なめらかなお金がめぐる社会。 あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。

  • ディスカヴァー・トゥエンティワン (2017年8月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (200ページ) / ISBN・EAN: 9784799321591

感想・レビュー・書評

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  • FIREというキーワードでBOOKOFFオンラインで何冊か買った中の1冊。どうもFIREというWordで引っかかったのではなく著者がCAMPFIREというサイト?会社?の人だから引っかかったみたいだ。

    でもそれは読み終えてから気がついたことで、本の内容は良かった。クラウドファンディングについての本。最近私が考えてることにリンクしていたのですっと内容が入ってきた。

    最近考えてることというのは以下のようなことだ。
    私も50代半ばに近くなり、たぶん人生の折り返し地点を過ぎている。希望して仕事を辞めたわけでもないが、辞めることになって結果的にFIRE(Financial Independence, Retire Early、経済的自立、早期退職)したみたいになった。今までの人生、大学を出てから職を変わりながらも生活のために働いてきた。そして今、生活にも困らなくなり家事の傍らに趣味も楽しめるようになった。でも果たして自分だけが良いでいいのか?と考えた時に、社会貢献ということを考える。
    ユニセフに寄付していた時もあったけど、寄付額の半分は人件費や広告費としてユニセフが取ると聞いたことがあり、なんだかなと思ってやめた。
    今は国境なき医師団に月々1,000円、Wikipediaに月々150円寄付している。
    得をしたいと思う気持ちが年々薄れていく。食べ放題でたくさん食べたなら得なのか?そのために半年ジムに通って減量プログラムをやる羽目になるならそれは一体得だったのか?
    セール品のバックを買ったとする。本当に欲しかったのは実は色違いのやつだったけど、そちらは値引きしてなかったので50%OFFだった方を買ったとする。
    嬉しくて毎日愛用するが、見るたびに「本当は色違いの方が良かったかな」とちらっと思ったりする。だとしたらそれはお得なのか?

    なんだか話が逸脱したけど、「必要なものは必要なだけ買い、セールだからという理由では買わない」ということをしていると部屋が散らかる要因になるモノは増えないし、買ったものは大事に使うし、契約したサービスはよく使うようになるし、で、お金はそこそこあればいい、という結論に達する。

    なにもプール付きの大邸宅に住みたいわけじゃない。自家用ヘリコプターで移動したい訳じゃない、
    なので、お金が無尽蔵に欲しくはない。むしろちょうどいいだけあればいい。

    だとしたら他所に寄付するのもいいじゃないか。感じのいいお店にお金を落とすのもアリじゃないか、と思う。

    この本は自分が得をすることだけのためにだけでなく、他人を助けてプラスの価値を作る、ということに関する本だ。あるいは若い人たちの考え方なのかもしれないが、私にも理解できた。

    それが全てではない。問題もあるだろう。だけどそういった流れがあるということ自体に励まされた。

  • 生き方の模索。実践。その先へ。
    すげえなーという著者に対するすなおな尊敬が出てくる。それだけで読む価値あり。
    この流れは知っていておっていて、やって見るといいよ。くるよという感覚はつかめていても、
    その潮流者の生の声を聞ける本書は貴重。
    今だからこそ読むべきだし、10年後読み直しても面白いと思える時代の矜持の話だとみえる。
    やっぱり、この資本主義の時代に中庸や親鸞の影響といった話がインタビューの中から出てくるのがおもしろい。

    世界は幸せになりたいとう方向に向かっていくものだと思っていて、その模索が人の生き方であり、失敗も時代も含めて生きていくを実践する。
    その大事さに気づける内容。

  • 家入一真さんが提案する、
    お金があるべき理想の形が、ぎゅっと詰まった本。

    面白いからぜひと、後輩が貸してくれた一冊。
    phaさんや谷家衛さんとの2つの対談からも、
    彼の人柄や、考え方を知ることが出来て面白かった。

    この家入一真さん、
    数多くのサービスを生み出し、
    そこに新たなコミニュティを作ってきたお方。
    なんと、このブクログの産みの親でもあったとは。
    恐れ多い...。

    知らぬ間に、彼が作ったコミニュティに、
    大切な居場所を見出しているかもしれない。

    そんな多くのサービスの中でも、
    MOCOLLEというサービスは初めて知った。
    面白いアイデアをもって、
    クラウドファンディングでお金を集めても、
    製造、流通、販売の実現化が分からない...
    そんな歯痒さを見事に解決したプラットホーム。
    ちなみにネーミングは、妄想コレクションの略から。
    妄想で終わらせない って、いいなあ。

    彼が提供するサービスで巡るお金は、
    思いやりが乗っかった、優しい経済圏なのだと感じた。
    個人レベルで繋がり、
    支え合えるコミュニティだからこそ、
    みんなで夢を追ったり、応援したりが出来て暖かい。

