2025.09.12
広まるAI検索に“見込み客”を奪われるリスク 「配配メール」のラクスに学ぶ、“自前の顧客接点”の作り方
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草彅洋平氏(以下、草彅):司会をさせていただきます、東京ピストルの草彅と申します。よろしくお願いします。
(会場拍手)
まず、伊藤さんから自己紹介の方をお願いします。
伊藤浩樹氏(以下、伊藤):改めて、ピクシブ代表の伊藤と申します。よろしくお願いします。
私は2013年1月にピクシブに入社しまして、2017年1月に創業者の片桐が、DMM.comの代表になるというタイミングで、次の社長を引き継ぐということになって、今に至っております。今日はどうぞよろしくお願いします。
片桐孝憲氏(以下、片桐):片桐です(笑)。
(会場笑)
片桐:2005年にピクシブの前身となる会社を作って、2007年にpixivができて、11年間ぐらいピクシブという会社をやってきました。今は、株式会社DMM.comで代表をやっています。よろしくお願いします。
(会場拍手)
草彅:よろしくお願いします。最後ということで、気楽な感じで話していきたいなと思っているんですけれども。まず、設立の経緯みたいなところを。
片桐:1998年頃かな? 僕が高校生だった頃に、一人暮らしをしてたんですけど。毎日友達が家に遊びに来て、こういう状態を一生やりたいなと思ったんですよね。
その時に、ちょうど裏原のファッションブランドが盛り上がっていて。「APE」とか「UNDER COVER」とか、友だち同士で作ってちゃんと仕事できてるな、みたいな。そういうのを見て、「東京に行って会社作りたいな」と思ってたんですよね。
2000年に大学に入って、インターネットを始めてバンドのウェブとかを作っていたんだけど、ネットビジネスというのがいまいちよくわからないな、と思ってんだけど、2004年くらいに、ライブドアの堀江さんをテレビでみて、「インターネット企業を作ろう」と思ったんですよね。それで、2005年に会社を作りました。
草彅:「ウェブッテネット」ですよね。
片桐:そう(笑)。これね。僕、本当に会社名とか、何をやるかとか、全然こだわりがないんですよ。先輩に「ネットの会社始めようと思ってるんですよ」と電話したら、「名前どうすんの?」と言われて。「Webなんですよ」と言ったら、「Webってネットだよね」と言われたんですよね。
(会場笑)
片桐:「じゃあ、それ会社名にします」と言って。インターネットで知り合った友達と会社を作りました。
2005年の秋から業務を始めました。会社をやりたかっただけだったので何も決めてなかったんですけど、食っていくためには仕事しないといけないなと思って。ちょうどできることがホームページを作ることだったので、ホームページを作り始めました。
草彅:これって、受託の仕事を受けてやっていた、みたいな感じですよね。
片桐:そうですね。歯医者さんとか企業のホームページを受けたり。あと、なんだっけな……途中から、直でクライアントとやると大変だっていうことに気付いて。Web制作会社に対して営業を始めたんですよね。Web制作会社が受けているでかい案件の一部分だけを作るということをやっていて。仕様も完璧に決まってるし、言われた通りに作ればOKだったので、そういうことをやってました。
ただ、それじゃぜんぜん儲からない。僕は楽しかったんですけど、一緒にやってくれている人たちが辞めてしまうんじゃないかなという心配がすごくありました。どうしようかと悩んでいたら、YouTubeとかmixiとか、そういうサービスが台頭してきていて、それがWeb2.0と呼ばれていた。GoogleとかYahoo!は作れなさそうだけど、Web2.0的なサービスだったら作れそうだなと思って、いくつか作り始めました。
草彅:これがクルークに名前が変わったのって、どういう理由で変わったんですか?
片桐:「ウェブッテネット」って電話で伝わりづらいな、みたいな。
(会場笑)
伊藤:気付くの遅い! 早く気付けよっていう(笑)。
片桐:領収書もらおうと思っても名前がぜんぜん伝わらない、みたいな(笑)。
(会場笑)
草彅:確かに、聞き慣れない感じですもんね。
片桐:シンプルな名前にしようと思って。なんだっけな……石田衣良の『アキハバラ@DEEP』という小説があって、そこに出てくる検索エンジンの名前が「クルーク」という名前なんですよね。インターネットで成功する企業のネーミング法則みたいなものが、そこで語られていて。「O」が2つ続いてるとか。Googleだったり、Yahoo!だったり……。
(会場笑)
片桐:笑いどころ?(笑)。
(会場笑)
片桐:GoogleだったりYahoo!だったり、「O」が2つ続いているというのが載っていて。「じゃあその通り作ろうかな」みたいな。別に僕は強い意志は無くて、載っていたことをそのままやるということを常にやっていました。
草彅:クルークは、どんな業務をやってたんですか?
