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ドンとマインド

バンド THIS IS JAPANの歌と運動、杉森ジャックのブログ。

vol.40 "40歳の童貞男" 【カルト&オルタナティブ第20回】

2017-03-24 18:00:32 | 映画
こんばんは。
今回は記念すべき第40回ということで、40にちなんだ作品です。
「40歳の童貞男」(原題:the 40year old virgin)。

電車男、バス男、さまざまな男シリーズの中でも最終兵器といえる本作。なかなかインパクトのあるタイトルですが、ハートフルなコメディです。

あらすじ→
家電量販店の店員アンディは、気のいい人当たりのよい男で、同僚たちからの評判も悪くない。しかし彼には、フィギュアなどのオタク趣味と、40歳にして未だ童貞という秘密があった。
ある日、同僚で悪友の3人の友人たちとポーカーに興じていると、話題は下ネタ、それもセックスに関するものになってしまう。話を振られ、作り話をするアンディだったが、彼らにセックス体験が全くないことを見破られてしまう。アンディに童貞を卒業させるべく、協力することを申し出る友人たち。そしてアンディに出会いが訪れる…!


この手の作品で最も重要なのは登場人物の魅力ですが、家電量販店の仲間たちが全員最高というミラクル!!


線の細いナルシスト、ちょいワルのイケメン、話術のあるポッチャリメンという3人。ここに40歳の童貞男が加わります。まるでアベンジャーズのようなオールスター感。
中でも最高なのはモテるべく行ったメンズエステでの脱毛シーン。
ポッチャリメンの着てるTシャツがオルタナすぎます。



ソニックユース!!!!!
いまだかつてソニックユースと脱毛シーンが共存する映画を俺は知らない。

こんなやつらいたら仕事楽しそうだな…というガイズ達との職場パートだけでも魅力ですが、ヒロインとのラブコメパートも良いです。
お気に入りはヒロインとの喧嘩シーンでアメリカのオタク魂が爆発するシーン!燃えるぜ!



オタク魂と彼女の間で揺れる主人公に少年の心を持った大人達はゆさぶられることうけあい。

もちろんヒロインも現実にいそうなところがとても素敵です。手が届きそうで届かないあの感じが妙にリアルさを作品に加える。

最高のヒューマンドラマには、最高のコメディが不可欠であることを体現する作品。
下品だけどたくさん笑っているうちにあなたも主人公を応援しているはず。

純愛コメディ800点!!笑えます。



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next THIS IS JAPAN…



いざ大阪へ!!
http://thisisjapan.net

vol.39"ソーセージ・パーティー" 【カルト&オルタナティブ第19回】

2017-03-17 18:00:59 | 映画
こんばんは。
先週も金曜ライブの為更新お休みしてました!観てくれてる人ごめんなさい。
今週は久しぶりの更新ということでパンチのある映画を。その名も"ソーセージ・パーティー"。ポスターからこのブログ史上最低の映画の匂いがするな!ピクサー風の高解像度3Dアニメ(15禁)です。あらすじ→

郊外のスーパーマーケット「ショップウェル」の食材たちは外の世界が楽園だと信じ日々買われることを夢見ていた。そんなある日、結ばれることを夢見ていたソーセージのフランクとパンのブレンダはお客のカートに入れられて喜ぶが、外の世界の真実を知りパニックを起こしたハニーマスタードがカートから転落したことでカートが事故に合い、フランクとブレンダ達は店に取り残されてしまう。しかし、その後カートで生き残り購入された食材たちは、驚愕の事実を知ることになる…

話だけ読むとなかなか面白そうですが、冒頭からトンデモ下品なジョークが5分に一回のペースで繰り出される気まずすぎる作品です。仕掛け人は"40歳の童貞男"という知る人ぞ知る名作を手がけたセス・ローゲン。今回声優でも参加してます。weezer感強めである。