    それと同時に、出来ない も無くなっていくため、
    これからは、始めの1歩を踏み出せる者と、
    そうでない者の線引きが、
    より明確に見えてしまうのだろう。

    なんでも叶えられる世界で、
    なにも叶えず過ごす危機感を感じた。

  • 「お金」というものそのものが価値を持って、投機ありきで目まぐるしく回転を続けてきた社会。行き過ぎた資本主義が作り上げた「大きいものが偉い」というロジックが崩れている。「小さな経済圏」「お金に拠らない繋がり」というものをもう一度見直すことによって、幸せの形をいろいろ考えようという本と受け止めました。
    小さな声、小さな夢が踏みつぶされない為に、色々なプラットホームを作り実際にそれを運用している人々を微笑ましく見ている。文章で見ているとそういう風な人に感じられます。名前しか聞いたことないんですけどね。
    多分自分はこのまま会社員で居続けると思うのですが、こういう本を読むとその他にも身の回りの人々と小さな共栄圏を作って、その中でお金を回し合っていけば会社が無くなったり、突然社会保障が無くなってもゼロにならずに何とか生活を立て直す基盤に出来るような気がしてしまいました。みんなで少しずつカンパする事が自然な社会というのはとてもいいですよね。大昔の頼母子講みたいな感じでしょうか。
    信用度と人柄と面白さでお金が集まるネット時代と、アメリカと中国の巨大な覇権争いのような事が起こっている時代。それが並行して起こっているのが今このときなんですよね。世界情勢も大事だけれど庶民には世界を変える事は難しい。ならば小さな経済圏でいい影響力を与え合うような生き方の方がこれからは大事だなと思いました。

  • クラウドファンディングは銀行や株式といった大きな経済とは別に、個人といった新しい小さな経済圏を生み出すことができる。これにより起業するハードルを下げるなどのメリットをあげた著書。

    しかしながら、クラウドファンディングを知らない人はほとんどいないとあ思うが、自分もやってみようと思う人もほとんどいないと思う。それはまだクラウドファンディングという選択肢が一般的になっていないことを挙げている。そのため、著者が今まで行なってきた普及活動や他の団体ではこんなことをやっている色々と紹介されている。

    人が幸せに生きるには、いい大学に入り、いい企業には入り、たくさんお金を稼ぐことだけでないことを示し、その一つの選択肢としてクラウドファンディングが将来的に金融の代わりを担う可能性を示した著書。

    『なぜ多くの人は、人生の多くの時間を好きでもない仕事に費やすのか。それは、他に生活費を稼ぐ手段がないと思い込んでしまう世の中があるからだ。』

  • 【要約】
    日本社会は成熟し、「お金がすべて」という商業主義から、「目的を達成したい」という自己実現主義へ価値観のシフトが(若い世代を中心に)起こっている。インターネットはあらゆるものを民主化し、人々の多様な価値観に応えるプラットフォームを生み出してきた。自分の挑戦をするべく声をあげた個々人へ資金を民主的に調達することが、クラウドファンディングの社会的意義である。CAMPFIREは、お金が滑らかにめぐる、自分の存在を肯定してもらえる小さな経済圏を増やしていくことを目指している。

    【所感】
    資本主義の限界と新たなモデル構築の必要性、という話については
    「父が娘に語る経済の話。」(ヤニス・バルファキス)
    「持続可能な資本主義」(新井和宏)
    を通して学んだ。
    本書の「小さな経済圏」というアイデアは、一つの解となりうる提案だと思う。
    「さとり世代」と呼ばれる現在の20代以下の人には共感しやすい考え方である一方、現在の日本の大半を占める中高年層にはあまり理解されない発想であるかもしれない。それだけに、CAMPFIREの挑戦はまだまだ続くのだろう。クラウドファンディングによる資金調達で自分の挑戦を続ける人も次々に現れ、結果としてより幸福度の高い社会が実現していけば、そうした年齢層にも受け入れられ、むしろ支援されるようになるのかもしれない。

  • 『生きやすい世の中にするための"優しさ"が詰まった一冊!』

    ■読了時間 1時間44分
    ■この本をオススメする人
     ・今の世の中に息苦しさを感じている方
     ・クラウドファンディングに興味のある方
     ・起業を目指している方
    ■感想
     この本には、お金持ちになる方法は書かれていません。小さな経済圏で、小さく稼ぎながら、小さな幸せを手に入れる方法が書かれています。
    "なめらかなお金がめぐる社会"という独特の表現は、すなわち、恩義を受けると返したくなる人間の習性や善意で循環する優しい社会であると解釈しました。そのような社会を実現するための一つの手段として、著者はクラウドファンディングを提唱しています。

