「1人入会で10万円の儲け」なのに借金250万円で廃業…アプリの台頭だけじゃない「潰れる結婚相談所」の実態
■「周りに独身が多い」では顧客は獲得できない 結婚相談所の業界には、具体的に4つの構造的変化が進行していると言えます。 ①競合環境の複雑化 近年、金融業、宿泊業など異業種からの参入が相次いでいます。さらにオンライン婚活サービスの普及により、気軽に活動を始めることも可能になりました。 こうした選択肢の増加により、結婚相談所に頼るという選択が以前よりも大衆化してきました。その結果、利用者は、サービスの内容、価格、成婚の実績、会員数、会員属性、相談員の質、口コミ、ブランド力など、さまざまな軸で判断するようになり、競争環境は一層厳しさを増しています。 ②顧客獲得手法の高度化 こうした競合が乱立する中で生き残るには、他社との差別化を明確にし、その強みを活かしたターゲット顧客へのアプローチが不可欠です。 以前は、広告を出せばある程度集客できましたが、現在はそれが通用しません。差別化を尖らせ、顧客の心理やニーズを細分化し理解したうえで、自社の強みを活かした緻密な戦略が必要です。 「周りで独身の人が多いから」「知り合いのつてで顧客獲得が見込める」といった考えで顧客が獲得できる時代ではないのです。 ■「恋愛相談の延長」では差別化にはならない ③顧客の求めるニーズの変化 かつては「結婚することが当たり前」という価値観が強く、標準化されたアドバイスでも十分でした。しかし現在は、「結婚しない」「事実婚」「子どもを持たない」など多様な選択肢が広がり、個々の価値観に合わせた個別対応が不可欠です。 SNSやネット記事で婚活情報が簡単に入手できるため、画一的なアドバイスでは利用者の心に響きません。「女性はパステルカラーの洋服を着ましょう」などのような従来型の指導だけでは時代遅れとなります。一人ひとりの状況や価値観に寄り添う対応が求められます。 ④スタッフの専門性スキル 自宅をオフィスとすることで低資本での開業が可能な一方、会員管理やマッチングサポート、成婚までのフォローには高度な専門性が求められます。資格は不要ですが、かつてのような「相談業務」だけでは通用せず、専門的スキルが必要となり、経験だけでは対応できないケースも多くなっています。 単に「友人の恋愛相談にのっていた」だけでは十分でなく、高度な知識と技術が業界の標準になりつつあります。