ソーセージパーティが子供向けなのはアニメなところのみで、あとは完全に大人向けのブラック&下品なコメディ映画です。

主人公。

ヒロイン。

悪役。

仲間達。
見た目的にもうアウトなのもチラホラいますが、なんとか可愛らしいビジュアルを保っているところが唯一の救いか。

こんなカワイラシイキャラが出てくる本作ですが、お下品ネタだけに飽き足らず、スプラッター描写も炸裂します。アニメだからなんとか観れますが、苦手な人にはショッキングだと思うシーンも。合わせて名作のオマージュもチラホラ。
前半は彼らからみたスーパーマーケットの世界の紹介でシニカルな笑いが続きます。
そして物語は後半に進むに連れ、いよいよやりたい放題に!子供どころか友達や恋人と見てても気まずくなりそうなシーンが雨あられ。これを一緒に見れるやつは心の友と言えそうです。クライマックスなんて本当に最低だ!
必ずやあなたの親にみられたくない映画ランキング上位に食い込むことでしょう。


散々ネガティブなことを言いましたが、エンタメとしての見所も結構あります。
スーパーマーケットの食材側からみた世界の話なので、"トイストーリー"のように設定の一つ一つが分かる度にクスっと笑えます。
たとえば酒類の棚がクラブ会場だったり、長老的な人が賞味期限のない保存食品だったりとトンチが効いてる。ドラッグもキメます。

各キャラクターやエピソードも寓意に満ちていて、世の中のタブーと呼ばれる問題に対してアニメの名の下に次々と問題提起をします。
下ネタさえ除けばカッコいい評論ができそう。全編下ネタだけど!


政治、宗教、性、ドラッグ…世の中のタブー全てに対してジョークを放ち、それを子供風アニメというオブラートでなんとか世の中に出してしまった超問題作。真にオルタナティブなものとは、ポップな皮をかぶっているのかもしれません。
なんてお下劣700点!!!!!

また来週。

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THIS IS JAPAN 自主企画やります。


ご予約→http://thisisjapan.net

vol.38"スカーフェイス"【カルト&オルタナティブ】

2017-03-03 18:00:00 | 映画
こんばんは。
2週間ぶりの更新です。今回は名優アルパチーノのマフィア映画「スカーフェイス」です。このジャケットみたことある人も多いのでは?
劇中FUCKと言った回数ランキング世界ベスト3に入るであろう名作。その生き様がヒップホップにも影響を与えているトニーモンタナの成り上がりマフィア物語。監督はキャリーやミッションインポッシブルでも有名なブライアンデパルマ。

映画解説・あらすじ
 ハワード・ホークスの「暗黒街の顔役」を現代風にリメイク。キューバからアメリカに渡った青年が、死に物狂いで暗黒街にのしあがっていく姿を描く。3時間近い長尺を徹底したバイオレンスとスラングの洪水で埋め尽くし、アルパチーノの力演共々、比類なき迫力を持って観る者にせまる。


アルパチーノといえばゴッドファーザーを筆頭にマフィア役を演じることが多いですが、本作もさすがのキレキレっぷりです。
マフィアといえば威厳があって落ち着いた大物…と思いきや今作は小物感満載のチンピラマフィア。しかしマフィア界のカリスマ、アルパチーノの手にかかれば立派な主人公です。
今作の主人公トニーモンタナはすぐ怒るし、すぐビビるし、ずっとギャーギャー騒いでいる。赤ちゃん。
が、もちろんそれだけではありません。彼の既存のマフィアにはない、人間的な弱さが垣間見えるところが魅力的。
成り上がりたいという野心だけを武器に、サクセスしていく中で感情が少しずつほつれていく…欲望にまみれた街で暮らし豊かになったはずが、心は貧しくなっていた…!
暴力的だけど友達や妹のことは大事にするし、仁義もある。小さい頃は優しい少年だったんだろうなぁ…となること請け合い。
そんな愛すべきバカであるトニーモンタナ。OASISのギャラガー兄弟好きならわかってくれると思います。
そしてヒロインはこの人!ミシェルファイファー!マフィアの女を完璧に演じてます。とにかくクールで感じが悪い上にヤク中です!存在!
思いの外銃撃シーンは少ないですが、さすがデパルマ監督、めちゃくちゃカッコよく効果的に出てきます。カットがいちいち変態的だし音がリアル。マフィア映画らしく突然銃撃戦が始まるのもGOOD。ラストなんて銃撃シーンランキング世界10位には入ります!アルパチ先生!前へ進むために失うことを厭わない人の物語といえば、レイジングブルがありますがそれに近いものがあります。デニーロとアルパチーノってやっぱり2大スター。
自分はこの鼻にコカインついちゃうシーンが性格を表してるみたいで好きです。
欲望の先に何があるのか?全てを手に入れた男の3時間。
880点パチーノです。


