中国外務省、「首斬る」投稿の会見問答を掲載せず 問題の拡大懸念か

北京=井上亮
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 高市早苗首相の国会答弁に対し、中国の薛剣在大阪総領事が「汚い首は斬ってやるしかない」などとSNSに投稿した問題で、中国外務省が10日に開いた定例会見での関連の質疑応答をホームページ上に掲載していないことがわかった。同省が問題の拡大を懸念し、掲載を避けた可能性もある。

 薛氏は、高市首相の台湾有事に関する7日の答弁について「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇(ちゅうちょ)もなく斬ってやるしかない」などとX(旧ツイッター)へ8日に投稿。日本政府が9日、中国側に抗議した。

高市氏答弁のやり取りは掲載

 10日の中国外務省の会見では、日本などのメディアが、日本政府による抗議の受け止めや、投稿文の言葉遣いが適当だったかなどについて質問した。これに対し、林剣副報道局長は「一部の日本の政治家やメディアが(投稿を)意図的にあおり立て、焦点をそらそうとしており無責任だ」などと述べ、薛氏を擁護した。「個人のSNS上での発言にはコメントしない」と回答を避ける場面もあった。しかし、計3件の質問と回答はいずれも日本時間11日午後2時時点で同省ホームページに掲載されていない。

 一方、高市首相の答弁に対する中国政府の受け止めを尋ねた香港メディアの質問とその回答は掲載されている。薛氏の投稿に関する問答は意図的に掲載していないとみられる。回答の中で、林氏は「強烈な不満と断固とした反対」を表明し、日本側に「厳正な申し入れと強烈な抗議」を行ったと明らかにした。

 中国外務省は通常、平日は毎日記者会見を行い内外の記者の質問に答える。質疑応答のやり取りは当日や後日ホームページ上に掲載されるが、中国側にとって敏感な話題などは掲載されないことも多い。

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この記事を書いた人
井上亮
中国総局|政治外交担当
専門・関心分野
中国社会、人口減少、移民