    クラウドファンディングについては、キングコング西野亮廣氏も新たな資金調達の手段として著書で紹介しておりますが、西野氏は成功する手段として取り上げているのに対して、著者はクラウドファンディングのプラットフォーム自体を提供していることもあり、どちらかというと支援者の立場、あるいはもう少しスケールの小さな資金調達手段として、クラウドファンディングを推奨されている印象を受けました。

    良い大学を出て、大企業で働くことを是とする旧時代的な考え方とは、対極にある価値観です。

  • より豊かにという「大きな経済圏」から個人や地域レベルでやりたい事を追求する「小さな経済圏」への変化とcampfireが目指すもの。

    小さな経済を同時に回す事で、収入の選択肢を用意すると共に成功の芽を沢山用意する事で個人の内的欲求を満たしやすくする。


  • 「その時代に必要な居場所を作り続ける」

    その時代に必要な居場所を考えて、それを一つ一つ実現させてる生き方にただただ尊敬!

    わたしも小さな経済圏でいきたいなあ。

  • 本書の主眼は「行きすぎた資本主義社会をアップデートする」ために「小さい経済圏をつくる」こと。
    「行きすぎた資本主義」は、資本を増やすことに傾倒するあまり、必要以上に消費を煽ったり、投資に回るお金が増えすぎてしまったりすることにより、様々な社会問題を引き起こしてきた。
    行きすぎた資本主義をアップデートして、いい社会(それぞれが幸せを追い求める社会、自己実現を目指す社会)を目指すためには、だれでも声を上げることができ、だれでもそれを支援できる環境が必要である。国や企業、銀行などの「大きな経済圏」に対し、こういったコミュニティを「小さな経済圏」として、その実現のための取組(campfireなど)を紹介した。


    国や大企業など、大きなものが不安定になってきている今、個々が未来に希望を持って自己実現を目指すことは、これからの生き方のヒントになると思った。
    このことは、消費型の生き方を見直し、何かを生み出す、何かを与える生き方を目指すことにもつながってる。
    こういった話は、ある程度暮らしに余裕のあることを前提としたものが多いように感じるが、社会の仕組みから漏れてしまった人やマイノリティにも自己実現をするチャンスをがあり、失敗しても戻ってこれる場所づくりをしていることに家入さんの考え方の深さを感じた。

  • 資本主義の限界や新しい幸せのかたち、お金が循環する小さな社会の話などとても面白かったです。
    キングコングの西野さんの書かれた本と言っている内容はほとんど一緒だと思うのでこの本が合う人には西野さんの本も合うと思います。
    基本的には星5なのですが、キャンプファイヤーの宣伝が客観的に見て少し多かったので-1です。

  • 村上龍『希望の国のエクソダス』「この国には何でもある。だが、希望だけがない」p38

    「金融包摂」p149

  • マイノリティが歩むための支援を教えてくれる本

    ・生きるために必要なことをお金以外でも手に入れる事ができる
    ・お金+αの価値で資金調達できる
    ・社会との良い関わりが人の心を満たす

    『できない理由を一個一個なくしていく』

  • クラウドファンディングの真髄にフォーカスした話

  • 目は鱗。
    やってみたいことたくさん湧き出てきた本。

    キャンプファイアも、ブクログもこの本がきっかけです

  • さくさくっと読んだ
    途中、経済用語のカタカナが多用される章があってちんぷんかんぷんやった

  • お金の民主化を進めるクラウドファンディング。家入さんの考え方は素敵だ。自分のやりたいことをやれる時代になっている。

  • 生きやすい社会のためには選択肢があって流動性があることは大事だと思う。
    それを活かすためにも、自分がやりたいこと、自分が幸せを感じることを追求していくことが必要に感じる。

  • 小さな経済圏で社会的にもお金を回せるようになっていくことが、生きづらさを感じている人たちが生きやすくなりそう。小ささは地理的な小ささでもよいし、共通項でもよい。

  • 今ではお馴染み。キャンプファイヤーによるクラウドファンディングの哲学となる一冊ですね。大きな経済=資本主義を見直し、小さな経済もありだと思えるような一冊です。

    酒井格さんの 田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」とかが好きな人にはマッチしそうです。

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著者プロフィール

家入 一真
起業家/リバ邸創業者

2003年「ロリポップ」「minne」など個人向けサービスを運営する株式会社paperboy&co.(現GMOペパボ)創業、2008年JASDAQ市場最年少( 当時)で上場を経て、2011年株式会社CAMPFIRE 創業。2012 年BASE株式会社を共同創業、東証マザーズ(現グロース)上場。2018年ベンチャーキャピタル「NOW」創業。Forbes JAPAN「日本の起業家ランキング 2021」にて第3位に選出。その他、N高起業部の顧問等も勤める。
著書は「こんな僕でも社長になれた(ワニブックス)」、「我が逃走(平凡社)」「なめらかなお金がめぐる社会。(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」他多数

「2025年 『居場所をつくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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