また来週。

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THIS IS JAPAN久しぶりの自主企画やります。
ご予約はhttp://thisisjapan.netにて受付中。

■4/19(水)@下北沢BASEMENTBAR⇆THREE(往来自由)

THIS IS JAPAN 企画
"NOT FORMAL vol.4"
〜alternative party〜

THIS IS JAPAN
The Taupe
羊文学
URBANフェチ
BALLOND'OR
逃亡くそタわけ
タグチハナ

当日/前売:2000円

vol.37 "ケープ・フィアー" 【カルト&オルタナティブ第17回】

2017-02-17 18:00:09 | 映画
こんばんは。
カルト&オルタナティブということで、刺さる人には刺さるエッジーな作品を紹介しています。
スコセッシ監督"沈黙"公開記念ということで、3週連続でスコセッシ映画を紹介!!
今週はスコセッシ映画の中でも屈指の珍妙作。
"ケープ・フィアー"です。
あらすじ…

マックス・ケイディが刑務所から出たその日、空には不吉な暗雲が立ち込めた。そして彼の心の中にも、同じようなどす黒い思いが満ちていた。

14年前、マックスは16歳の少女に暴行を働いた罪で逮捕され、法廷で裁かれた。強姦ではなく暴行に対する判決が下った。犯した罪に比べ軽微に済んだとも言えたが、彼は実刑が確定したことに不服を感じていた。そこでマックスは刑期を勤めながら、読み書きを習い、法律を学び、自らを弁護する手続きをとって社会復帰を試みてきた。しかしそれらが無駄に終わり、なお続く屈辱的な境遇を呪ったとき、心の中に一人の男への復讐の念が芽生えた。それは裁判のとき、自分を庇わなかった弁護士のサム・ボーデンである。

公選弁護人のサムは、マックスよりもむしろ無残に傷つけられた少女の方に思い入れ、依頼人の罪が重くなるように立ち回った。少女が性的に素行不良だったという証言も、少女の不利になると考え握りつぶした。マックスはそれを知り、許されざる裏切りと考えた。サムに対する復讐の念は、いつしか身体中に彫りこまれた刺青の文字そのままに、彼の心にも深く、強く刻み込まれた宿願となった。

刑期を終え、ついに自由を手に入れたマックス。彼は平和に暮らすサムとその家族の前に姿を現し、さっそく行動を開始する。とどまることなくエスカレートしていく陰湿な嫌がらせに恐怖を感じたサムは家族を守ろうと奔走するが、マックスの力を押しとどめることはできず、やがてその恐ろしい本性に打ちのめされていく。

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例によってロバートデニーロ×マーティンスコセッシの黄金コンビです。今作の1番の見どころは圧倒的悪を演じるロバートデニーロ!!キャリア史上1番ワルい役を演じてます。
役作りもいつにもまして気合い充分!!この作り込まれた肉体に無数のタトゥーってだけでカリスマ性の塊です。
バキ感…

そしてデニーロにつきまとわれる家族達がなかなかのクズでよろしい。これぞ病めるアメリカの平和な家庭!三者三様の苛立ち!
おかげでデニーロが圧倒的悪を演じているにもかかわらず、全然家族達が可哀想になりません!双方にほぼ感情移入できないため、もう勝手にして!という気持ち。
左からヒステリック、不倫、おませさんです。

