無名のリンクス 先生になる   作:雨垂れ石

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うーん…長い…一つ一つ話の内容を考えているとめっちゃ悩むし…
書く作業も長くて疲れる…

今回はシッテム箱とユウカの絆ストーリーの話になっております
是非呼んでください‪


先生としての役目 リンクスは普通のご飯を知らない

 

「『シッテムの箱』へようこそ、リンクス先生」

 

そう言葉が聞こえた…

あの時に聞いた同じ言葉…

 

『生体認証及び認証書作成のため、メインオペレートシステムのA.R.O.N.Aに変換します』

その瞬間シッテムの箱から眩い光が広がり視界が真っ白になった、

思わず目を閉じてしまったが閉じた目を開いたら

 

そこは謎の部屋になっていた…

シッテムの箱の中へ入ったのだろうか…

いやおそらく意識だけがシッテムの箱に入ったかもしれん…

いやどんな技術だよ…あっちでは絶対に再現不可能だ…

色々ツッコミたいが…一応どんな場所なのか当たりを見渡す

床は浸水して壁などが壊れていてそこからとても透き通った綺麗な青空が広がってていた

 

あの世界では青い空はあったが透き通ってはなかった…

こうした綺麗な空を見るのは…新鮮な気分だ…

コジマが無ければ…こうも綺麗な空になるのか…

 

そう青い空に感心していると

 

「くううぅぅ……」

 

左側から声が聞こえた…少女の声だ…

声がした方を見ると…

そこには机に突っ伏して寝ている少女がいた…

 

「むにゃ……カステラにはぁ……いちごミルクより……バナナミルクのほうが……」

 

寝言を言っているのだろうか…よくもまあこんな場所で寝れるものだ…

だが…外から水の音…静かな場所…確かに心地よく…よく寝れる場所だとは思う…

まぁそんな事よりも…多分この子を起こさなければ…先には進まないだろうな…

 

「えへっ……まだたくさんありますよぉ……」

 

「おーい…朝だぞぉ起きろぉ…」

 

「やだぁ…あと5分だけぇ…」

 

この子…絶対に起きてるだろ…

まずいな…起きなきゃ困る…

………そういえばこの子が寝言の事を言えば起きるのでは?

 

「あっ!あそこに大量のバナナミルクが!」

 

そうわざとらしく大きな声で言う…正直効果あるのか知らんが…

 

「ふえっ!?バナナミルク!?どこ?どこですか?」

 

案の定起きやがった…まぁ大量のバナナミルクなんてある訳ないんだが

 

「そんな物あるわけないだろ」

 

「ええええええええ!?」

 

まぁ…なんだ…騙して悪が仕事なんだ…

そんな悲しそうな顔をするな…

 

「まぁとりあえず起きたか…」

 

「もう…せっかく気持ちよく寝てたのにぃ!………ありゃ? ありゃ、ありゃりゃ……!? え? あれ? あれれ?」

 

そう文句を言ってきたが…俺の顔を見るなりすごい驚くような仕草をした…

 

「リンクス先生!?」

 

そう水色の髪をした少女は言う…どうやら俺の事を知っているらしい…

おそらく連邦生徒長が設定したかもしれない

 

「この空間に入ってきたっていうことは、ま、ま、まさか、本当にリンクス先生!?」

 

「う、うわああ!? もうこんな時間!?」

 

そう勢いよく立ち上がる…少しは落ち着いたらどうだ?

 

「うわ、わああ? 落ち着いて、落ち着いて……えっと……その……あっ、そうだ! まず自己紹介から!」

 

「私はアロナ! この『シッテムの箱』に常駐しているシステム管理者であり、メインOS、そしてこれからリンクス先生をアシストする秘書です!」

 

「やっと会うことができました! 私はここでリンクス先生をずっと、ずーっと待っていました!」

 

そう満面の笑みで言う…俺はついさっきキヴォトスに来たばかりだが…

アロナ曰くずっと待ってたらしいが…どうも合わない…

まるで俺が最初からキヴォトスにいるかのように…

 

「一応知ってはいるかもだけど…リンクスだ…よろしく頼む」

 

「はい!よろしくお願いしますね!」

 

「まだ身体のバージョンが低い状態でして、特に声帯周りの調整が必要なのですが……これから先、頑張って色々な面でリンクス先生のことをサポートしていきますね!」

 

