2023年9月22日、読者交流イベント「ARIAサロン」が日経BP(東京・虎ノ門)で開催されました。第6回のテーマは「会社で枯れて終わらない! 『フリーランス・マインド』の育て方」。人生後半をポジティブに生き抜くためのフリーランス・マインドについて、公認会計士の田中靖浩さんが解説しました。田中さんからは「皆さん『会社員モード』が強すぎ。真面目さを改めたほうがいい」と参加者へ愛ある「指導」が入る一幕も。また、日本航空(JAL)で女性初の海外支店長を務めた板谷和代さんも登壇、旧知の田中さんとの間で軽妙なトークが繰り広げられました。

 「私は今日、皆さんにフリーランスになれというつもりはないんですよ」。冒頭でそう強調した田中さん。今回のテーマは「会社員を辞めてフリーランスになりましょう」ではなく、「会社員であると同時に自分自身がちゃんとある状態=フリーランス・マインドを身に付けましょう」です。

 「会社に頼りきりで、雇われる期間が終わった瞬間に『私って何? どうしたらいいの?』と途方に暮れてしまうのがよくない状態。会社を辞めた後は悠々自適でもいいし、また別の会社で雇われるのでも、小さな会社を始めるのでもいい。重要なのは、『こういうことをやろうかな』と思ったら実行できること、選択肢を多く持っておくことです」(田中さん)

 ゲストとして登壇した板谷さんは37年間JALに勤務し、定年の少し前に退職。「元気の種まき」をコンセプトとした人材育成の会社を設立して精力的に活動しています。田中さんが組織に属さない生き方をしてきた「フリーランス会計士」ならではの視点を提示するかたわらで、板谷さんは大企業の会社員として長く働いてきた立場から「後輩たち」にリアルな経験談を語ってくれました。

ベストセラー『会計の世界史』の著者でもある公認会計士の田中靖浩さんと、JALに37年間勤務し、社内で女性初の海外支店長を務めた板谷和代さん。お互いをリスペクトしながら「いくつになっても楽しく働く」を体現している盟友でもあります(写真提供:参加者Iさん)
ベストセラー『会計の世界史』の著者でもある公認会計士の田中靖浩さんと、JALに37年間勤務し、社内で女性初の海外支店長を務めた板谷和代さん。お互いをリスペクトしながら「いくつになっても楽しく働く」を体現している盟友でもあります(写真提供:参加者Iさん)

フリーランスで働くにはマネジメントスキルが必要?

 フリーランス・マインドが重要になってきた背景を、田中さんは次のように解説します。「人生は3期に分けられます。第1期は学生の時期、第2期は労働の時期、そして第3期はその後。昭和の時代に比べると、今は第3期が大幅に延びている。定年=労働の終わりではなくなった時代、第3期を視野に入れて、第2期を過ごすことが大事かなと思います

 ここで多くの人が抱くのが、「私には会社の外に出たとき、フリーランスで仕事をしていけるようなスキルがない」というお悩み。参加者からも事前にこんな声が寄せられました。

 「これまでマネジメント経験がありません。仕事のすべてを自分でコントロールするフリーランスでは、具体的にどのようなマネジメントスキルが必要ですか?」

 これに対して田中さんは「まずね、この真面目さを改めたほうがいいです」ときっぱり。思わず笑いが漏れる会場に向けて、「スキルよりももっと大事なことがあります」と続けました。果たしてそれは?