不登校でもオンライン学習で出席扱い、知らない当事者6割 民間調査

植松佳香

 自宅でICTなどを使って学ぶと「出席扱い」にできる仕組みのことを、不登校の小中学生の6割は知らない――。民間企業が、こんな調査結果を明らかにした。調査に関わった専門家は、周知や運用の不十分さを指摘する。

 オンライン学習サービスを提供する「すららネット」(東京都)が8~10月にオンラインで調べた。同社のサービスを使う小4~中3の不登校の子とその保護者が対象で、有効回答は400人。結果を12日に会見で発表した。

 自宅でのオンライン学習は、教員らの訪問による定期的な対面指導など一定の条件を満たせば、校長の判断で出席扱いにできる。

 この仕組みを「知らない」と答えたのは、子どもが63.5%、保護者が26.6%。また、学校から仕組みの説明が「なかった」という答えは、子どもが87.2%、保護者が88.9%に上った。

出席扱いを断られた中3「やる気なくなった」

 仕組みの活用を学校に申請したが「断られた」という回答も子どもで8.3%、保護者で12.7%だった。理由は「前例がない」「学校に出席扱いの制度がない」などだったという。

 仕組みは、文部科学省が2019年に通知で示した。だが、具体的な運用指針などはなく、自治体や学校の判断に委ねられている。

 出席扱いとなるかどうかは、進路や学びの意欲につながることもある。12日に会見に出た中3の女子生徒は、学校に出席扱いを断られたといい、「学びたい気持ちはあるのに、努力が無駄に感じてやる気がなくなることもあった」と話した。

 生徒の母親は「制度があるのに運用されないのは大きな絶望。学校や教育委員会が迷いなく動けるよう、文科省から具体的な運用方針を示してほしい」と訴えた。

 結果分析の監修をした名古屋大大学院の内田良教授(教育社会学)は、出席扱いの意義について「自己肯定感を含め、やる気を高めて学びが継続できるという意味でも非常に大事な効果がある」と説明。「ネット出席を含め、学びの継続の手段を教育委員会がリストアップして、当事者に伝えることが必要」と話した。

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この記事を書いた人
植松佳香
東京社会部|教育担当
専門・関心分野
子ども、教育、労働、国際関係