福岡市博物館のリニューアル工事、入札業者が全て辞退 1年以上遅れ
福岡市博物館(福岡市早良区)を2029年3月ごろにリニューアルオープンする計画が1年以上遅れる見込みとなっている。大規模改修の一般競争入札で全ての参加表明者が辞退したため、入札が中止となった。資材価格の高騰や人手不足が影響したとみられるが、市は入札の再公募を行う方針という。
市博物館は1990年10月に開館した。施設や設備の経年劣化などを理由に、市は2022年にリニューアル検討の方針を発表。民間の資金やノウハウを活用するPFI方式を採用し、本館(延べ床面積約1万6920平方メートル)の改修や立体駐車場の整備を行うとしている。総事業費は約207億円の見込み。
「リニューアル基本計画」によると、今回の改修では、展示へのデジタル技術の活用、子どもの「調べ学習」の支援体制の強化などを行う予定だという。
市は今年4月、改修工事の一般競争入札手続きを開始。12月ごろまでに業者を選定し、来年秋ごろに休館した上で、工事を始める予定だった。
だが、先月3日までに、参加を表明していた全業者が辞退を申し出たという。事業者数は「非公表」(市博物館運営課)としている。
同課の担当者は、入札辞退について、事業者にヒアリングをして検証しており、「資材高騰や人手不足も要因の一つとは思っている」と説明。入札手続きのやり直しを検討している。
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