米国のトランプ大統領が昨年11月の大統領選で返り咲きを決めてから5日で1年となった。不法移民取り締まりやパレスチナ自治区ガザの停戦実現を実績に挙げ「歴代大統領で最高」だと自賛するトランプ氏は今後、どのような動きを目指すのか。
戦後の歴代大統領の就任後1年間の政権支持率(ギャラップ調査)の変化をみてみよう。
大統領の支持率は一般的に就任時が最高で時間が経過するごとに低下する。それは就任時には多くの人々がこれからの大統領の手腕に期待するからである。いわゆるワンハンドレッド・デイズの蜜月といわれ、政権開始当初の100日間にはマスコミも批判を避けて見守ることがしばしばで、国民の間でも期待感が高まるのである。
蜜月期間に大統領は政策を打ち出すが、その政策は必ずしも万人に喜ばれるわけでない。必ずそれに反感を抱く者が現れ、大統領の新鮮味もなくなり、マスコミ批判も出てくるので、大統領の政権支持率は徐々に低下していくことになる。
現トランプ政権を除く戦後の14政権をみると、支持率が低下したのはトルーマン、アイゼンハワー、ジョンソン、フォード、カーター、レーガン、クリントン、オバマ、トランプ(第1期)、バイデンの10政権。上昇したのはケネディ、ニクソン、父ブッシュ、ブッシュの4政権である。
上昇した政権の時に起こったことで支持率上昇に寄与したと思われる出来事を列記すると、ケネディで冷戦の本格化、ニクソンでアポロ月面着陸、父ブッシュで冷戦終結、ブッシュで9・11事件という、国を挙げての危機や慶事という外的要因がある。
現トランプ政権(第2期)では、支持率は47%から41%(10月調査)まで低下している。もともと発足当時の支持率は歴代政権の中でも最低であるが、就任期間中の支持率でみれば必ずしも低くない。
現トランプ政権の就任期間中の最低支持率は、7月の37%であるが、これより支持率が低くなった政権は9政権もある。現トランプ政権の支持率は政府機関の閉鎖などで低迷しているが、最悪時を脱しつつあるようにみえる。
トランプ大統領は強固な共和党支持者を固めているので、ディール(取引)のしやすい外交でレガシー(遺産)作りにいそしむだろう。ウクライナ、中国、北朝鮮での和平確立といったところだ。もちろん日本にとっても拉致問題解決に好機になるかもしれない。
(たかはし・よういち=嘉悦大教授)