片桐:一緒ですよ。普通に受託をやりながら、Webサービスをいくつか作っているという状態で。
草彅:なるほど。それで、クルーク時代に、pixivが生まれたということですよね。
片桐:この時に、Webサービスをいくつか作っていたら、2007年の8月くらいかな。馬骨さんという、pixivを作ったエンジニアが。
草彅:右下にいらっしゃる方ですよね。
片桐:彼が、「作りたいものがある」と。ギャラリー兼SNSでイラストを投稿するサイトを作りたいと言うので、「へー」と思うわけですよ。特化型のSNSなんて、流行んないなあと思って。絶対に失敗すると思いながらも「名前どうするの?」って聞いたら「pixiv」って言ったから「名前だけはいいね」って(笑)。
(会場笑)
片桐:「じゃあ、できたら教えて」みたいな感じで始まったのがpixivですね。
草彅:最初、片桐さんもこんなにうまくいくとは思ってなかったという話を聞いたんですけど。
片桐:最初っていうか、アイデア段階ではまったくうまくいくとは思ってなかったんですけど、サービスをリリースした後は、「これくらいになる」というのは確信できていましたね。はじめから人気があったので。
草彅:なるほど。それで、今のpixivがあるって感じですよね。
片桐:はい。
草彅:次に、ピクシブにおける採用の考え方をお聞きしたいと思うんですけど。おもしろい採用をしているということで、伊藤さんのほうから、いろいろお聞きしたいと思うんですけど。まず「101キーワード」という。
伊藤:これはむしろ僕も聞きたいくらいなんですけど。いつから「101キーワード」を作ったのかなって。
「101キーワード」は、面接の時に絶対全員に出してもらうもので、自分を表現するというか、特徴や好きなものも含めて、キーワードを101個絶対に書いてもらう。それを面接に、履歴書と一緒に出してもらいながら面接しています。
自己PRだと大体、ある程度用意してきたものとか、得意なものしか話さないと思うんですけど、101個もあると、ツッコミどころがたくさんあるけっこう細かいキーワードが出てくるんですよね。「あ、君、おでん好きなんだ」とか。漫画でも、すごいマニアックな漫画が出てきたり。
そういう部分から、その人となりが逆に見えてくるというか。履歴書は履歴書で見てはいるんですけど、大体最終面接だと、今はむしろ「101キーワード」がいかにおもしろいかのほうが通りやすいかもしれない(笑)。
「101キーワード」の表現の仕方自体も幅広い。単に紙に書いてくる人もいれば、トランプに書いてきて、シャッフルして説明していく人もいたり。人によっても、この解釈が違ってくるのも含めて、人となりを一番表す仕組みでおもしろいなっていうのが「101キーワード」ですね。ちなみに、いつからこれを作ったんですかね?
片桐:いつだっけなぁ。……ちょっと、本当に忘れたんだけど。かなり昔に、それもたまたまインターネットを見ていたら、コピーライターの採用で、自分の好きなコピーを10個だっけな? 出してもらうようにしている、みたいなのを読んで。コピーライターになりたいなら10個くらいは、好きなコピーがあっても当たり前だっていうのを読んだんですよね。
それから、ぜんぜん関係ないんだけど、採用の時にコピーライターがそういうことをしてるんだったら、自分に関するキーワードを大量に出してもらったら、その人となりがわかりやすくなるんじゃないかなと思って、自分でやってみたらけっこうおもしろい感じになったんですよね。
採用の時って、結局、前職の経験とかそんな話ばっかりなので。人を知るためには、飲みに行ったりなんだりしないといけないと思うんですけど、そういう時間を短縮するというか、凝縮されたものをキーワードでもらえれば話が早いかなと思って「101キーワード」を作りましたね。
草彅:片桐さんが、伊藤さん(の入社時)も面接しているんですか?