「あ、そうだ! ではまず、形式的ではありますが、生体認証を行います!」

 

生体認証か…初めてネクストに乗った時もやってたな…

あれの似たような事をやるのだろうか…

 

「うう……少し恥ずかしいですが、手続きだから仕方ないんでけど。こちらの方に来てください」

 

「あぁ…わかった…」

 

そう言ってアロナに近づく…

どこに恥ずかしがるようなことがあるのだろうか…

そう思いながらアロナとは手が届く距離まで近づいた…

 

「…うん、その辺りで。さあ、この私の指に、リンクス先生の指を当ててください」

 

そう言ってアロナは人差し指を突き出してきた…

本当にこの方法で認証できるのか?

まぁアロナがAIならできないこともないか…

そうして俺は人差し指をアロナの人差し指とくっつけた

 

「えへへ、実はこれで生体情報の指紋を目視で確認するのですが……すぐ終わります! こう見えて目は良いので」

 

そう言ってアロナは認証を開始した…

 

「どれどれ……」

 

 じぃっと、擬音がつきそうなほど指紋に目を細めて見ている…

 

「うう……うーん……よく見えないかも……」

 

「……………」

 

いやアロナがそうしろって言ったやん…それで見えないとか勘弁してくれ…

 

「……まあ、これでいいですかね?」

 

「………………」

 

本当に大丈夫なのか…これ…明らかに大雑把に見えるけど…

 

「……はい! 確認終わりました!」

 

「……………………………………」

 

本当か?本当にちゃんと認証したのか?

めっちゃ不安なんだけど…

アロナ自身は自信がある顔をしているが…

 

「……なるほど……リンクス先生の事情は大体わかりました」

 

まぁ認証は通ったって事にしよう…

さて認証が終わったから…本来の仕事に戻ろう

 

「連邦生徒会長が行方不明になって、そのせいでキヴォトスのタワーを制御する手段がなくなった……」

 

「あぁ…だからサンクトゥムタワーのアクセス権を復旧してもらいたんだが…いけるか?」

 

「はい! 分かりました。それではサンクトゥムタワーのアクセス権を修復します! 少々お待ちください!」

 

そう言ってアロナは両手を前に出し…そこに画面が出てきた…

アロナは手を動かし画面を操作する…

 

「……サンクトゥムタワーのadmin権限を取得完了……」

 

そう言ってアロナは画面の操作を終え俺に向かってこう宣言する。

 

「リンクス先生。サンクトゥムタワーの制御権を無事に回収できました。今サンクトゥムタワーは、私アロナの統制下にあります」

 

……予想以上だ…アロナの事だから…もう少し掛かるのだろうかと思ってはいたが…ほんの10秒ぐらいで終わらせた…

この子…意外と才能あるのでは?

 

「今のキヴォトスは、リンクス先生の支配下にあるも同然です!」

 

そうアロナは言う

軽々と恐ろしい事を言うんだな…

支配か…あっちの世界の企業の事を思い出す…

国家解体戦争からリンクス戦争…その戦いの後…あの世界は企業が支配する様になっていった…

いい気分では無い…

 

「リンクス先生が承認さえしてくだされば、サンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会に移管できます。でも……大丈夫ですか? 連邦生徒会に制御権を渡しても……」

 

???

なぜ連邦生徒会に権限が行くのを心配したがる?

 

「それが仕事なんだ…大丈夫だ…」

 

まぁでも言われた仕事なんだ…やらなきゃいけないしな…

 

「分かりました。これよりサンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会に移管します!」

 

「…これでよし…終わりました、リンクス先生!」

 

「あぁ…ご苦労だった…」

 

「さて…これで俺は戻るが…またここに来る時は…」

 

「あっ…それについては大丈夫です!」

 

「リンクス先生がここに入らずとも私との会話はできますよ!」

 

「そうか…なら良かった…んじゃ…」

そう言って俺は意識をシッテムの箱から戻す…

目を開けた時はシャーレにいた…

やっぱりあそこには意識だけが行っているみたいだ…

 

「はい……はい……分かりました」

 

ふと奥を見るとリンが通信をしていた…おそらく連邦生徒会にだろう…

ひととうり話したあと電話を切りこちらに向かってきた

 

「サンクトゥムタワーの制御権の確保が確認できました。これからは連邦生徒会長がいた頃と同じように、行政管理を進められますね」

 

