一般常識人に新エリー都は生きづらい   作:こなひー

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バージョン2.0が待ち遠しすぎるため、あと1日の間を埋める感じで急遽1話だけ作りました。


恒常Sの入手機会増やしてって嘆いてたら配布という形で実現しちゃいましたね……。
猫又かライカンですんごく迷ってます。
ここの創作で特にお世話になってるから若干ライカンが優勢です。


23.ビデオ屋、拠点拡張のお知らせ

衛非地区(えいひちく)?」

 

 今日のバイト終わりに、アキラとリンから大事な相談があると話を持ち掛けられた。そこで出てきたのが、新エリー都から少し離れた場所である衛非地区という単語である。

 

 相変わらず距離感の近いリンがスマホで街の写真を見せてくる。ほんとそういうとこだよリンさん。

 

 

「へー、この辺りとは随分雰囲気が違うな……」

「そうだね。恐らく文化の違いもあるだろうから、備えが必要だ」

「今の服だと、きっと浮いちゃうよねー。てことでまずはお買い物からだよねお兄ちゃん!」

 

 お買い物で目を輝かせる辺りにリンの女性らしさを感じる。『あまり買いすぎないようにしてくれ』と窘めるアキラの言葉が全然響いていないから、大きな出費になるのは確定だろうね。

 

 蛇足だが、装いが変わるという事はリンが今着ているシャツの『元オチ』が何なのかがわからずじまいになりそう。謎シャツに意味とか考えるのは無駄なんだろうけど、やはり気にはなっちゃう。何なんだ元オチ。

 

「で、この街がどうしたんだ?」

「実は……この店の活動範囲を広げようと思っているんだ」

 

 あーはい。この店のというかパエトーンの活動範囲ね。完全に理解したわ。

 

「今のところ出張店舗のようなイメージをしているよ」

「名付けて『適当観』! 良いネーミングだと思わない?」

 

 なんか思ったよりも大型アップデート的な話だった。お出かけ先が1つ増えるとかじゃなくて、生活基盤がまるっきり変わりそうな話じゃん。あとリンがさりげなく自画自賛してるけど、『Random Play』にうまくかかっていて俺も良いんじゃないかと思った。

 

「それでこの衛非地区にある澄輝坪(ちょうきへい)って所に拠て……もとい支店を建てちゃおーって話なの!」

「今拠点って言っ」

「あはは気のせい気のせい!」

 

 背中をバシバシされると寧ろ不自然だよリンさん。アップデートしたらガバガバパエトーンがもうちょっとマシになるといいね。リンの目が泳ぎすぎてもうそういうギャグみたいになってるから気を付けてほしい。

 

「しかし急だな。なんでまたそんな話に?」

「実を言うと、僕たちが衛非地区に大きな用事が出来たんだ。儀玄(イーシェン)さんからの勧めで、ちょっとした修行をすることになりそうなんだよ」

「しゅ、修行……? あれ、いーしぇんって誰だっけ?」

「ほら、前に来た銀髪のなんかいろいろでっかい人!」

「あーあの人か。確かにデカかったな……主に態度とか」

 

 先日、ライカンさんの仲介で兄妹に紹介されていた人がいたのを思い出した。まだ一度しか会ってないけど色々と強烈だった印象がある。なんというか、超マイペース人って感じ。修行って何するんだろ、俺は絶対やらんから別に聞かないけど。

 

 

 そういえば店に儀玄さんが来た時、なんか急に俺の運勢を告げてきたんだよね。へー占いやってるんだなー、とか思って聞いてたらたったの一言である意味度肝を抜かれちゃった。

 

 

 

 

 

「そこにいるお前さんは、そうだな……過労で倒れぬよう気を付けることだ」

 

 ま   た   か   よ   。

 

 

 

 

 

 いつぞやの未来予知に加えて怪しい占いにまで倒れるって言われたんだけど。どんだけ俺をツッコミ疲れで倒れさせたいんだよ。新エリー都から離れても無駄だぞって暗に言われてる気がして不満でしかない。

 

 

 

 ひとまず手から墨汁が出ると噂の怪しい占い師は置いておくとして、問題は俺の今後の事である。

 

「あれ、つまり俺のバイトはどうなるんだ?」

「そう、いくつか懸念があるんだ。まず、僕たちが店を空ける頻度が上がるだろう」

「ただでさえほぼ居ないのに?」

 

 元々緩いバイトのつもりで来たのに、いつの間にか俺のシフトは普通のサラリーマンよりも勤務時間が長くなっていたことが先日発覚したばかりである。慣れって怖いね。

 

「でね、サクは基本本店で良いんだけど……もしかしたらサクにも一緒に来てもらうことがあるかもしれない!」

「一緒に行くのは良いけど……衛非地区ってここから近いのか?」

「まだわかんないけど、そこはまあ何とかなるでしょ!」

 

 いや結構大事な情報だと思うんだけど。俺ファストトラベルとかできないんだけど、交通費とかちゃんとでるんですかね。流石に遠距離かつ自己負担だったら行くの断るよ?

 

 

 

 要するに基本は『Random Play』勤めだけど、時々『適当観』に行くことがある、って感じらしい。これバイトのやる事か?

 

 

 

 とは言ったものの、寮から離れることにさほど抵抗は無いので承諾した。話は終わったのか、2人はもう新たな拠点で頭がいっぱいらしく、すでに行っているつもりな会話を始めていた。

 

「うーん、もし私たちが活動拠点を変えちゃったら……しばらく会えなくなる人もいそうだよねー」

「そうだね。仕方ないけれど、やはり寂しくなってしまうな」

 

 兄妹は少し遠い目をしながら言うけれど、俺はどうにもそんな流れになるとは思えなかった。

 

 

 

 

 

 大丈夫だよ2人とも、絶対みんな何かと理由つけて会いにくるから。

 

 

 

 

 

 凄い偶然だねって言いながら全員集合するところまで想像出来たわ。なんだったら数日前から既に先回りしてそうなのも数名いるだろ。

 

 

 ともかく、拠点が増えても俺のやることはあまり変わらなそうで安心した。衛非地区には常識人が多いと助かるんだけど、1人目に会ったのが儀玄さんか……無理ですね、お疲れさまでした、解散。




「やはり衛非地区なのですね……いつ出発なさるのですか? 私も同行するのです!」
「うわ出た」


アップデート後のガチャが忙しすぎてとても不安です。
儀玄さん、どうかすり抜けないでね……?
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