狩人さんはアーク暮らしを夢見たい   作:風袮悠介

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エピローグ-アーク暮らしは夢のまた夢らしい

「では改めてMASIてぇ……Victory!! Entertainment! You Hunted! Congratulation!! Hunter、生きて帰れたことを、お祝いしMASU!!」

「お、おぅ……どうも……」

「狩人、お疲れ。君のおかげでアークは救われた」

 

 私は指揮官がいるコマンドセンター、その指揮官室で二人の男に会っていた。

 対面のソファに、指揮官ともう一人ド派手な男がいる。

 テトラ・ラインCEO、マスタングその人だ。

 彼はいつも通りの格好でミラーボールを背中に携え(アレの名前は指揮官に教わった)、派手さを全面に出している。

 

 正直、ビルゲンワースに入る前の発狂を促す光よりも眩しい。視界が光で潰れそうな程だ。

 

「さぁて、アークをDefenceしてくれたYouに、meは報酬を与えなければぁ......なりませSENっ!」

「あ、あぁ。そうか」

 

 あまりのハイテンションさでグイグイ迫ってくるから、思わず引いてしまった。こいつ、なかなかに圧が強い。

 マスタングがパチン! と指を鳴らすと、指揮官室に誰かが入ってきた。

 二人の美女だ。なんかうさぎ? の格好をしている。白を連想させる女性と、黒を連想させる女性の二人組。

 白の方は慎ましやかな体型でありながら表情や体の動きから快活さを感じさせる。

 黒の方は艶美な雰囲気を放ちながらもどこか怯えてか弱さを感じさせた。

 

「てんちょ〜! こんにちは〜!」

「て、店長……! お久しぶりです……」

「ブラン、ノワール。どうしてここに?」

 

 おや、指揮官は二人と知り合いなのか。二人の登場に驚いている。

 

「今日は社長に呼ばれて来たんです! お仕事だって!」

「あと……店長に会えるので……。ルージュも会いたがってましたよ……!」

「最近777行けてなかったからな……わかった、今度行くよ」

「本当ですか?! きっとルージュも喜びます! と、その前にお仕事を」

 

 ブランと呼ばれた女性は、私の前に一台の機械を置いた。

 四角いもので、手のひらから少しはみ出る程度の大きさ。表面は黒いがガラスのように私の姿を反射している。

 ノワールからは小さな四角い札が私の前に置かれた。本当に小さい、飲み込んでしまえるんじゃないか、と思えるような代物が置かれた。

 二人は指揮官とマスタングの後ろ……どちらかというと指揮官の後ろ? に控えた。

 私は二つの機械を手に持ち観察してみる。一応機械、というものに関して指揮官からある程度の説明は受けている。

 確かこの四角い機械は、通信端末だったか。戦闘で使うものではなく、日常生活で親しい人との連絡手段のために使われるというものか?

 だが、こっちの小さな札のようなものはなんなのかわからない。なんだ、これは?

 私が戸惑いながら観察していると、マスタングはソファから立ち上がり、激しく踊りながら指さした。

 

「SO、RE、HA~……認識チップDE-SU! あなたを、アーク市民と認証するものになりMA~SU!

 無くしちゃ、DAMEですYOぉ?」

 

 普通に説明してくれ。激しい踊りで理解しにくい。

 私が困惑しながら指揮官へ視線を送ると、彼は疲れたような顔で頷いた。どうやらマスタングのこういう行動には慣れてるらしい。

 

「それがあればアーク内のインフラ……えっと、水とか車とかが使えるってこと」

「なるほど……そういうことか」

「通信端末にHA~っ、meと指揮官の連絡先を入れたBlaBlaもInstallしてあるので、必要あるならlet's Telephone!」

「あー、困った時とか頼まれ事があると、連絡が来ると……手紙じゃないのは新鮮だな」

 

 私が通信端末を触りながら呟いた言葉に、ブランと呼ばれた少女が反応した。

 

「手紙で連絡を取ってたんですか? 古風でロマンチックですね!」

「連絡というか、招待状だな。私はそこで女王と会い、伴侶の指輪を渡そうとしたこともある。断られたが」

「凄い! 本物のロマンチックだよお姉ちゃん!」

「あの……! そこはどんなところなんですか?」

 

