けど今から軌道修正するのも手間なのでこのまま進めますね。話途中でやんわりと修正していく感じで行きます。
とりあえず邪兎屋を出すと話が作れちゃうという安心感。
邪兎屋って本当に完成されているなーと感じますね。
「はぁっ!? アキラとリンがしばらく衛非地区に行くですって!?」
店内にいきなり響いたニコの大声に、驚いた18号がレジ台から転げ落ちた。数回バウンドしてもノーダメージなのを見ると、ボンプってほんと機械とは思えない柔らかさしてるなと思う。
視線をニコに戻すと、店に4人揃っている邪兎屋の中で驚いているのはニコだけのようだ。寧ろ何で驚いてんのって顔してる。何で全然連携取れてないんですかね……。
「何、あたしに何も言わずに行っちゃったってわけ!?」
「えーと、正確に言えば今はアキラだけ先に行ってる。リンは別件で外出中だけど、後から行くってさ」
「ていうか何でニコは知らないわけ……?」
俺が状況を伝えると、ニコの後ろで耳を抑えていた猫又が呆れ顔で疑問を投げた。
「親分、俺らにも連絡は来てたと思うぜ……?」
「ニコ、もしかしてスマホの充電切れっぱなし?」
両脇に立っていたビリーと首をかしげるアンビーの言葉に、ニコは自分のスマホを取り出してあ、と声を漏らした。
「……そうだったわ。いつも行ってる店の裏口にあるコンセントが塞がれちゃってたのよねー、また探さなきゃ」
息をするように軽犯罪を自白するニコ。生活費を節約したいっていう気持ちはわからんでもないけど、それはちょっと引くわー。
「それで、衛非地区までどのくらい距離があるわけ?」
「俺も詳しくは知らないけど、飛行船で移動するって言ってたぞ」
「げっ、飛行船かよ……あんまり良い思い出がないぜ……」
ビリーが何かを思い出したように苦い顔をする。なんだろう、乗ってた飛行船が墜落しかけたりとかしたのだろうか。ジョースターの血統とかあったら絶対に墜ちてると思うけど。
「飛行船って、機内食は出る?」
「わかんないけど、出るとしてもビーフオアチキン……ってこれは飛行機だったか」
「ビーフバーガーとチキンバーガー……どちらも魅力的ね」
「言ってない言ってない。とりあえずハンバーガーはでないと思うぞ」
「…………そう、ならバンズを持ち込めばいいのね」
心底残念そうにするアンビーだけど、ハンバーガーへの執念で切り替えてきた。そんなに無いといけないもんかなハンバーガー、枕が変わると寝られなくなるみたいな感じなのかもしれない。
話を聞いたニコは、ふーんと言いながら店のコンセントにケーブルとスマホを指す。
おいこら、しれっと充電始めるんじゃないよ、リンに言いつけるぞ。タダでさえ『電気代がー!』って嘆いてるから、わりかし怒られると思うよ。
「それで、店はサックー1人で大丈夫なわけ?」
「え? ああ、一応問題なく回るようにしてくれるらしいぞ」
ビデオのラインナップについては毎日アキラから指示が来る。後はこれまでバイトでやってきたことと変わらないので、店は問題ないだろうとのことだ。ボンプ達も本当に頼りになるからね。
そういう事で『Random Play』はしばらく主人不在になる、と話を締める。するとニコは何かを思いついたようだ。今のニコはちょっと仕事人っぽい顔になっているし、これはちょっと良案を期待してもいいのかもしれない。
「もしかして、今ならここを邪兎屋の拠点にしていてもバレないんじゃないかしら……?」
「不法占拠じゃねえか」
ちょっとかっこいいかもと思っちゃった俺の気持ちを返してほしい。そういう事を本気で考えちゃうから尊敬できないんだよなこの人。
「名案ね。ビデオも選び放題の見放題、最高だわ」
「アンビーも乗らないで。一応全部商品だからね?」
「おいおい、そりゃ流石に店長に悪いぜ……」
「ビリー、一旦その手に持ってるビデオ置こうか」
2人とも目をキラキラさせていて可愛いけど駄目です。いくら親しい仲でも無許可でそれはライン超えだと思うよ。あのお人よし店長なら許しちゃいそうではあるけどもね。
「ちょっと皆、いつもお世話になっている2人に迷惑かけちゃダメでしょー」
「そうそう、猫又もっと言ってやって」
「せめて店の手伝いとか、名目をちゃんと作っておくべきだと思うぞー?」
「違う、そうじゃない」
うーん、あくどい笑み。猫又も立派な邪兎屋の一員だね!
バイトとはいえ俺がいる前で堂々と名目とか言っちゃ駄目でしょ。何自分は違うけどみたいな顔してんの。……ついでに俺まだこないだのポーカーの件忘れてないからね?
「ま、冗談はさておき」
「全員目が本気だったけど?」
アンビーが「違うの……?」ってシュンとしてるからあれ本気だったな。咳ばらいをしたニコは、胸を張って俺にとある宣言をした。
「いくら慣れてるとは言っても、1人じゃ大変でしょ? ……だからあたしたちもお店を手伝ってあげる! 遠慮なく頼っていいわよ! 邪兎屋にかかれば万事解決!」
「ニコ……」
「で、本音は?」
「この恩は溜まりに溜まったツケをチャラにできる千載一遇のチャンスよ! 逃すわけないじゃない!」
「そんなことだろうと思ったわ!」
「締まらねえぜ親分……」
予想通りすぎて寧ろ安心した。けれど完全に1人で回すことが不安だったのも事実なので、大人しく邪兎屋の皆を頼ることにした。いざとなったら常識人グループという超心強い味方もいるし、きっと何とかなるだろう。
手伝いを頼んだ直後、いつの間にかアンビーが頼んでいた某ピザ屋から出前が届いた。そこはハンバーガーじゃないんだ。ピザと同じタイミングで帰ってきたリンは、喜んで邪兎屋と一緒に防音室へ入っていきましたとさ。
結局ビデオ観たかっただけじゃねーか。結局店での作業が俺一人になってるし、手伝いという名目を完全に忘れてるじゃん。……俺は邪兎屋みたいな大人にはならないぞ、うん。
ニコって徳と軽犯罪の両方を積み重ねているから、結果トントンになっているという不思議な人ですね……。
アンビーとバーニスの某ピザコラボ衣装、ゲームでも来ませんかね?