今回は、三桁の引き算にチャレンジです。
繰り下がりが多いので、計算に時間がかかりそうに見えるかもしれませんが「ある工夫」をすれば、びっくりするほど簡単に答えが出ますよ。
どのような工夫が有効か、ぜひ考えてみてください。
問題
次の計算を暗算でしなさい。
707−498
※制限時間は10秒です。
解答
正解は、「209」です。
10秒以内に答えが出せる工夫、思いつきましたか?
「どう工夫してよいのか分からなかった」という人は、次の「ポイント」に進んでください。工夫の仕方と計算過程を紹介していますよ。
ポイント
今回の問題のポイントは、「498を500にして計算すること」です。
この式が暗算しづらいのは、繰り下がりが多いからです。そこで、ひとまず引く数の498を数が近くて切りのよい500に変えてみましょう。
707−498→707−500
「707−500」であれば、繰り下がりは発生せず、207という答えがすぐに求められますね。
ただし、207を今回の問題の答えにするわけにはいきません。498を引くことと、500を引くことは同じではないからです。では、「−498」と「−500」の違いは何なのでしょうか。
500は498に比べて2大きな数です。よって、498のかわりに500を引くということは「2多く引きすぎている」状態になります。
この状態を解消するには、500を引いた後に引きすぎた分の2を足してやればよいのです。こうすれば、もとの「707−498」の式の意味を変えずに、計算を簡単にできます。
ここまでの説明は理解できたでしょうか。
では、計算過程を見てみましょう。まずは式の変形からです。
707−498
=707−500+2
498の代わりに500を引いて、さらに引きすぎた分の2を足します。これで、元の式と変形後の式の意味は変わりません。
次に、引き算と足し算を順番に行っていきます。
707−500+2
=207+2
=209
繰り下がりのない引き算と繰上りのない足し算ですから、計算はとても楽にできるはずです。
まとめ
今回は、三桁の引き算を暗算するための工夫について紹介しました。
繰り下がりのある引き算では、引く数を切りのよい数に変えると計算が楽になることがあります。この工夫は、引く数がもう少しで切りがよい数に届くとき、特に使いやすくなります。
ただし、引く数を変えることで元の式の意味も変わってしまうようでは正しい答えにたどり着けません。引く数を変えることで発生する誤差を考えて、調整の計算を入れることも忘れないでください(今回の問題では、引く数の498を500に変えたときに発生する誤差を+2の式で調整しました)。
もし繰り下がりが多そうな引き算を見つけたら、今回の工夫が使えないか、ぜひ試してみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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