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盾の勇者の成り上がり  作者: アネコユサギ
外伝 真・槍の勇者のやり直し
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予言者

 そんな出来事があってしばらく経った頃の事ですな。

 フォーブレイの四聖教会にお義父さんが視察という名目で呼ばれたとの話なので俺もお邪魔しに行きましたぞ。

 タクトの件で多大な被害を受けたフォーブレイの四聖教会は絶賛修復作業中なのですな。

 色々と歴史に残る品々を戦争のどさくさで破壊されてしまっているそうですぞ。


「元康、お前ループ中に無事なここに来たんだろ?」

「そうですな」


 懐かしいですな。

 フォーブレイに向かったお義父さん達と来た時の事を思い出しますぞ。

 あの周回ではこの教会に何度か来て色々と見聞きしましたな。


「覚えているなら丁度良い。記憶の範囲で良いから修復作業の手伝いをしろ」

「お任せあれですぞ」


 タクトの爪痕は酷く、四聖教会のダメージは色濃く残っておりましたぞ。

 勇者達に見せると言う碑文も多大なダメージを受けて砕かれているのが大半となっていらっしゃるようですぞ。


「へー……ここが代々聖武器の所持者達の残した品々があった場所ねー」

「信仰による遺物だね。割といろんな世界にあるよね。そう言った品々」

「だねー」


 と、アークとホー君も一緒に来ていらっしゃいますな。


「ホーは勇者が残した文字の書き方も知っているんだったな。再現とか出来るか?」

「修復作業が必要なのかい? そりゃあ見ればある程度は復元出来ると思うけど」

「あの女神が片っ端から潰していた代物だからな。復元するのは良い嫌がらせだろ? 後年の教訓としても良いしな」

「わー……嫌がらせも兼ねるんだね。こう言った嫌がらせもあるとは斬新だー」

「腐らないように予防線を張るのは大事だね。じゃあやっていかなきゃね」


 と言った様子で四聖教会にある勇者が残した碑文の修復作業のお手伝いを俺達はするのですぞ。

 具体的には砕かれた碑文をジグソーパズルの様につなぎ合せる作業ですな。

 多少読めないと出来ない事ですが、記憶の中にある文字が光って浮かぶ力は失われて居るようですぞ。


「へえ……これが予言の碑文ね」

「なるほどなるほどー」


 復元作業中の碑文に目を通したアークとホー君が各々呟きますぞ。


「予言ね……そういや俺達が召喚された経由でこの世界に語られていた様だけど、これを残した奴は一体どんな奴なんだかな」

「確認はしないのかい?」

「思いはするが……」

「まあ、見ようとしても出来ないよ。痕跡を消すの上手だからね。心当たりがある者じゃないと気付くことすら出来ないね」


 と、アークが答えましたぞ。


「知り合いか? と言うかこの碑文はお前が居た頃に刻まれたもんか」

「ううん? 僕が旅立った後に作られた代物だね。いやー……本当、僕が居なくなってから世界各地に残していったみたいだよ」


 おや? どうやらアークの知り合いがいらっしゃったのですかな?

 この碑文を書いた方でしょうか?


「ホー君ですかな?」

「僕はこの世界に来たのは初めてだよ。だから違うよ」

「カルミラ島だっけ? あそこにある石碑にも書いてあったね。ちなみにこの世界を荒らした主犯にも自身の正体を気付かせなかったみたい」

「一体何なんだそいつ。アイツの悪さを見過ごす神狩りなのか?」

「んー……彼女はもう傍観者で居る事を選んでいるからなー……ただ、そうだね。君達が乗り越えられるように色々と仕掛けていたんだろうさ。影で力になってくれたんだよ」

「無責任な」


 お義父さんが呆れていますぞ。

 そうですな。赤豚本体が悪さをするのを見過ごす神狩りとは不届き者ですぞ。

 ですが、アーク達の話を参考にすると、もしや開拓地の各地に残された魔法を記した者と受け取れますぞ。


「そう言ってあげないで欲しいな。もはや亡霊みたいな存在だし……なるほどね。理由は分かるけどね」

「まあ、そうだね。あの子、未来予知の能力がずば抜けてるからなー」

「ルコルの実がこの世界にあるんだから立ち寄っても不思議じゃ無いよね。思い出の実だし」

「ん? それって、つまり……」


 お義父さんとお姉さんが眉を寄せて小首を傾げた所でアーク達は頷きましたぞ。


「うん。ルコルの実の件で話をした妖魔の彼女。僕を一旦封じた後の後年にね……元々強い子だったのだけどその強すぎる力が暴走をしていって未来予知の力を得てしまったんだ」

