北米

2025.11.13 16:30

米国のイノベーションにとって有害で逆効果、新たな移民規則で学生の実習訓練が終了または制限

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トランプ政権は、現行規制からOPTとSTEM OPTを完全に削除することを目指す可能性がある。そのような動きは、教育界とビジネス界から強い反発と法的異議に直面するだろう。OPTとSTEM OPTの批判者は、これらのプログラムが法令で明示的に認可されていないため削除できると主張している。

米国市民権・移民局(USCIS)のジョセフ・エドロー局長は、公聴会で、米国の大学を卒業した留学生がOPTまたはSTEM OPTで働く能力を終わらせたいという希望を明確にした。「過去4年間のOPTの扱い方は、DCサーキット裁判所からの特定の決定の助けを借りて、法律の誤用という点で本当に問題だった」とエドローは述べた。「私が見たいのは、基本的に、F-1学生が在学期間を超えて雇用許可を得る能力を排除できるような規制および準規制プログラムだ」

在学中の留学生が働くための、あまり使用されていないプログラムとして、カリキュラム実習(CPT)がすでに存在する。エドローが政権内での立場を利用して、F-1学生が課程修了後に雇用許可を取得する能力を排除した場合、実質的にはOPTとSTEM OPTが廃止されることになる。OPTとSTEM OPTの支持者は、米国が人材獲得で競争しているすべての国が、留学生に大学卒業後の就労を認めていると主張している。

エドローの不同意にもかかわらず、米国コロンビア特別区巡回控訴裁判所は2022年10月の2対1の判決で、国土安全保障省によるOPTとSTEM OPTでの留学生の就労許可は法的に許容されると判断した。

トランプ政権の移民政策の主要設計者であるスティーブン・ミラーは、長い間、留学生が米国で働くことに反対してきた。ジェフ・セッションズ上院議員(共和党・アラバマ州)のスタッフとして、ミラーはOPTを終了させ、留学生(学部生と修士号取得者)がH-1Bビザで働く前に10年間米国を離れることを強制する法案の起草を支援した。博士号取得者は、H-1Bビザを取得する前にアメリカ国外で2年間の経験を積む必要があったとされる。

「エドローは間違いなくミラーと協力してOPTシステムを廃止するだろう」とワスデン法律事務所のジョン・ワスデンはインタビューで述べた。

移民オプション2:新たな制限付きでOPTを維持

トランプ政権がOPTとSTEM OPTを完全に終了させない場合、もう一つの選択肢はこのカテゴリーに新たな制限を設けることだ。

批判者は、雇用主がOPTとSTEM OPTの学生に対して社会保障税を支払わないため、学生が米国労働者よりも有利だと主張している。雇用主が社会保障税を節約するためだけに12カ月間だけ続く仕事にOPTの個人を雇用するという証拠はほとんどない。それでも、OPTの支持者でさえ、この問題を公の議論から取り除きたいと考えている。

マリア・エルビラ・サラザル下院議員(共和党・フロリダ州)が提案した尊厳法(Dignity Act)は、OPTの学生が受け取る賃金に社会保障税を課すものだ。トランプ政権が規制を通じてOPTの個人に対して雇用主に社会保障税の支払いを要求できる可能性は低いと思われる。

次ページ > OPTとSTEM OPTの終了を米国のイノベーションにとって有害で逆効果

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2025.10.17 11:00

【11/20(木)イベント開催】「日本の起業家ランキング2025」受賞者が語る、事業拡大の実践知

社会を変える事業をどう成立させるか──。Forbes JAPAN「日本の起業家ランキング 2025」の受賞者たちの経験をもとに事業スケールアップの生きた知恵とインサイトを直接学ぶことができるイベントが2025年11月20日(木)に開催される。


注目起業家2名に学ぶスケールアップのヒント

「飛躍を求めるすべてのビジネスパーソンへ。」をコンセプトに掲げ、オフィスをただの働く場所ではなく、人との出会いを促す「パートナー」と位置付け、都心を中心に拠点を展開している会員制シェアオフィス「ビジネスエアポート」。

同施設を運営する東急不動産グループのライフ&ワークデザインとグローバルビジネス誌「Forbes JAPAN」が共催するSpecial Talk Session&MEET-UP「社会の基盤を変える起業家たちのリアル」が2025年11月20日(木)に開催される。

トークセッションには、Forbes JAPAN「日本の起業家ランキング 2025」にて2位に輝いた、LegalOn Technologies 代表取締役 執行役員 CEOで弁護士の角田 望氏と、6位に輝いた、カケハシ 代表取締役CEOの中川 貴史氏の2名が登壇。

LegalOn Technologiesは、もともと弁護士として企業法務の世界に身をおいていた角田氏が2017年に創業し、あらゆる法務業務を最先端のAIで支援するプラットフォーム「LegalOn: World Leading Legal AI」を運営。国内のみに止まらず、国外でもユーザーを拡大している。