「そりゃ良かった…すまんな…苦労をかけた…リン」

 

「いえ──こちらこそ、お疲れさまでした、先生。キヴォトスの混乱を防いでくれたことに、連邦生徒会を代表して深く感謝いたします」

 

 

「……ここを攻撃した不良たちと停学中の生徒たちについては、これから追跡して討伐いたしますので、ご心配なく」

 

ワカモやその他の不良生徒の事を指しているのだろう…

少々強めの言葉だな…程々にな…

 

「それでは『シッテムの箱』は渡しましたし、私の役目は終わったようで……あ、もう一つありました」

 

「?」

 

「ついてきてください。連邦捜査部「シャーレ」をご紹介いたします」

 

リンはそう言って上の階へ歩き出す…俺もそれに続いてついて行く…

しっかし…広いな…外から見た時もそうだったが…中はそれ以上かと思うぐらい広い場所だ…

 

そうこうしている間にも目的の所へたどり着いたみたいだ…

 

「ここが、シャーレのメインロビーです。長い間空っぽでしたけど、ようやく主人を迎えることになりましたね」

 

感慨深い様子で、リンが言う。

 

ロビーの扉には『空室。近々始業予定』と書かれた紙が貼られていた。

 

扉を開けると…広い部屋で周りには様々な機器が置かれていた…

 

「そして、ここがシャーレの部室です」

 

「……意外と整備されているんだな…」

 

「──ええ。業務の一環として管理していましたので」

 

少々埃っぽい気がするが…まぁ掃除すればいいか…

 

「ここで、先生の仕事を始めると良いでしょう」

 

「……仕事は具体的には何を?」

 

「……シャーレは、権限だけはありますが目標のない組織なので、特に何かをやらなきゃいけない……という強制力は存在しません」

 

「と…言うと?」

 

「キヴォトスのどんな学園の自治区にも自由に出入りでき、所属に関係なく、先生が希望する生徒たちを部員として加入させることも可能です。……面白いですよね。捜査部とは呼んでいますが、その部分に関しては、連邦生徒会長も特には触れていませんでした」

 

「つまり、何でも先生がやりたいことをやって良い……ということですね」

 

……やりたい事か…今まで考えた事も無かったな…

あっちの世界では企業が出した依頼をひたすらやるだけで…

戦う事しか覚えてない俺にとっては縁が遠い事だ…

特にやりたい事を…見つける余裕なんて無かったな…

 

「……本人に聞いてみたくても、連邦生徒会長は相変わらず行方不明のまま。私たちは彼女を探すのに全力を尽くしているため、キヴォトスのあちこちで起きる問題に対応できるほどの余力がありません」

 

「今も連邦生徒会に寄せられる様々な苦情……。支援物資の要請、環境改善、落第生への特別授業、部の支援要請などなど……」

 

「もしかしたら、時間が有り余っている『シャーレ』なら、この面倒な苦情の数々を解決できるかもしれませんね」

 

なるほどな…つまり連邦生徒会で対応出来ない量をシャーレに回して少しでも負担を減らす考えか…

意外と悪い事を考えるのが早いな…

まぁ…やることがあるならそこから何をしたいのか探せばいいしな

 

「まぁ…ですが…先生はキヴォトスに来て間もない…それにシャーレについてもあまり知らない事もありますし…」

 

「数日間程はあまり仕事を回しませんので…キヴォトスなどを散策してはいかがでしょう?」

 

おっと…意外と優しい事もあるんだなぁと思いたいが…

正直ありがたい…

リンも言った通りに…俺はキヴォトスの事もシャーレの事もあまり知らない…

数日で知れるかどうか分からないが…時間がある事に感謝しようか…

 

「あぁ…わかった…助かる…」

 

「それではごゆっくり。必要な時には、またご連絡いたします」

 

そう言ってリンはシャーレから去っていった…

 

………自由か…あっちの先生世界では考えられなかった事だ…

まぁせっかくの機会だ…存分に謳歌しようじゃないか

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ええ。サンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会が取り戻したことを確認したわ」

 

「ワカモは自治区に逃げてしまったのですけど……すぐ捕まるでしょう。私たちはここまで。あとは担当者に任せます」

 

「お疲れさまでした、先生。先生の活躍はキヴォトス全域に広がるでしょう。すぐにSNSで話題になってしまうかもしれませんね?」

 

