがとあるニケがクロガネに対しての強い想いによる無意識で封じ込めていたことも。

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