「徹也が大変なことを起こしてしまい、心よりお詫び」山上被告の母親が出廷 安倍元総理への謝罪も 現在信仰している宗教は「(旧統一教会)です」 安倍元総理銃撃事件裁判
安倍元総理大臣銃撃事件の裁判で13日、山上徹也被告の母親が出廷し、入信のいきさつや現在の心境について証言しました。
入会とほぼ同時に献金2000万円 母親の入信で生活一変
山上徹也被告(45)は2022年、参院選の応援演説をしていた安倍元総理を手製の銃で殺害した罪などに問われています。 山上被告は初公判で殺人罪について認めていて、裁判は刑の重さが主な争点になっています。 裁判で注目されたのは山上被告の母親の証言です。 母親は山上被告が小学生のころに世界平和統一家庭連合=旧統一教会に入信しました。 山上被告の伯父はこれまでに、「入会とほぼ同時に2000万円、さらにすぐ3000万円(献金した)。その原資は(山上被告の父親)の保険金です」と証言しています。 山上被告の母親は約1億円を献金し、家族の生活は一変しました。 こうした背景から、山上被告は旧統一教会への恨みを募らせていったとみられています。
弁護側は母親の教団への傾倒を主張 検察は「生い立ちは刑罰を大きく左右せず」
これまでの裁判で弁護側は、被告が銃撃事件に及んだのは母親の旧統一教会への傾倒が大きな影響を与えているとして情状酌量を求めています。 一方、検察側は「不遇な生い立ちでも犯罪と関わらない人がほとんど」、「生い立ち自体は刑罰を大きく左右するものではない」と指摘しました。
「また韓国へ行くつもりか」 入信後の母親とのメール明らかに
13日の裁判では、山上被告が母親に送ったメールの内容が弁護側から示されました。 (山上被告→母親)「また韓国へ行くつもりか金をどうするつもりか」 (母親→山上被告)「ごめんね韓国に行くつもりです」 山上被告はその後も、「金をどうするつもりか」と問い詰めるような返信をしていました。 また、別の日のやりとりでは「妹を大学に行かせたのは俺だ。統一教会の信者は自分がかわいそうだと言うが、君のせいで妹は放っておかれた」と送信していました。
注目の母親出廷 安倍元総理への謝罪も
弁護側の証人として出廷した山上被告の母親は、パーティションに囲われた状態で証言しました。 そのなかで、「徹也が大変なことを起こしてしまい、心よりお詫び申し上げます」と述べました。 現在信仰している宗教について問われると「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)です」と答え、現在も信仰していることを認めました。 入信した経緯については「夫が家でお酒を飲んだりしている様子をみて自分もイライラし不安定になり、子どもたちにも強く当たっていたと思います」と説明しました。
母親が証言台に来ても山上被告は落ち着いた様子でしたが、母親が安倍元総理への謝罪の言葉を発すると、山上被告は顔をしかめ、母親の言葉を聞くのがつらそうな様子をみせていました。 山上被告の母親の証人尋問は来週も続く予定です。