あの後俺はシャーレの奪還に協力してくれた生徒達にお礼を言って労っている…

急な依頼だったとはいえ…一番動いてくれたのはユウカ達だ

 

「これでお別れですが、近いうちにぜひ、トリニティ総合学園に立ち寄ってください、先生」

 

「私も、風紀委員長に今日のことを報告しに戻ります。ゲヘナ学園にいらっしゃった時は、ぜひ訪ねてください」

 

「ミレニアムサイエンススクールに来てくだされば、またお会いできるかも?」

 

各々が感謝を伝えている…感謝されるのは…いつぶりだろうな…

あっちでは仕事が終わり…はい終了だったからな…

 

しかし…今回急な依頼だったのに彼女達は報酬をもらってないのか?

普通このような依頼を頼むならそれに値した報酬を支払うはずが…

まぁ…急な事だったし…

いやでも…はぁ…仕方ない…

 

「今回は本当に助かった…急な依頼ではあっただろうが…この後報酬の金を送ろう」

 

「えっ!?そんな!いいですよ!」

 

「いえ…報酬だなんて…先生が出すのですか!?」

 

「急だったとはいえ報酬無しはさすがにありえないからな…」

 

「まぁ本来は連邦生徒会が出すのが当たり前だが…今回はシャーレの為に動いてくれたものでもある…」

 

「これは『シャーレ』としての報酬として受け取ってくれ」

 

「いえ…ですが…」

 

「正当な報酬だ…君たちにはそれを受け取る権利がある」

 

「まぁ…先生がそういうなら…」

 

「分かりました…有難くいただきます」

 

「では…この後送金するから確認しといてくれ」

 

そう言って俺はシャーレへと戻って行く

 

「リンクス先生! 今日の指揮、ありがとうございました! またお願いしますね!」

 

そう生徒の声が聞こえてきた…

俺は軽く会釈をしてシャーレの中へと戻って行った

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

『先生!朝ですよ!起きてください!』

 

「うーん…」

 

アロナに起こされる…

とあるシャーレの中一室…本来は使われていない部屋だったが…

キヴォトスに俺の家はないから余ってた部屋を改造し自分の部屋にしている…ベッドは仮眠室から拝借してきた

昨日シャーレに来たばかりだから…あまり物は無いが…後々揃えていくとしよう

 

「アロナ…今何時だ…」

 

『今は7時です!先生!』

 

「そうか…」

 

ベッドから体を起こす…

朝ごはんはエナジーバー…キヴォトスには色々なご飯があるらしいが…

どれも見たこともない料理ばかりだ…

あっちの世界ではまともに食事なんて取れないからな…

 

『先生…もう少しちゃんとしたご飯を食べてくださいよぉ…』

 

「んな事言われても…あっちの世界ではこれが当たり前だったから…」

 

『一体どんな所から来たんですか…先生…』

 

「簡単に言うとキヴォトスよりだいぶ酷いな」

 

『ええ…』

 

そうしてアロナと雑談をしながらご飯を食べ、服を着替える…が

アロナからある提案をされる

 

『せっかく時間がありますし…数日間暇ですからこの気に一緒にキヴォトスの料理を食べに行きましょう!』

 

「お前は食えないだろ…」

 

『大丈夫ですよ!先生が念じれば多分…料理が送られると思いますので!』

 

「そんな事出来るわけないだろ…ファンタジーじゃぁあるまいし…」

 

『むむむ…信じてませんね…』

 

普通そうだろ…

そんな非科学的な事が出来るような世界じゃないし…

 

『なら…そのエナジーバーをシッテムの箱の近くまで持ってきてください!』

 

「えっ?」

 

待て待て…

やるのか?絶対できないだろ…!

 

そう思いながらも…エナジーバーをシッテムの箱付近まで近づけて置く

 

『そうしたら…先生がこのエナジーバーを送るようにイメージしてください!』

 

「えっ?」

 

そう言われて目を瞑りイメージするが…わからん

イメージって…イメージってなんだよ

えーと…アロナにエナジーバーを送るイメージをすればいいのか?

そうやってイメージしていると…

 

『あっ!届きました!』

 

「はっ?」

 

そう言われて目を開けるとさっきまで置いてあったはずのエナジーバーがアロナの近くの机に置かれていた…

 

『フンッ…どうですか先生!本当だったでしょう!』

 

あまりにも衝撃的すぎて…固まる

できたんだ…そんな事が…

ほんまになんだよ…この世界は…

 

『これで信じましたよね?…行きましょうか!』

 

「はぁ…しゃあない…」

 

そうして外へ出ようとした時に…

 

ピロンっとスマホがなる

ん?

