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好きなことすら「めんどくさい」と感じる3つの原因

どーも、西村です。

どんなに好きなことでも、めんどくさく感じる日があります。

それはただの「怠け」ではありませんし、「本当は好きじゃなかったのかも…」と自己否定する理由でもないと、私は思っています。

むしろそれは、心と身体が発している、静かなSOSのようなものです。
  

私たちの脳や感情は、意外にも繊細で、日々の小さなノイズにとても影響されます。

今日は、そんな「好きなことすらめんどくさく感じるとき」の背景と、そこからどう抜け出すかについて、丁寧に考えてみたいと思います。
  

結論から言うと、「好きなことなのに、やる気が出ないとき」は、 その「好き」という気持ちが、“行動に向かうエネルギー”にまで変換されていないだけ、です。

言い換えれば、「好き」が“記憶の中にあるだけのもの”になってしまっていて、今この瞬間の身体や心と繋がっていない。

その結果、「やりたい」はあるのに、「動けない」というギャップが生まれてしまう。

このズレをどう埋めていくかが、今回のテーマです。
  

たとえば、あるクライアントの方がこんな相談をしてくれたことがあります。

「私は本が好きで、昔から小説を読むのが一番の癒しだったんです。でも最近、どんなに読みたいと思っていても、ページをめくるのがめんどくさいんです…。前は時間を忘れて読んでいたのに、今は数ページで閉じてしまう。自分が変わってしまったみたいで、ちょっとショックで…」

その方は、仕事も家庭も忙しく、毎日ぎゅうぎゅうにスケジュールが詰まっていて、「好きな読書」は貴重なはずの“自分のための時間”のはずなのに、気づけばその本に手が伸びなくなっていました。

こういうこと、あなたにもないでしょうか?
  

好きなことは、確かに“好きなまま”のはずなのに、いざ取り組もうとすると、身体が拒否する。

スマホを触ったり、掃除を始めたり、先延ばしする口実を探してしまう。

そしてそんな自分に、少し自己嫌悪する。
  

でもそこには、ちゃんとした理由があるのです。
  

心理学の世界には、「決断疲れ(decision fatigue)」という言葉があります。

私たちは日々、無数の選択を繰り返しています。

朝、何を着るか、通勤中にどのアプリを開くか、会議でどこまで発言するか。

これらの「小さな決断」の連続は、じつは脳にとっては“筋トレ”のようなもので、知らないうちに消耗しているのです。
  

その結果として起こるのが、「楽しいことすら、取り掛かる前にめんどくさくなる」という現象です。

好きなことは、たしかに“快”の体験です。

でも、その前にはたいてい、「準備」や「段取り」や「思考」が必要になる。

読書なら、本を選び、静かな場所を確保し、集中する姿勢をとる。

絵を描くなら、道具を揃え、構図を考え、描きはじめる。

この“はじめる前のステップ”に対して、脳が疲労状態になっていると、「もうこれ以上の判断は無理です…」とストライキを起こすのです。
  

もうひとつ、大事な視点があります。

それは、「“好き”の輪郭がぼやけているとき、人は動けなくなる」ということ。
  

たとえば、映画が好きだという人が、「でも最近、何を観ても感動しない」と言ったとします。

それは、

「映画そのものが好き」だったのか、
「誰かと映画について語り合うのが好き」だったのか、
「映画館という空間で非日常を感じるのが好き」だったのか・・・。

本当の“好き”の中身を、ちゃんと認識できていないと、「好きなはずなのにめんどくさい」になってしまうのです。

仮に、非日常を感じるのが好きだったとして、自分でそのことに気づいておらず、「今まで映画に行くときには毎回友達を誘っていたから、また行くなら誘わないと」などと考えてしまったら、映画に行くのが面倒になりますよね。
  

こういうとき、私はクライアントにこんな問いを投げかけます。

「好きだったあのこと」は、今のあなたにとっても、本当に“快”の感覚をもたらしてくれていますか?

それとも、過去の“よかった記憶”が引きずっているだけで、今の自分のエネルギー状態には、もう合っていないのではないですか?
  

ここまでを少し整理します。

好きなことがめんどくさくなる原因には、主に3つあると私は考えています。

1つ目は、「脳の疲労により、始めるエネルギーが枯渇していること」。

2つ目は、「“好き”という記憶が、今の自分に接続されていないこと」。

3つ目は、「“好き”の内訳が曖昧で、自分にとっての意味が不明瞭になっていること」。
  

では、ここからどう立て直していけばいいのでしょうか?
  

私が提案したいのは、「始めるハードルを極限まで下げる」ことです。

たとえば読書なら、「1ページだけ読む」「目次だけ眺めて終わる」と自分に許す。

音楽制作なら、「パソコンを開くだけでOK」「音楽ファイルを再生して終わり」でもいい。

運動なら、「ヨガマットを出して、5秒深呼吸」で終了。

このように、“始めること”に集中する。そして、“結果”には期待しない。
  

「やりきらなきゃ」「ちゃんとしなきゃ」と思うと、人は動けなくなります。

逆に、「5秒だけでいい」と思えたとき、不思議と身体は動き出す。

そして、一度動いた身体は、「あれ、せっかくだからもう少し…」と、自らやり続けることがあります。
  

これは、脳科学的にも理にかなっています。

脳は「始めたこと」に対して報酬系が反応し、「達成感」や「快の感情」を少しずつ感じはじめるのです。
  

重要なのは、「動けた自分」をしっかり肯定してあげること。

「たった5分しかできなかった…」と責めるのではなく、「5分でも始めた自分ってすごい」と認めてあげる。

この積み重ねが、再び“好き”をエネルギーに変えていく下地になります。
  

少しでも楽しめるようになったら、

「そのことの具体的にどんな部分が自分は好きなのか?」

という問いを持って、自分の活動や心身の動きを観察し、より好きな部分を明確にしましょう。

すると、自分にとってより楽しいやり方で好きなことを楽しむことができるようになります。

そのとき、めんどくささはかなり小さくなっているはずです。
  

最後に、もう一つ。

“めんどくさい”と感じること自体は、決して悪いことではありません。

それは、心の奥にある「今の私には余裕がない」「ちゃんと休みたい」「少し立ち止まりたい」という声かもしれません。

無理に鞭打って、“好き”すら義務にしてしまったら、本末転倒です。
  

あなたの「好き」は、あなた自身を癒し、前に進めてくれる大事なエネルギー源です。

だからこそ、「もう一度つながるための工夫」が、必要になる。

焦らず、比べず、少しずつ。

「今日の私」に合う形で、もう一度、あなたの“好き”と出会い直してみてください。
  

それでは、今回はこの辺で。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

  

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好きなことすら「めんどくさい」と感じる3つの原因|西村敏の哲学note
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