備蓄米、味噌や日本酒の原料向けに放出視野 小泉農相
小泉進次郎農相は4日、コメの不足や価格高騰に対応するため、味噌や日本酒の企業向けに政府備蓄米の放出を視野に入れていることを明らかにした。小泉氏は「コメは主食用だけではない。きめ細かい気配りが必要」だと述べた。
農林水産省内で記者団の取材に応じた。小泉氏は来週にも日本酒や味噌の関係者と面会するとして「現場の状況を聞きながらどんな対応ができるかを考えたい」と述べた。備蓄米は一般競争入札と随意契約で計61万トンの放出を予定する。残りの約30万トンの一部を味噌用などに充てるとみられる。
小泉氏は主食用米については「需要があれば無制限に放出する」と強調した。「ミニマムアクセス米も含めたあらゆる選択肢を考え、価格高騰を落ち着かせる。できることは全部やる」と語った。
日本酒の原料となる酒米は面積当たり収量が少ないため、JAグループと酒造業者間では主食用よりも高値で取引されてきた。主食用の価格高騰により酒用を上回り、2025年産は利幅が大きい主食用の生産比率を増やす酒米農家が増えている。
2024年に表面化したコメ価格の高騰を受け、農林水産省は備蓄米放出などの対策に乗り出しました。その過程で、政府の農業政策や流通経路における目詰まりなど、コメの生産・流通を巡る課題が顕在化しています。最新ニュースや解説記事をまとめています。
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