モモトーク?

誰からだ?

スマホを持って確認すると

 

「ユウカ?」

 

モモトークにユウカからの連絡がきてた…

内容を確認すると…

 

ユウカ《先生、朝早くにすみません…

実は昨日の報酬についてですが…》

 

ユウカ《手違いかもしれませんが…少々額が多くて…》

 

?????

正当な報酬のはずだが…

 

リンクス《正当な報酬のはずだが…》

 

ユウカ《はい…それは分かってはいますが…》

 

ユウカ《これだけのお金を先生がどうやって用意したのか…

分かりませんから…受け取れません》

 

……参ったな…

普通…傭兵をやっているなら…受け取るんだが…

彼女達は生徒だからかな…少々多かったかもしれないが…

……しかし報酬を受け取ってくれなきゃ…俺が納得いかない…

さて…どうしようか…

そう考えている間にもユウカからモモトークがくる

 

ユウカ《先生?》

 

ユウカ《先生?》

 

ユウカ《今日シャーレに行きますので説明をしてください》

……しまった…

 

あっちの世界ではほとんど通信やこう言った連絡はしていなかったから…ついていけない…

しかも今日来るのか?

…どう説明するか…

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「先生、昨日の報酬についてお伺いしました」

 

「あぁ…来たか…まぁ座ってくれ」

 

「あっ…はいわかりました…」

 

そうしてユウカは執務室にあるソファに座り俺はユウカに対面する様に座った

 

「すまないなユウカ…連絡を返す遅れてしまって…あいにくこうこういった連絡手段はキヴォトス外ではあまりなかったからな…心配かけたな…」

 

「い、いえ! こちらこそ急に来てしまってすみません!」

 

「さて…今回の報酬の件だったかな…」

 

そうトントン拍子で会話を進めていく…

 

「まず今回の報酬だが…まぁ簡単に言えば…サンクトゥムタワー制御権限の復旧とシャーレの奪還での仕事で君たちの奮闘によりサンクトゥムタワーは復旧しシャーレも奪還できた。つまり、報酬金を支払える状況になった」

 

「昨日も言ったが…本来は連邦生徒会が報酬を出すのが…当たり前だが…今回はシャーレの為に動いてくれたから…俺は君たちに報酬を支払う義務がある」

 

「報酬が多いと言ったな…ハッキリ言うがこういうのは素直に受け取るものだ…いくら報酬に文句を言ってるとはいえ…人は生きる為には金が無きゃやっていけない…」

 

「随分そういう事に詳しいんですね…」

 

「まぁキヴォトスの外では似たような事をやっていたからな…」

 

「そうですか…わかりました…そこまで言うのなら素直に受け取ります…」

 

良かった…納得してくれたようだ…

 

「ですが…このお金がどこから出したのか説明はされていません」

 

おっと…結構鋭い所にいったな…

 

「……シャーレの資金だ…」

 

「まだ動いて間もない組織にそんなお金があると思いますか?」

 

「それにゲヘナやトリニティーの生徒にも同じ額の報酬を支払ってますよね?」

 

そう言ってユウカは立ち上がり俺の方に詰め寄ってきた…

あ〜もうこれは言うしかないのかな…

 

「わかった…正直に言うよ…」

 

「俺の貯金だ…」

 

なぜかは知らないが…あっちの世界で稼いだ金がキヴォトスでも使えるようになっていた…

あっちの世界でのお金の価値はキヴォトスでは違うらしい…

キヴォトスの視点で言うと…まぁ大金持ちって言われる程の貯金を持っている

まぁそこから差し引いてユウカ達の報酬を支払った訳だが…そこまで痛い出費では無い…

 

「先生の貯金って…一体どうやって稼いだんですか!」

 

そう言ってもっと詰め寄ってくる…やばい…逃げ場が無い…

 

「傭兵だよ…俺はキヴォトスの外では傭兵をやってたんだ…」

 

「傭兵…一体どんな仕事をしてたんですか…」

 

「あまり多くは言えないが…企業の依頼を受けてその報酬で稼いだ金だよ…」

 

「はぁ…そういう事ですか…」

 

