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高市早苗氏の「さもしい顔」発言は生活保護批判ではない — 文脈を読まずに拡散されたデマ

■ はじめに

2025年10月4日、自民党総裁選で高市早苗氏が決選投票の末に初の女性総裁に選出されました。
これにより、今月召集予定の臨時国会で日本初の女性内閣総理大臣の誕生が確実となります。

まずは、女性初の総裁誕生という歴史的瞬間を心から祝福します。
政治家としての長年の努力と実績が実を結び、日本の政治史に新たな1ページを刻む瞬間です。

一方で、右派系政治家から女性初の総理が誕生したことを背景に、SNSや一部左派メディアでは、過去の発言の一部を切り取って攻撃する動きが顕著になっています。

特に「さもしい顔をして貰えるものは貰おう」といった発言は、文脈を無視した形で生活保護受給者への差別発言として報じられ、誤解が拡散しました。

本記事では、発言の正確な文脈と背景を整理し、事実とデマを区別して解説します。


■ 発言が行われた時期と背景

問題となっている発言は、平成24年(2012年)5月10日、憲政記念館で開かれた「真・保守政策研究会」大規模研修会 における高市早苗氏の講話の一部です。

この会合は、安倍晋三元総理や長勢甚遠元法務大臣など、自民党内の保守系議員が集まり、「国家経営理念」や「日本の再生」をテーマに議論するものでした。

当時はまだ民主党政権下で、安倍氏が再び総裁に返り咲く前の時期です。

高市氏は、安倍政権時代の政策姿勢や、松下政経塾で学んだ「国家経営理念の重要性」を語る中で、次のように述べました。


■ 問題となった発言

「さもしい顔をして貰えるものは貰おうとか、弱者のふりをして少しでも得をしよう、そんな国民ばかりになったら日本国は滅びててしまいます。」

高市氏の発言箇所を頭出ししたので、YouTubeの動画を以下に引用します。(32分16秒頃から)

この部分だけを切り取って、「弱者を蔑視した発言」との誤解が拡散されておりますが、前後の文脈を読むと意味はまったく異なります。


■ 発言の文脈:安倍内閣の理念を語る中で

高市氏はこの演説で、安倍晋三元総理の掲げた国家理念を振り返っていました。

そこでは、「福祉から就労へ」「国民・領土・主権・資源を守る」といった方針を紹介し、「ばら撒きではなく、自立を重んじる社会」 の重要性を強調しています。

つまり、「さもしい顔をして貰えるものは貰おう」という発言は、制度を悪用する人々や、努力を放棄して依存する姿勢への倫理的な批判であり、生活保護制度そのものや正当に受給している人々を攻撃したものではありません。


■ 不正受給への批判と受給者への偏見は別問題

高市氏が問題にしているのは、制度の「不正利用」や「依存体質」です。

これは多くの政治家が共有する一般的な立場であり、生活保護制度の正当な利用者に向けられた言葉ではありません。

しかし、SNSで一部のアカウントが「高市氏=生活保護受給者差別」と決めつけて発信したことで、発言の趣旨が歪められ、誤情報として拡散しています。


■ 結論:切り取りによる誤解を避けよう

  • 高市氏の発言は 不正受給や依存的な態度への批判。

  • 生活保護受給者全体を蔑視したものではない。

  • 「生活保護批判発言」というSNS上の主張は デマ(誤情報) です。

政治的立場の違いに関係なく、発言の一部だけを切り取って拡散する行為は、議論を歪め、社会的分断を深めます。

正確な文脈を読み取る姿勢が、いまこそ求められています。

現代の日本では少子化による労働力低下が深刻な課題となっています。
その中で、生活保護制度の「不正利用」や「依存体質」が蔓延すると、国民の自立心や生産性が損なわれ、日本経済の持続性は大きく揺らぎます。

高市氏が警鐘を鳴らす「さもしい顔をして貰えるものは貰おう、弱者のふりをして少しでも得をしよう」という態度が国民に広がると、経済的・社会的に日本は危機に直面することになり、これは社会として共有すべき事実です。

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