「みんなで大家さん」全39ファンドの大半で分配金遅延、デフォルトの商品も
みんなで大家さんでは、1557億円を集めた主力商品、シリーズ成田で7月末に分配金の停止が発生したのを皮切りに、ほぼすべてのファンドで運用リスクが顕在化している。日経不動産マーケット情報は、都市綜研インベストファンドのウェブサイト、および同社が大阪府に提出した事業報告書などを基に、現行の商品すべてについて分配と償還の状況をまとめた。 2007年以来、80本以上の不特法ファンドを組成してきたが、このうち現行の商品は39本。日経不動産マーケット情報が25年3月末時点の事業報告書を基にまとめた出資残高は総額2072億円に上る。 ファンドの多くは年6回配当。運用期間は5年間のケースが多いが、契約上、事業者の都合で一方的に運用期間を1年間延長できる。元本償還は原則、運用期間終了の2カ月後だ。 25年10月末時点では34本のファンドで分配金が停止し、12本で運用期間を延長。合計6年間の運用期間を終え、25年10月末を予定していた「みんなで大家さん34号」の元本償還は期日までに実現しなかった。同じく6年間の運用を終了後、11月末に元本償還期限を迎える予定の3本のファンドについても、その実現が危ぶまれている。 「成田」に次ぐ大型案件は福岡県のバナナ関連施設、アグレボバイオテクノロジーセンターで、出資残高は164億円。同じくバナナ関連の「ファーム」シリーズが77億円、「伊勢」が68億円でこれに続く。いずれも分配金の停止や運用期間の延長が目立ち、期日通りの元本償還の可能性は日増しに薄くなっている。 共生バンクグループは、「第二の年金」や「預金感覚で始められる」といった宣伝文句で、高齢者を中心とした老後資金に不安を抱える投資家から出資を募ってきた。「シリーズ成田」の投資対象であるゲートウェイ成田開発をめぐっては、11月30日、土地造成にかかる成田市の開発許可と、用地の4割を保有する成田国際空港株式会社(NAA)による借地の期限が同時に到来する。
現行ファンド商品の分配・償還状況一覧
現行ファンド商品の分配・償還状況一覧(下記、関連記事参照) ●現行ファンド商品の分配・償還状況(償還期限順。25年10月末時点の情報に基づく)日経不動産マーケット情報がまとめた。ファンド名は略称。分配欄の「〇」は予定通りの分配を示し、「×」はすべて、または大半の分配が停止している状況を示す。「待」は分配予定時期が到来していない商品、「終」は運用期間が終わった商品。「償還期限」欄は商品発売時に告知されていた期日。脱退者は譲渡契約による解約とクーリングオフを合わせた人数。複数の商品に投資する投資家が多い
本間 純