狩人さんはアーク暮らしを夢見たい   作:風袮悠介

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23話-結局何もわからぬが関係ない。お前を殺す。

『それを確かめる方法が、狩人にあるのだろうか?』

 

 ゴースの遺子……を名乗る謎の存在が、先ほどまでとは全く違う、深い深い笑みを浮かべていた。

 

『狩人、キミはあのヤーナムにおいて中心人物でありながら関係者ではない。全ての悲劇が結びついて終わったヤーナムに、後から来ただけの来訪者だ。

 各地にある書物、施設、獣たち、上位者たち、そして生き残った他の狩人たちの話から、おおよその事情を察している。

 だが、察しているだけだ。核心を掴んでいるわけじゃない。肝心の情報を何も掴んでいないまま、関係者になって知った気になっていただけだろう?』

 

 その通りだ、私は口に出さずそれを認める。油断せず武器を構えたまま、肯定する。

 私はヤーナムの事情を知らぬ。ビルゲンワースの事情を知らぬ。聖歌隊と医療協会の事情を知らぬ。狩人たちの事情を知らぬ。上位者の事情を知らぬ。

 

『だからわかりやすく受け入れやすい答えを用意した。

 事情を話しても良いよ?

 理解できるかわからないけど。

 理解できるほど、

      君たちは、

    啓蒙を得て                     いる

 

 の

 

 かな                                     ?

 

 どうかな?』

 

 頭痛がする。遺子の言うことなど、改めて言われることではない。

 各地の情報からそうだろうなと察しただけで、核心を保証する人物からの証言や、確固たる証拠のようなものをきちんと発見しているわけではない。

 

 ただ、残されたものと遺されたもの、それらが積み重なった状況証拠を見て、そうだろうなと推測し、それを結論として見ているだけだ。

 僅かに、これは間違いないだろうと思うものはあるのだが、それすら極々僅か。

 

                ゴースの意思が、

 

ぐるりと眼   を剥くようにし               て、   

  

 

 

      こちらを

                                    見て、

 

 

                   嘲笑う。

 

『お前()()は何を知ってる?』

 

 ……知らぬ。

 

「知らぬな」

 

 私は、ようやく己を取り戻した。頭痛はもうしない。

 ガシャン、と手の中のノコギリ鉈を伸ばす。

 

「何も知らぬ」

 

 ああ、そうさ。ヴァルトールの言う通り。

    その通りなだけだ。

                              穢れた獣、

                 気色悪いナメクジ、

 

 頭のイカれた医療者共、みんな  うんざりじゃあないか。

 

 だからこそ殺し尽くす。

 ここにヴァルトールはいない、  連盟の仲間はいない。

 だけれども、         だけども、私には仲間はいる。

 

「何も知らぬ。私は何も知らぬままさ。

 だが私には、お前を狩る意思はある」

 

 私は自身の銃を、遺子へと向けた。

 

「結局何もわからぬが関係ない。お前を殺す」

 

 瞬間、轟音。不利など関係ない。

 ここに誰がいようと関係ない。    彼女たちが         きっと殺る。

 私のものではない弾丸が       遺子の頭を、

                    貫いた。




ちょっと工夫しました。

この後のエピソードでNIKKEのサブイベントを盛り込んでも良いかどうか?

  • サブイベントも書いていい
  • メインストーリーだけ進行して欲しい
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