 ブランとノワールが興味深そうに聞いてくる。

 やはり恋愛の話に女の子は食いついてくるのだな。ペッパーと同じだ、微笑ましい。

 しかし、ペッパーのときで私は学んだ。私の話すことは、他人にとって不愉快になったり恐怖を感じさせたりするものだと。

 二人がワクワクしているので、こういう空気は壊したくない。指揮官が口元で「止めろ、話さなくて良い! 後で私が聞くから!」と口パクしているが、見なかったことにしよう。

 

「血の実験によって死ねなくなった血族と、それを守る殉教者がいる城だ」

「血の実験」

「殉教者」

 

 双子の顔がピシリと固まった。

 

「そうだな……白い寄生虫がまるで結婚式に降り注ぐ花のように美しい場所があったり、発狂して叫ぶ侍女が私を歓迎してくれた。ナイフで襲ってくるから軽く返り討ちだ、血しぶきと内臓が飛び交う楽しい遊戯場みたいだったな。

 屋上には女王を守る殉教者ローゲリウス。それを突破して会いに行った女王との契約、肉塊にされた女王の破片をポケットに入れてとある祭壇で蘇生させ、伴侶の指輪を渡そうとして断られた……ロマンチックだろう?」

「お姉ちゃん、店長、社長! ホラー映画の導入の話ですよね!? 本当の話じゃないですよね?」

「はぅ……! こ、怖い……!」

 

 何故だ、ブランは指揮官とマスタングの肩を掴んで必死に質問し、ノワールは真っ青な顔で泣きそうになってる。

 必死に言葉を選んだのに……。

 

「そ、そうだ! ホラー映画の導入のことだとも! 狩人はちょっと、そういうホラー映画マニアで! R18-Gのものも見るんだ!」

「Commander、誤魔化すのはto badだと思いMA-SU」

「本当なんですか!?」

 

 困ったな。指揮官もマスタングもブランも慌ててるし、ノワールは涙目で言葉を詰まらせてる。

 

 私はソファから立ち上がると、四人に声を掛けた。

 

「これで話は終わりだと思うが、私はどこで寝ればいい? さすがにここで寝るのは良くないだろう」

「おっと~、それに関してですGa~」

 

 マスタングが答えた。

 

「ここ、前哨基地で空いている建築物がありMa~SU! そこで寝泊まりするとGood!」

「アークには住めないのか」

「Oh~……アークはまだ、あの戦闘の混乱が終わっておりまSen。あなたが現れると、口さがない連中が騒ぐでSho……ここで落ち着くまで暮らすのが最善DeーSu」

 

 それもそっか、と納得する。アメンドーズは光線を吐くし、研究所はボロボロのはず。

 当事者の私がのこのこと出て行くのは、周辺の人にとってあんまり良い感情は持たれないのは明白。

 

「わかった」

「それではCommander、GuestCampへ案内してあげてくださいNe! では、Meは仕事に戻りMA-SU!」

「てんちょ~! また店に来てくださいね~!」

「店長……! また……その……お待ちしてます……!」

 

 嵐のような勢いでマスタングたちは去って行った。

 

 さて、私がアークで暮らせるようになるのは、何時頃になるのやら。

 夢のまた夢か、夢に見ていいものか。




 これにて第一部終了です。
 皆様、お付き合いいただきありがとうございます。少し駆け足気味になりましたが、連載からここまでお付き合いいただいたこと、感謝致します。
 頭の中ではここからの展開と最後はどうするかまで決まってるのですが、完結するのか……それをやって……(困惑)

 とはいえども、こういう二次創作小説を書くのは初めてで、とても楽しかったです。
 改めてBloodboneをプレイし、勝利の女神NIKKEの設定やストーリーを見直し、できるだけ自分なりにキャラクターやエピソードの掘り下げることへの挑戦、原作へのリスペクトを忘れずに考えることは、良い経験になりました。
 楽しかったです。本当に。

 続きは書いていきます。中途半端に終わらないよう、怠ける自分の尻を蹴っ飛ばし、ブラボの地下を彷徨い、ニケの地上を彷徨いながらやりますので、気が向けば読んでくれると嬉しいです。

 あと、この後のお話でサブイベント関連も取り入れても良いでしょうか。
 それともメインストーリーだけを進行する形で書いた方が良いでしょうか。
 アンケートを入れておきますので、皆様の回答をお待ちしています。

この後のエピソードでNIKKEのサブイベントを盛り込んでも良いかどうか?

  • サブイベントも書いていい
  • メインストーリーだけ進行して欲しい
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