カケハシは、2016年創業。「日本の医療体験を、しなやかに。」をミッションに掲げ、患者と薬剤師双方の医療体験向上を目的に調剤薬局のDX推進を支援するサービスを提供している。主軸となるサービス「Musubi」はクラウド型電子薬歴・服薬指導システム。17年のサービス開始以降、全国7000店舗以上の薬局で採択されており、市場シェアは10%を超えている。

トークセッションテーマは、「社会の基盤を変える起業家たちのリアル」と題し、両名から今まで経験した成功と失敗や転機になったアクションから、成長の転機となった意思決定の背景に迫る。

これから事業を拡大させたいと考えているスタートアップの経営者にとって、「社会を変える事業をどう成立させるか」という、極めて重要な問いに対する具体的なヒントと洞察を得られる貴重な機会となるだろう。

「横のつながり」を深めるネットワーキング

セッション後には、登壇者も参加するネットワーキングイベント(MEET-UP)も開催予定。

ただの名刺交換ではなく、起業家・事業者同士が未来の協業を見据えた関係性を築ける場として企画されており、共創のきっかけを探る参加者にとって価値ある時間となるだろう。


【イベント概要】

タイトル:ビジネスエアポート・Forbes JAPAN共催 Special Talk Session&MEET-UP「社会の基盤を変える起業家たちのリアル」

日程:2025年11月20日(木)

会場:ビジネスエアポート日本橋(東京都中央区日本橋3丁目6−2 日本橋フロント 1F)

時間:19:30-21:15 (受付開始および開場:19:00)

第1部:19:30〜 トークセッション

第2部:20:35〜 ネットワーキング

登壇者:株式会社LegalOn Technologies 代表取締役 執行役員・CEO/弁護士 角田 望氏

株式会社カケハシ 代表取締役CEO 中川 貴史氏

モデレーター:Forbes JAPAN編集長 藤吉 雅春

参加方法:フォーム登録による事前応募

参加費:無料

内容:トークセッション/ネットワーキング

※人数限定イベントのため、応募状況により抽選とさせていただく可能性がございます。ご了承ください。


【登壇者プロフィール】

■株式会社LegalOn Technologies 代表取締役 執行役員・CEO/弁護士 角田 望氏

2010年京都大学法学部卒業、同年、旧司法試験合格、2012年弁護士登録(第二東京弁護士会所属)。2013年森・濱田松本法律事務所入所。2017年、法律事務所の同僚である小笠原匡隆(現・LegalOn Technologies代表取締役共同創業者)と共に独立し、株式会社LegalOn Technologiesと法律事務所ZeLo・外国法共同事業を創業。LegalOn Technologiesの代表を務める(現任、ZeLo副代表弁護士も兼任)。

■株式会社カケハシ 代表取締役CEO 中川 貴史氏

東京大学法学部卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーにて製造・ハイテク産業分野の調達・製造・開発の最適化などを専門として全社変革プロジェクトに携わる。イギリス・インド・米国でのプロジェクトに携わった後、株式会社カケハシを創業。


■Forbes JAPAN「日本の起業家ランキング」とは

「日本の起業家ランキング」は、日本を代表する起業家を多数輩出してきたForbes JAPANの名物企画。「新しい日本」をつくる存在として日本経済を牽引する起業家を応援するというコンセプトのもと、各界を代表する事業家・投資家が独自の評価基準に基づいて審査を行っている。


■ビジネスエアポートとは

東急不動産が都内を中心に展開する会員制シェアオフィス。主に小規模事業者や起業家・スタートアップがメイン利用者で、働く場でありながら新しい出会いや学び、共創の機会を提供している。全拠点が最寄駅から徒歩数分というアクセス面の利便性を誇り、多様なプラン・オフィスから、利用者の事業フェーズやニーズ、ワークスタイルに合わせて選択が可能。

運営会社:ライフ&ワークデザイン株式会社(東急不動産株式会社100%出資子会社)

URL:https://business-airport.net/

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北米

2025.08.21 15:00

移民や留学生の受け入れなしでは「米国大学の多くが閉鎖危機」、雇用機会の減少も 報告書

教員職143人を解雇したウェストバージニア大学(Shutterstock.com)

教員職143人を解雇したウェストバージニア大学(Shutterstock.com)

米シンクタンクの米国政策財団(NFAP)の報告書によると、米国の大学の多くが移民や留学生を多く受け入れられなければ閉鎖に追い込まれる可能性があるという。そうした事態になれば、米国の学生にとっては学校の選択肢が減り、大学が立地する町の労働者にとっては、雇用機会が減ることになる。

データは、米国生まれではない学生がいなければ暗雲が垂れ込めることを示している。留学生を含む現在の移民政策は、米国の高等教育の将来に影響を及ぼす。

NFAPの調査によると、「移民や留学生、移民の子どもがいなければ、米国の学部生の数は2037年には2022年から500万人近く減り、現在の約3分の2の規模になる。一方、大学院生数は少なくとも110万人減り、現在の約6割の規模にとどまる」という。