「色々とすさまじかったよね。見えすぎて困ったようだったよ。彼女を捕まえるのは難しいだろうね」

「関係ない話かと思って聞き流していたがそいつもこの世界に来たことあるのか」


 アークの怒りの部分で作った配下と相思相愛になったと言う方ですな。

 俺達が召喚される事になった予言を残した方という話ですぞ。


「赤豚が勇者召喚を推進するために残したのではないのですな」

「真似て残していた可能性はあるけど間違い無く彼女が遺したんだろうね」

「大方……ツメの勇者として召喚された程で残したのかな。精霊具……聖武器に関しちゃ彼女の右に出る者はいないからね」

「なんでだ?」

「なんでって……ああ、説明してなかったっけ。聖武器と呼ばれる代物を最初に作ったのが彼女なんだ。初期型は彼女の持つ技法を誰でも使えるようにする代物だったんだけど、そこに精霊が宿って精霊の器となったんだ」


 おお……聖武器がどのようにして産み出されたのかをアーク達は知っていらっしゃったのですな。

 そう言えばアークが深夜に聖武器のようなものを分解して組み直していましたが、アレは違ったのでしょうかな?


「精霊も彼女を見つけるのが大変だからって目印を持ってる僕の所に集まってるらしいんだよねー」


 アークがヤレヤレと言った様子で呟くと、精霊らしき光が姿を見せて合わせて上下していますぞ。

 見えておられない様子なのか俺達がその光を目で追っているのに気付いて首を傾げております。


「なんか精霊が合わせて上下してたぞ」

「そうなんだ? 見えなくてね」

「見えないのは厄介だよねー通訳する方の身にもなって欲しいよ」


 ホー君の愚痴ですな。

 俺の場合は豚語をいろんな方々に翻訳して貰って居ますぞ。


「一体どんな奴なんだろうな」

「今じゃ妖魔姿で居る事が多いよ。その姿は……大柄の猫獣人だね。任意でコウモリの羽を出してる時があるかな。一応、吸血鬼でもあるよ」


 お義父さんがアークを見ますぞ。


「うん。彼女が嫌がらせにあふれ出る力を僕に押しつけてこの姿にさせたんだよね。ぱっと見は似てて親子っぽく感じるかもね」

「絶対に君の振りをして逃げてる時あるよね。しばらく君に潜り込んでいたりしたし、断片を力の代わりに捥ぎ取って出てったんだよね、気配を消すのが凄く上手だよ」


 だろうねーとアークは仰いましたぞ。

 どうやら預言者はアークとよく似た姿をした方のようですぞ。


「違いは尻尾がそのまま猫な所とサイズだね。猫は小さくなれるけどあっちは大柄だね。体型と色がおかしいけど虎? って言ったら怒るよ」

「ただの大柄の猫獣人だろそれじゃ。虎獣人に見間違う程なのか」

「だね! 亜人姿は無くて人間姿にもなれるよ」

「本当、鳥も彼女も僕に厄介な代物を押しつけたもんだよ。その所為でこの世界じゃ転生者に僕が狙われたし……まあ、普段から狙われるけどさ」


 それは……もしや不老不死になる事ですかな?

 不死鳥の血を飲むと不老不死になるという話を何処かで豚から聞いた覚えがありますぞ。

 ホー君とその彼女も似たように不老不死の力をアークに押しつけていたと言うのが話から推測出来ますな。

 等と話をしているお義父さん達の合間に碑文の修復とばかりにパズルを組んで居ると……淡く碑文が光りました。

 これは……報告を――という所で文字の内容に思わず絶句しますぞ。


 この文字が輝く者よ。混沌の猫と不死鳥が私の事を話しているのを耳にしている汝に残す。今、報告すれば汝の望む未来は得られず。汝の信ずる者と天からの使いと汝の幸せが縮まるであろう。


 という一文がまず入って来ました。


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― 新着の感想 ―
[一言] コウモリ羽の大型虎獣人? おや、記憶の片隅に引っかかる。どこかで? おっと、ただちに記憶から消さねば存在ごと消されそう
[一言] この底意地の悪さは不老不死な奴らのデフォかよっていうくらい赤豚本体も猫と鳥も同じだなあ
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