狩人さんはアーク暮らしを夢見たい   作:風袮悠介

29 / 35
お仕事が落ち着いたので連載再開です。お待たせしました。


18話-星の娘狩りを始めるらしい

「……ということだ、指揮官。すまんが当分帰れない」

『ちょっと待ってくれ! クロウを射殺した? アウターリムに上位者がいる? 殺せばアークに多大な悪影響があって、それでも狩るってことか!?』

「そうだ。どれだけ悪影響があれども、上位者というものは即、狩らねばならん。そうせねば、甚大な被害を周囲に及ぼす。時間がないのだ」

 

 私は端末で指揮官と連絡を取り、上位者狩りを始めることを伝えた。

 アウターリムは薄暗く、どことなくヤーナムのマシな部分と同じ臭いがする。油断はできないが、そこまでではない。

 だから端末で連絡なんて、暢気なことができるのだ。パシャリ、と水溜まりを踏んで先に進む。

 

「ドバンに協力を要請したが……生憎と断られた。となれば、一人でさっさとやるしかない」

『いや、それにしたって……! すまない、ちょっと待ってくれっ』

 

 うん? 端末の向こうから騒がしい声が聞こえてくる。どうやら誰かがいるようだ。

 無邪気な声だ、幼さを感じさせる語調の女性だな。

 

『マリアン、わかった、わかったから……!』

「どうした指揮官?」

『ああ、こっちも地上へ行く任務があるんだっ。アンダーソンに連絡を取って、そっちに行こうと思うんだがっ』

「それならばそっちを優先した方が良い」

 

 端末の向こうで息を呑む声が聞こえる。私の返答に、どう答えればいいのか迷ってるのだろう。

 

「貴公の役目は地上奪還だ。それを疎かにしてはいけない、決して」

『だがっ』

「上位者狩りが私のやるべきことだ。貴公は貴公の道を行くが良い」

 

 私はそのまま端末の通話を切る。最後に「待っ」と聞こえたが、敢えて無視。

 端末を懐に仕舞う……ところで、再び通知がなった。

 指揮官よ、心配性だな、と思って画面を見ると、見知らぬ番号。

 気になったので通知を繋ぎ、通話を開始する。

 

「誰だ?」

『初めまして、狩人。私はエニックです』

 

 端末の向こうから聞こえてきたのは、感情を感じさせない女性の声だ。

 抑揚が最低限、相手と円滑な交流を図ろうという気がないのが窺える。

 しかし、エニック、か。確か……。

 

「ああ、ドバンの連絡先を教えてくれたものか。礼を言う」

『いえ、構いません。それよりも、最優先事項として申し上げることがあります』

「なんだ」

 

 私が聞き直すと、エニックは答えた。

 

『上位者、と呼ばれるものを狩ることを、待っていただきたいのです』

 

 みしり、と手の中で端末が悲鳴を上げる。怒りのあまり端末を握る手が強くなってしまった。

 

「……理由は?」

 

 私はできるだけ、怒りが相手に伝わらぬように注意する。

 真意を聞いてから判断しても良い、と、自分に言い聞かせた。

 

『現在、ドバンとシュガー、追加人員としてサクラをそちらに向かわせています。三人と合流し、人数と戦略を揃えてから、対象の排除に向かってください』

「よくやったエニック!」

 

 思わず歓喜して叫んでしまった。

 おぉ、ドバンよ。貴公も狩人の血が騒ぐか! 先ほどはあのようなことを言っておきながら、なんともいじらしい!

 しかし、ちょっと気になってしまった。

 

「ドバンは嫌がっていたが、どうやってこちらに向かわせた?」

『拒めば副司令官の地位を剥奪する、と通告しました』

「そっか」

 

 無職になるのはつれぇよな。

 

「それで? ドバンたちとはどこで合流すればいい?」

『そちらの端末から向かう先をシミュレートしました。目標地点周辺で合流できるようにルートを構築、ドバンたちに通達しています。あなたはそのまま、対象に向かってください』

 

 気が利く女性だ。言葉の意味はわからないが、このまま進めば合流できると思えばいい、てことだな。

 私は唇の端を持ち上げ、笑う。

 

「良い仕事だ。感謝する」

『私はアークを管理するAIです。当然の仕事をしたまでです』

「ふむ。では一つ報告しておく」

 

 私はエニックに向けて言った。

 

「クロウ……エキゾチック部隊だったか? あいつら、上位者のナメクジに感染してるぞ」

 

 返答はない。だが、私は構わず続ける。

 

「クロウは私が仕留めた。胴体に銃弾を二発撃ち込んだ。死体処理なりなんなり、早くするといい。感染が広がるぞ」

『……情報を取得。他、アンダーワールドクイーンのモラン、ロザンナを現場に急行させ、クロウのボディを回収、及びエキゾチック部隊、バイパーとジャッカルの拘束を通達しました』

「それがいい。……では、私は向かうぞ」

 

 端末の通話を切って、私は胸が弾んだ。

 そうか、ドバンが来るか! ドバンが来るなら、大丈夫だな!

 しかし戦力的にこのままではあれか……新しいカレル文字を刻む必要があるか……。

 

 私はそう考えながら、歩き続けるのだった。

この後のエピソードでNIKKEのサブイベントを盛り込んでも良いかどうか?

  • サブイベントも書いていい
  • メインストーリーだけ進行して欲しい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。