調査をまとめた米ノースフロリダ大学経済学部教授のマデリン・ザボドニーは、米国外生まれの学生が欠かせない理由をこう説明する。

「米国の大学は『人口動態の崖』に直面している。2007年以降の出生率の低下により、米国生まれの大学に通う年齢の若者の数は2025年から減少に転じると予想されている」。ザボドニーはアトランタ連銀とダラス連銀の研究部門で、エコノミストを務めた経歴を持つ。

人口の変化は、米国の大学や大学周辺のコミュニティにとって試練となる。つまり、米国の政策立案者が移民を歓迎する政策を採用するのか、それともトランプ政権が反移民政策を貫くのかで、大学やコミュニティの将来が左右される可能性がある。トランプ政権はコロンビア大学に留学生への「依存度」を下げるよう求めるなど、教育関係者の目には留学生に対して攻撃的と映る措置をとっている。トランプ政権はまた、100万人以上の移民を強制送還するという目標を掲げている。

入学者減で移民と留学生の必要性が明らかに

大学に進学する米国生まれの人の数は、2025〜2029年に15%減少する可能性がある。分析によると、米国の高等教育機関への入学者数は2010〜11年にピークを迎え、その後、減少に転じた。

「学部入学者数の3分の1、大学院入学者数の5分の2近くを失うことは、多くの大学、特にすでに人口の減少が進んでいる地域に立地する大学にとって壊滅的な打撃となるだろう。多くの大学が閉鎖されて米国の学生の教育機会が減少し、多くの州や町で大学関連の雇用が減り、米国内の大卒労働者が減少することになる可能性がある」と報告書にはある。

閉鎖される可能性が高い大学はイェール大学やコロンビア大学といったトップ校ではなく、もっとランクの低いところだ。「地方大学や一般教養課程を主体とした小規模の大学、特に田舎にある大学が最も厳しい状況に直面する」とザボドニーは言う。米国人の学生も留学生も、有名大学への進学を希望するだろう。

「小規模で知名度の低い大学は、学生を集めるのが難しくなる。名の通った規模の大きな大学の入学率が上がれば、特にそうだ」とザボドニーは指摘する。「外国人の大学院生がより多くの研究リソースを持ち、学位取得後の就職に有利な大規模な大学に進学できるのであれば、地方の大学が外国人の大学院生を受け入れるのは特に難しくなるだろう」

次ページ > 厳しさ増す大学経営

翻訳=溝口慈子

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教育

2025.09.13 08:00

トランプ政権下で低下する米国の大学の世界的な評判、回復は可能か?

米ハーバード大学(Marcio Jose Bastos Silva / Shutterstock.com)

米ハーバード大学(Marcio Jose Bastos Silva / Shutterstock.com)

米国では最近、高等教育界で大きな変化が起きており、世界の舞台における同国の大学の評判が危ぶまれている。コロナ禍の混乱と経済不安の余波を受け、米国のドナルド・トランプ政権は高等教育機関に焦点を当て、大規模な改革に取り組んできた。ハーバード大学やペンシルベニア大学、コロンビア大学をはじめとする名門大学と政府当局との間で繰り広げられた対立によって、これらの大学を含む研究機関への資金提供に関する懸念が生じている。

新学期を迎えた今も、高等教育の未来について数多くの疑問が残されている。こうした問題は、トランプ政権が数千件の外国人留学生のビザ(査証)の取り消しや制限に乗り出したことから、特に米国の大学に在籍する留学生にとっては差し迫った課題となっている。留学生のビザに対する脅威は、一流大学の収益にも影響を及ぼす可能性がある。専門家は、向こう数年間で米国の大学に留学する外国人が15~40%減少すると予測。留学生が減少すれば、米国人学生の学費に大きな負担がのしかかるだけでなく、ゆくゆくは全米の地方大学や中堅大学が閉鎖される恐れもある。

高等教育における政治的混乱の影響を受けたのは学生だけではない。教職員もまた、予測不可能な就労環境と向き合わざるを得なくなっている。高等教育に関するニュースを配信する米ヘッキンジャーレポートが6月に実施した調査によると、全米の少なくとも11州(うち7州は今年に入ってから)が、終身在職権を持つ大学教員に対する新たな審査基準を導入し、解雇を容易にするか、終身在職権の完全廃止を提案しているという。

1915年に米国で導入された終身在職権は長年にわたり、大学教員の表現の自由を保障し、信念や意見に基づく解雇から保護する措置として認識されてきた。ある議員がその廃止を求めた理由として、資金調達や納税者の負担を挙げたが、実際に廃止されれば、政治的異議を表明する大学教員には大きなリスクが生じる可能性がある。欧州連合(EU)諸国はすでに、急速に変化する米国の政策への対応策として、移住を希望する米国人研究者を積極的に誘致し始めている。

次ページ > 低下する米国の大学の世界的な評判

翻訳・編集=安藤清香

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