原因がないのに学校へ行かない? 増える“令和型不登校”の子どもたち
僕は、「自分でもよくわからない」の言葉は、子どもたちの素直な訴えだと思っています。 加えて、神村教授は、「学校を休むってアリなんだ」と気づいた子が増えた、とも指摘されています。 今は、SNSなどを通して、「学校に行かなくても大丈夫だよ!」と発信する人もたくさんいますよね。先ほど僕が示したような「不登校が増えている」という情報が子どもたちの耳に入ることもあるでしょう。また、コロナ禍で長期間の休校を経験した子どもたちも多いです。あるいは、きょうだいやクラスの友だちなど、不登校の子が身近にいる子もたくさんいます。 つまり、今の子どもたちにとって、「学校を休む」ことはすごく身近で手を伸ばしやすい選択肢になっているんです。自分の手札に「休む」のカードを持っている状態。その状態で、学校でちょっと嫌なことがあったり、なんとなく気持ちが沈んでしまったとき、パッと「休む」というカードを切ってしまうのは、無理もないことに思えます。子どもたちの中では「我慢してでも学校に行くべきだ」というマインドが薄れてきているのかもしれません。不登校を選ぶ子が増えて、周りの子どもたちにとっても不登校が身近な存在になった。原因がはっきりしないから、対策を打つのも難しい。じわじわと学校を休むことへのハードルが下がり、学校やクラスの中で不登校が連鎖していく……。 令和という時代の価値観が定着してきた今、そんな「不登校が増える」サイクルができてしまっているのです。 そう考えると、これまでのように「なにか原因があるんだろう」「原因を解決したらまた学校に行けるだろう」と単純に考えるのは、望ましくありません。子どもたちのリアルな声に耳を傾け、新しい視点で、不登校の子どもたちに向き合わなくてはならないのです。言い換えれば、不登校へのサポートは、これまで以上に難易度が上がっていると言えるでしょう。 ※1 『教師と支援者のための “令和型不登校“対応クイックマニュアル』神村栄一著・ぎょうせい ※2 文部科学省『令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について』令和5 年 ※3 認定NPO法人カタリバ『不登校に関する子どもと保護者向けの実態調査』2023年
福田遼