片桐:そうですね。
草彅:選考の基準は、どんな感じだったんですかね(笑)。
(会場笑)
片桐:伊藤に関しては、会う前にFacebookで彼を調べたんですよね。調べたら、東京大学法学部出身で、ボストンコンサルティングという外資系のコンサルティング会社にいます、と。それを見た瞬間に、Facebookの共通の友達何人かに「こいつ大丈夫なの?」って送って(笑)。
(会場笑)
片桐:「会った瞬間に怒ってきたりしないかな」っていうのをすごく確認して、会いに来てもらって、一緒にランチしました。その時も、今まで僕の人生で会ってこなかったような人種だったので、「いつか怒るんじゃないか」みたいなのが心配で(笑)。
(会場笑)
伊藤:1回も怒ったことないじゃないですか(笑)。
片桐:いつか怒るんじゃないかって心配で、けっこう距離を置きながら付き合い始めたというのが最初ですね。面接で来たというよりは、見に来たって感じだったんですよ。
草彅:なるほど。
片桐:「ちょっと興味あるんで」というふうに友達の紹介で来たので。
伊藤:そうですね。
草彅:選考の基準に続けて、ピクシブでは新卒出身の方がすごく多いというお話を聞いているんですけれども。社員に対して、ピクシブのランチ会をいつもやっていたり。片桐さんが始めてやっていたりしますよね。
片桐:ランチ会ね。
草彅:はい。
片桐:ピクシブは、毎週水曜日に全社員でランチをしているんですけど、それが始まった経緯というのが、受託会社だったのでみんな会社に来る時間がバラバラだったんですね。一旦ちゃんと同じ時間に人が集まるような会社にしていかないと、コミュニケーションすら困るよね、というのがあって。週のどこかだけは、12時までに来るようにしようと決めたのが、水曜ランチ会の始まりなんですよね。その時の社員数は5、6人だったんですけど。それでもやっぱり12時に起きれない人たちがいたので。
(会場笑)
片桐:そういう人たちは、火曜日の夜8時にピクシブに来るっていう(笑)。
伊藤:そして、昼の12時まで待機してる。
片桐:ランチ会が始まるまでずっといるっていう(笑)。
伊藤:飯食って、帰る(笑)。
(会場笑)
片桐:そういうことが起きてました。
伊藤:基本的にランチも、今は150人ぐらいの規模でもずっとやってますけど、だからこそ機能しているというか。話す人とか、どんどん固定化していくんですよね。作業するチームの人としか飯に行かないとか、話さないようになってきているので、ランチに限らず、イベントにしても何にしても、ひたすら混ぜるということを意識して設計はしてますね。
通常業務のチーム単位でなにかイベントをやるというよりも、ランダムでアサインしたメンバーで……僕らは運動会をやったり、プレゼン大会をやったり、いろいろ企画イベントごとがあるんですけど、そういう取組みは全部混ぜて、コミュニケーションをとるようにしてもらうようにしています。チームによっては、チーム単位で打ち上げしまくってるとか。なにもできてないのに先に打ち上げしてるとか(笑)。
(会場笑)
伊藤:それぐらいの勢いなんですけど、そういうことがいいのかなというか。ランチのこともそうなんですけど、ピクシブに入って一番痛感したのは、仕事ができるというのは当然そうなんですけど、それ以上に結局、社員間のコミュニケーション量の多さが、たぶん社員のリテンションだったり、会社の成長に繋がるんだと思っています。事業の方向性を正しくするのはこっちの仕事で、それ以上にどうやって全社のテンションを高くするかが大事というのを、すごく突き付けられた気がして、それは今すごく意識していることですね。
片桐:「101キーワード」も「ランチ」もそうなんですけど、1つはマネジメントとか仕事というのは人を知ることなので、一緒に仕事をする人たちがどういう人なのか知ってないと「ものづくり」が一緒にできないと思っていて。
例えば、新しいモノができるというのも、人とのコミュニケーションの中で、自分のおもしろいと思ってるモノとか、自分がいいと思っているモノというのを、話している中から生まれたりするんですよね。そういうのができたらいいなというのが、ランチ会。結果的にはね。ただ、普段からどうでもいい世間話ばかりしてるんですけど(笑)。
それはそれでいんだけど、究極の目的は、人を知ることというのがマネジメントにおいては一番重要なのかなと思ってますね。
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