「ぐわああああぁああああぁ!」
「良いぞぉドバン! これでスタミナと体力が増加したぞ! 次は獣のカレル文字を消して内臓攻撃の威力を高めるから、もうちょっと耐えろよ!」
「ふざけあああああああああ!?」
やかましいなほんと。
ここはアウターリムなんだぞ。周りに聞かれたらどうする。
「あの……あれは本当に大丈夫なのでしょうか?」
「大丈夫じゃないわよ。脳みそに焼き印を施してるようなものだから」
「だ、大丈夫じゃないのですか!?」
「オバケみたいなものは見えるし。でも強くなるみたいね。やる? サクラ?」
後ろでサクラの「遠慮しておきます!」という叫びが聞こえる。
そうか……サクラには道具の発見力を上げるカレル文字を刻もうとしてたのにな。
私は星の娘エーブリエタースがいる場所へ向かっていた。
その最中に、バイクに乗ったシュガーとドバン、そして指揮官と別れて歩いてきたサクラと合流。
出会って初っぱな、私はドバンへのカレル文字付与を敢行した。
この先の戦いで、獣のカレル文字だけでは心許ない。
「終わったぞ、ドバン。どうだ? 調子は?」
「最悪に決まってるだろうが……!」
「では問題ない。すぐに元に戻る」
涙と鼻水を流しながら呻くドバンを見て安心した私は、シュガーとサクラに向き直る。
「来てくれて助かる。私一人では、アークに多大な影響を与えた状態での勝利しかできなかっただろう」
「礼は良いわよ。こっちの目的は――」
「妊娠はさせないし、死なせはしない」
私が断言すると、シュガーはキョトンとした顔を浮かべた後に微笑んだ。
「わかった。そうするわ」
シュガーはそういうと、所持している散弾銃に薬莢を込めて点検を始める。
彼女は未だにそれに囚われているのか冗談なのか、わからないところがあるな。
「狩人くん」
「……サクラ、あなたも同じだ。殺させはしない。妊娠も」
「もし」
サクラは私へ、縋るような目を向けた。
「もし、その妊娠の技術がニケに転用できるなら、私は」
「考えてはいけない」
サクラの言葉を遮り、私は彼女を睨んだ。
「それは、いけない。あんな上位者の、バケモノの知恵や啓蒙を借りて行われたあらゆる事柄は、最後には悲劇にしかならない。どんな人間も、存在も、上位者に関わってろくなことになったものはいない。それに」
私はサクラの目から視線を逸らした。
「私は、二人ほど、あいつらの力で妊娠した女性を見た」
この場にいる全員が驚いた顔をして私を見た。ドバン、シュガー、サクラの三人を見て、私はハッキリと告げる。
「一人目は赤子を産んだ。異形の赤子だ、その女性は絶望の中で気が触れて狂った。
二人目は上位者に犯された。己が獣を脱却したと信じて正気を失い狂気に墜ちた」
ふぅ、と息を吐いて、私は締めくくる。
「二人とも、私が介錯した。赤子のへその緒……三本目のへその緒という遺物の中でも偉大とされる神秘を奪い、脳に瞳を得た。お前もそうなりたいのか?」
私は三人の顔を見ながら右手の人差し指を、こめかみに当てた。
「こう、なりたいのか?」
三人の目を真っ直ぐに見て言うと、全員が青ざめた顔をした。ドバンは嘔吐き、シュガーは視線を逸らし、サクラはおぞましいものを見る目で私を見る。
そうだ、それでいい。
おぞましく、気持ち悪く、信じられないものに選ばれてはいけないのだ。
神秘とは人が触れてはいけないもの。
安易に御せると自惚れて手を出したものから、破滅する。
「さて、話を戻そう」
私は武器を取り出す。
得物は、教会の杭と火炎放射機。
この教会の杭には、上位者どもに類する眷属に有効な刺突攻撃を強化する血晶石を捻り込んである。他にも細工は流々だ。
もうアメンドーズのような失敗はしない。一気に終わらせる。
「ここに、獣狩りの狩人が勢揃いだ」
ニヤリ、と笑みが零れる。
「さぁ、狩りの時間だ」
リアルの仕事がようやく落ち着いたので、連載再開です。
金曜日にはモンハンワイルズが発売ですね。新エリア、地下墓地で狩りをしてますよ。
え? まだ発売してない?
じゃあ私が狩っている、この巨大な豚はいったい……。
この後のエピソードでNIKKEのサブイベントを盛り込んでも良いかどうか?
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サブイベントも書いていい
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メインストーリーだけ進行して欲しい