内部からは「やっぱり」の声も
ただ、検索アルゴリズムの発展やキュレーション・口コミの役割のSNSへの移行、スマホの発展などもあって、PCネーティブの総合ポータルサイトの役割は徐々に薄れていく。かすかな記憶をたどると、私もあるときまでインターネットを利用するときのトップページをgooポータルに設定していたが、あるときからGoogleの検索画面に切り替えた。そこから自分が目指す情報に自由にたどり着けるようになったからだ。
鈴木さんは続ける。
「いまも続くポータルサイトの代表格と言えばYahoo! JAPANですが、多くの人はニュースサイトとして利用しているでしょう。ジャンルごとに専門性の高いポータルサイトもいくつも誕生していて、総合ポータルサイトの役割は薄れています。スマホ時代の今、NTTはdメニューに注力しており、gooの存在感は徐々に小さくなっていきました」
実際、社内でもかなり前からgooの存在感は低下していたという。今年6月にサービス終了したニュースポータルサービス「gooニュース」で過去に働いていた男性は言う。
「NTTドコモで運営するdメニューにも『dメニューニュース』というサービスがありますが、編集部はひとつで、私たちの作業はdメニューニュースとgooニュースそれぞれにほぼ同じように反映されていました。PV(ページビュー)が低迷するgooニュースと右肩上がりのdメニューニュースという構図もあって、PVの分析などもdメニューニュースに重点が置かれるようになりました。終了のニュースを見た時も『やっぱり』という印象が強かったですね」
長くgooニュースに関わってきたスタッフにはノスタルジーがあったかもしれないとしつつも、驚いている人はいないだろうと推測する。
栄枯盛衰激しいインターネット世界で、gooポータルの終了は時代の必然とも言えるだろう。それでも、先出の鈴木さんはこう結んだ。
「インターネット文化の創成期を支え、私たちにインターネットの自由さや楽しさを教えてくれたサービスでした。さまざまなサービスが生まれては消えるなかで、28年にわたって継続したことも特筆に値します。感謝を込めて、『お疲れさまでした』と言いたいですね」
(AERA編集部・川口穣)
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