「1人入会で10万円の儲け」なのに借金250万円で廃業…アプリの台頭だけじゃない「潰れる結婚相談所」の実態
■「男性特化」「写真撮影」で差別化し黒字化 ここからは、実際の開業事例から、運営の明暗を分ける要因と課題を見てみましょう。 ケース① 男性向けの婚活に特化するヒーローマリッジは、ある結婚相談所連盟と法人契約を結び、約300万円で2023年に開業しました。開業の決め手は、男性向けに本質的なサポートを提供する相談所が少ないと感じたことです。同社は元々マッチングアプリ専用の写真撮影サービスを展開しており、その経験から男女間の恋愛観や課題が大きく異なることを実感し、男性に特化することで明確な差別化ができると判断しました。 ランニングコストは会員登録費用などで月額約30万円ですが、写真撮影サポートやセミナーなど独自のサービスが強みとなり、開業から約1年で黒字化を達成しました。ただし、集客は常に課題であり、時代背景やターゲット層の変化に合わせて、手法やコンテンツを柔軟に調整し続けることが不可欠だと考えています。 ケース② 布施俊和さんは自身が結婚相談所で約9カ月活動し、結婚した経験から結婚相談所の価値に気付き、出会った妻とともに初期費用約200万円をかけ自宅で結婚相談所「StartUp Life」を2025年に開業しました。 まだ黒字化には至っていませんが、順調なスタートが切れている自負があるといいます。というのも、布施さんの持つ人事職の経験とキャリアコンサルタントの国家資格が結婚相談に役立っているというのです。「ライフキャリア」の視点で婚活を捉え、必要な方にはキャリア面談も同時に行うことで、この二刀流が想定以上にうまく機能しているといいます。 当初は知人や知人からの紹介が中心でしたが、最近では口コミやHPからの問い合わせも増え、中には「AIが当社を勧めてくれた」という方もいるそうです。年内黒字化は見えているといい、「さらに持ち味を研きお客様に選ばれ成果にコミットする結婚相談所を目指す」と意気込みます。 ■月2万円を払い続けるも入会者ゼロが続く ケース③ 2025年に夫婦で結婚相談所を開業した上田さん(仮名)の初期費用は、店舗を持たない開業だったため、相談所連盟への法人加盟で、約200万円でした。 しかし、開業直後に本業の売上が急減。新規事業である結婚相談所に注力する余裕がなくなり、現在は本業の立て直しに集中せざるを得ず、結婚相談所の活動は休止状態になっています。月に2万円ほどのシステム利用料は払い続けている状態です。 知人たちを頼りに入会者を確保できると考えていましたが、思った以上に集客は厳しく、「見込みが外れた」といいます。いまだに入会者はゼロです。加盟金の元を取るため、数カ月後には活動を再開したい考えです。