「実は男」というトンデモ陰謀論を流しているのは誰? ブリジット・マクロン大統領夫人の闘い
「国家元首の配偶者はみんなが知っている」
大統領夫妻はこの裁判についてほとんど公の場所で語っていないが昨年、マクロン大統領は記者団に対して陰謀論についてコメント。広める人たちを「狂人だ」と評していた。「最悪なのは虚偽の情報や捏造されたシナリオだ。そしてそれを信じ込んで、人のプライバシーを含めそのターゲットになっている人の人生を狂わせてしまうことだ」。 ブリジット夫人は2022年にラジオのインタビューで「あるとき、私は陰謀論者たちが私の家系図を変えようとしていることに気がついた」とコメント。夫人は子どもたちの間のいじめ問題に取り組んでいるが、自身に対する嫌がらせに裁判で対応しなければいじめ問題に対するそれまでの努力が損なわれると語った。 また夫人は、昨年12月にこの陰謀論による攻撃について警察の聴取を受けている。その中で「彼らは大統領を攻撃するために私を利用している。私はそう感じている。海外に行っても必ず誰かにこのことを言われる。国家元首の配偶者でこの件について知らない人は誰もいませんでした」と証言した。「性別にまつわる疑惑はどれも、私の身近にいる人に大きな影響を与えた」。ブリジット夫人のこれらの証言は初日の法廷で読み上げられた。
判決が下されるのは1月
裁判所はこれから被告たちがネット上に投稿したコメントがブリジット夫人の「生活環境の悪化、ひいては身体的精神的健康に障害」を与えたかどうかを判断する。判決は2026年1月5日に下される予定。新聞「ニューヨークタイムズ」によると、有罪だった場合、被告は最長2年の懲役刑と3万ユーロ(約530万円)の罰金を科せられる可能性がある。 公人であれば陰謀論や中傷のターゲットになっても致し方ないと考えがちな現代社会において、それに真っ向から立ち向かったブリジット夫人。今回の裁判が陰謀論、引いては謂れのないバッシングに負けない、ソーシャルメディア時代の生き様を示す契機となるか。夫人の姿勢と司法のあり方に引き続き注目したい。