斎藤知事の不起訴 「県政進む空気ない」「嫌疑一定晴れた」との声

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 神戸地検は12日、兵庫県の斎藤元彦知事や昨秋の知事選に絡む告訴・告発のうち7件について、いずれも嫌疑不十分で不起訴とし、発表した。これを受け、県職員や県議ら関係者が取材に応じた。

 不起訴となったのは、知事選で斎藤知事側がPR会社に選挙運動の報酬として約70万円を支払った疑いがあるとする斎藤知事の公職選挙法違反(買収)、PR会社長の同違反(被買収)などの容疑。

 そのほか、2023年にあったプロ野球の阪神・オリックスの優勝パレードで、不適切な税金投入によって県に約3億円の損失を与えたとする斎藤知事らの背任容疑▽上郡町から県に贈られたワインを持ち帰って飲み、県に損害を与えたとする斎藤知事の背任容疑▽知事選に立候補していた稲村和美氏への支持を表明した県内22市長による公選法違反容疑▽稲村氏のXアカウントが凍結された偽計業務妨害容疑▽稲村氏に関する虚偽の事実をSNSに投稿した公選法違反容疑2件。

 不起訴という報道を受け、ある県幹部は冷静に受け止めていた。「トップの疑惑が晴れて、普通なら庁内が『県政が前に進む』雰囲気になるはずだが、そうはなっていない」と語った。

 理由の一つが、斎藤知事が刑事告発され、捜査中のものが残っているからだ。内部告発した元西播磨県民局長(故人)の私的情報を前総務部長が県議に漏洩(ろうえい)した問題で、斎藤知事が漏洩の指示をしたとして地方公務員法守秘義務)違反容疑で刑事告発されている。

 この県幹部は、神戸地検が今回の不起訴の理由を「嫌疑不十分」としたことから、「知事選を巡る問題の真相はわからない。内部告発問題がはじまって1年半以上経つが、まだまだ続くと思う」と話した。

 別の県幹部も「県政は何も変わらない」という。「知事はこれで一区切りついたと思うだろう。現状に満足していて、変えようと思っていないと感じる」として、当面は県政の混乱が続くという見通しを示した。

 内部告発問題などをめぐり、斎藤知事に辞職を求めている県議会会派・ひょうご県民連合の上野英一幹事長は「刑事処分の結果が出ても、第三者委員会が指摘した公益通報者保護法違反について、知事は何も責任をとっていない。追及を続ける」と話した。

 一方で、ある県議は「不起訴となって、知事の嫌疑は一定晴れたと思う。県政の混乱を収めるためにも、対立ばかりではなく、今後は政策議論もしていきたい」と話した。

 また、兵庫県市長会の有志22人の一人で、県市長会長の酒井隆明・丹波篠山市長はコメントを出した。「市長は自らの政策を実現するため、その肩書を用いて選挙活動をすることも許されています。今回の選挙は、事実でないことや人権侵害に関わることが多く、さらなる混乱が目に見えていたため、県政が前に進むことを願っての純粋な思いの表明でした。このことをご理解いただいたものと考えています」とした。

 知事選に立候補した稲村氏の後援会の共同世話人の津久井進弁護士は、稲村氏のSNSに絡む3件について記者会見を開いた。「大変残念に思う。不起訴は捜査が十分に行われなかったものだと考えている」と述べた。

 津久井弁護士によると、SNSでのデマが虚偽事項公表罪と事実歪曲公表罪を規定する公職選挙法にもとづいて判断されることを求めていた。「SNS上でのデマが社会問題になっている。社会に問題提起して、次の選挙で同じことが起きないようにしてほしいという思いでやった」とした。処罰目的での告発ではないとして、検察審査会への申し立ては考えていないという。

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斎藤知事「適切に判断いただいた」

 兵庫県の斎藤元彦知事は12日、自身が関係する告発が不起訴となったことを受け、代理人弁護士を通じて「捜査機関において十分な捜査を尽くされた結果、適切にご判断いただいたものと考えております」とのコメントを出した。

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