そんな善良なる家族に対し、こんな隣人は嫌だ!とばかりに地味な嫌がらせを続けるデニーロ。
収監中に勉強したおかげでいつも法律にギリギリ触れないところを突いてくる。しかもマッチョ記念すべき彼らとの出会いの場面は映画館。
映画館で葉巻をふかし大笑いしている彼は哲学書まで読み込んでいるインテリです。かなわねぇ〜


双方の対決がドンドンヒートアップしていくと共に、映画自体も負けじとB級風をふかしまくる!
最後の方のデニーロなんてあんたそこまでやらなくても…と言いたくなるようなシーンの応酬。
いろんな意味でこんなデニーロは嫌だ!決定版といえる作品です。がんばりすぎぃ〜



さりげなくスピルバーグも絡んでいる本作。燦燦たるキャリアの真っ只中にいた名コンビが生み出した、変なところに力が入っちゃった珍作。
映画史上最強のストーカーに酔いしれろ!700点オルタナティブだ!!!!

また来週。

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THIS IS JAPAN "DISTORTION"発売中。



https://youtu.be/6jU-GSHDwhI
https://youtu.be/WNMz-_yQG6g


2016.4.19.@下北沢basementbar/THREE

THIS IS JAPAN企画
"NOT FORMAL vol.4 〜alternative party〜"


開催決定!!Coming Soon…




vol.36"ミーン・ストリート"【カルト&オルタナティブ第16回】

2017-02-10 18:00:42 | 映画
こんばんは。
今劇場ではマーティン・スコセッシ監督の最新作
"沈黙"が公開中!!ということで、マーティンスコセッシ監督の初期代表作を今週は紹介します。
先週と同じくロバート・デニーロとタッグを組んだ傑作、"ミーン・ストリート"です。
あらすじ…三流ヤクザのチャーリー(ハーベイ・カイテル)は、組織や仲間に対する忠義にいまひとつ自信がなく、自分の生き方に矛盾を感じていた。そんなチャーリーの親友ジョニー・ボーイ(ロバート・デニーロ)は、気分によって仕事をし、わずかな給料も酒や博打や女に使い果たし、借金に首が回らない状態になっていたが、チャーリーだけが彼をかばい続け、2人は徐々に追い詰められていく

タクシードライバーより前に作られた、スコセッシ監督の原点ともいえる作品。
音楽の使い方、生々しいカメラワーク、そしてデニーロの作り上げる唯一無二のキャラクター。その後大名作を連発する方程式がここですでに確立されています。
とにかくこの作品はデニーロがスーパーカッコイイデス。役名はジョニーボーイ。チャランポランでノーフューチャー。金は返さない、人をおちょくる、意味もなくエンパイアステートビルに銃をぶっ放します。まるでシドヴィシャスっす
ローリングストーンズのジャンピンジャックフラッシュをBGMに登場するあたり、監督もロックスター的なキャラクターを狙っていたのかもしれません。

そんな彼に振り回されるお人好しな相棒も素敵。名優であり盟友でもあるハーヴェイ・カイテルです。いい感じの渋み。ドライになりきれない揺れる若者像。2人は"タクシードライバー"でも共演。この時の2人もまたカッコいい。彼はハットにロン毛です。

スコセッシ監督には、ドンパチや暴力描写を期待するのですが、本作はそこは少しだけ控えめ。変わりに若者たちの青春の終わりをリアルに切り取ってます。ぶっとんだデニーロ、大人になっていくカイテル。2人のコントラストをイカした音楽と映像でダラダラと回し、若者の行き場のない焦燥をぶつけます。タランティーノ好きにもオススメな映像の空気感。照明暗いしカメラ人に当たってる気がする、初期衝動!!

ちょっとダラダラしすぎな感はあるものの、ハマる人は確実にハマる。退廃の美学が炸裂するエンディングもさすが。オルタナティブ映画のバイブル的一作!
タクシードライバーはもちろん、最新作「沈黙」と合わせてみても良いかも。

名優2人の青い時代の炎!スコセッシの原点をぜひ。800点オルタナティブ!!!!

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