【永田 雅乙】うなぎチェーン「鰻の成瀬」に苦情殺到か…「本部は何もしてくれない」赤字店オーナーの”悲痛な叫び”

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「うまい鰻を腹いっぱい!」をコンセプトに、お値打ちに本格うな重が食べられるとして人気を集めている、フランチャイズビジネスインキュベーション社が運営するうなぎチェーン「鰻の成瀬」。

2022年に1号店をオープンして以来、鰻の成瀬はフランチャイズ(FC)方式で破竹の勢いで全国展開を推し進め、創業からわずか3年で381店舗(2025年10月31日現在)にまで成長。同社代表取締役社長・山本昌弘氏が掲げる400店舗の大台まであと一歩に迫っている。

そんな、群雄割拠の外食業界において、圧倒的なスピード感で頭角を現してきた鰻の成瀬だが、ここへきて不穏な話題が飛び込んできた。それがFCに加盟するオーナーたちによる、本部への“苦情”だ――。いったい人気チェーンの現場で何が起こっているのか。

「期待していたほどの利益も出ない」

「『鰻の成瀬』のオーナーの方々から、私の元に相談が殺到しています」

そう打ち明けるのは、外食産業専門コンサルタント会社「ブグラーマネジメント」代表で、“永田ラッパ”名義でYouTubeチャンネルの運営も行っている永田雅乙氏だ。

「鰻の成瀬の山本代表とは、かつて雑誌の企画で対談した縁があり、私のYoutubeチャンネルにもご本人に出演いただいたり、これまで鰻の成瀬について何本か動画で取り上げた経緯があります。それもあってか、オーナーから私に直接ご連絡いただくことも多いんです。

『鰻の成瀬の批判をするな!』という趣旨のクレームであったり、経営の相談をされたり内容は様々ですが、中には現場の実態を克明に教えてくれたり、オーナー同士のLINEグループの会話内容を教えてくれる人もいました。その話に基づけば確かに、お店が上手くいっていないオーナーが一定数いるのは事実です」

永田氏によると、あるオーナーはこんな悩みを抱えているという。

《そもそも出店場所は人通りが少なく、競合するような外食店もそこまでない、いわゆる「二等立地」。その分、出店コストは少なかったので、騒ぐほどの大赤字にはなっていない。けれど、想像以上に客足は伸びず、期待していたほどの利益も出ない。奥さんのパート収入があって、ようやく生活が成り立つレベルで、どこかのタイミングで店をやめれたら……》

だが、こういった悩みはまだマシなケース。店舗によっては、赤字に苦しむ中で本部への強い不満を抱くオーナーたちも少なくないという。

「本部が何もしてくれない」是非をめぐって

オーナーサイドが抱える本部への不満。その言い分は主にこうだ。

《こちらは飲食店経営においてほぼ素人で、本部からの指示通りに運営している。それでも業績が苦しいのに、どうすれば経営が改善するかのアドバイスなど、アフターフォローが一切ない。このまま本部が何もしてくれないままなら、潰れるのは時間の問題だ》

一見するとオーナー側の言い分はもっともに思えるが、こと鰻の成瀬に関しては、少し事情が変わってくる。前出の永田氏は「同チェーンのFC形式は、他のチェーンと異なる形態ゆえに、問題が複雑になっている」と指摘する。

「通常のFCであれば、元社員しかのれん分けを許さない、一定期間の教育を経て独立させるなどが一般的ですが、鰻の成瀬はそうではありません。加えて出店コストも安いとあって、飲食店知識のない方でも始めやすい。驚異的な出店スピードのウラにはこうしたカラクリがあるんです。

今回の騒動のポイントは、鰻の成瀬に、FC加盟店が本部の方針やマニュアルに従って運営しているかをチェックし、サポートする『スーパーバイジング』という制度が一切ないということ。したがって『本部が何もしてくれない』のは当然というわけです」

自力で客数減を補っているオーナーも

従来のフランチャイズ経営には必須ともいえる「スーパーバイジング」を廃した鰻の成瀬のFC形式。この仕組みは当然、加盟時にオーナーにも説明されているはず。したがって、前述したオーナーの不満は、お門違いとも取れるというわけだ。

とはいえ「一般のFCならあって当然のモノがない」というのも事実。それゆえ、FC内でも「何もしてくれない本部が悪い」「自助努力を怠っている加盟店が悪い」と双方、紛糾しているという。

「私の動画のコメントを見ると、『FCは弱者を搾取する詐欺まがいのビジネスだ』と言う過激な人もおりますが、それは大きな間違い。実際、『鰻の成瀬』も業態としては非常に良いものと考えております。

オーナーの中には店舗の来店が見込めない分、自分でセールスをかけ、地元のイベントや集会で出されるお弁当として発注依頼をもらうなどして、売り上げを出している方もいます。要は、業態の使いようなんです」(永田氏)

結局、“楽して稼げる”ビジネスなど存在しない。それは、急成長を遂げる鰻の成瀬であっても同じのようだ。

【後編記事】『「いつもガラガラ」「不味すぎる」鰻の成瀬に忍び寄る《閉店ラッシュ》の影…原因は「現場力」不足か』につづく。

【つづきを読む】「いつもガラガラ」「不味すぎる」鰻の成瀬に忍び寄る《閉店ラッシュ》の影…原因は「現場力」不足か