ふう…こっちも納得してくれたみたいだ…

 

「まぁ理由は分かりました…先生が怪しい事をしてなくて良かった…うん?」

 

突然ユウカが机にあるエナジーバーを手に取り…

 

「先生…これはなんですか?」

 

「まさかとは思いますが…これがご飯って言いませんよね?」

 

「……………」

 

「はぁ…先生…」

 

あっ…まずい…

 

「ちゃんとしたご飯を食べください!!!!!」

 

「て言うかなんでこんなにもお金があるのに…なぜエナジーバーしかし買っていないんですかぁ!!!」

 

「……実は…キヴォトスにある料理が…どれも知らないものばかりで…何を食べたらいいのか分からなくて…それにあっちの世界では…エナジーバーぐらいしか食べてなかったから…」

 

「はぁ……………………」

 

そうユウカが大きなため息をした後…俺の手を取りシャーレから引きずり出された…

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「なぁ…ユウカ…手を引っ張ってどこに行くんだよ…」

 

「先生はちゃんとしたご飯を食べないといけません!」

 

「あのままエナジーバーだけだと体を壊しますよ!」

 

「いや…ずっと食べてきたから大丈夫だって…」

 

「ダメです!!!」

 

ユウカに引きずられながらシャーレ近くにあるカフェにたどり着いた…

 

 

「ここは…」

 

「カフェです、先生はエナジーバーしかし食べてないので…おそらく栄養不足で胃が弱ってるかもしれませんが…ここならスープとかサンドウィッチなど軽いものがありますから…」

 

そうしてカフェの中へと入り適当な席に着く…

メニューを見るが…やはりと言っていいか…どれも全く知らんもの…

唯一知っているのはコーヒーしかない…

 

「やっべえ…どれも知らねえ…」

 

「うーん…それならオニオンスープと…サラダサンド…がいいんじゃないですか?栄養もありますので…」

 

???

スープはわかるが…

オニオン?

 

『先生…オニオンは日本語で玉ねぎっていいます』

 

そうアロナが言ってくれるが…玉ねぎってなんだ?

 

「うん…それにしようか…」

 

オニオンとか色々分からないが…ユウカが選んでくれたメニューとコーヒーを頼んだ

数分して頼んだメニューがきた

 

「これが…」

 

初めて見るものだ…少々不安だが…それをかき消すようにスープからはとても美味そうな匂いがしてきた…

 

「………」

 

オニオンスープを手に取り口に運ぶが…

 

「アッツ!!」

 

熱い!

いやまぁスープから湯気が出てたし熱そうではあったが!

 

「はぁ…先生…冷まさないと火傷しますよ…」

 

「貸してください…」

 

そう言ってユウカはオニオンスープを手に持ち…

 

「ふうー…ふうー…」

 

っとスープに息を吹く…

あれになんの意味があるのだろうか?

 

「はい、先生…ゆっくり飲んでくださいね」

 

再びスープを手に取り口に運ぶ…

おっ…さっきより熱くない…

 

「美味いな…」

 

うん…美味い…あっちの世界では感じれなかった感覚だ…

スープを少し飲んだあと…次はサラダサンドに持ち替える…

これは…野菜だろうか…あっちの世界は作物を栽培できる場所なんてほとんど無いからな…

 

そう思いながらサラダサンドを食べる…

パンのやわらかさとサラダのシャキシャキとした感じが意外とあっている…

 

「ん…これも美味い…」

キヴォトスにはこんなにも美味い料理があったのかっと思いながらどんどん食べ進めていく…

気づいた頃にはもう食べ終わっていた…

 

「あっ…もうない…」

 

「ふふ…どうでしたか先生?」

 

「あぁ…美味かった…」

 

「それは良かったです…うん…胃は問題無さそうなので…これからは普通の料理も食べれると思いますよ」

 

「そうか…」

 

このキヴォトスにはまだまだ美味い料理があるはず…

ちょうど時間もあるし色々食べて行っても良さそうだ…

色々な料理にめぐ会える事が楽しみである

そんな事を考えながらユウカと朝ごはん(二回目)を食べるのであった

 

 

 

「朝から…色々とありがとうな…」

 

あの後…ユウカと雑談をしながら時間を潰していた

 

「いえ…別に大したことはしてませんが…」

 

「いやユウカのおかげでこれから他の料理も食べるようになったからな」

 

「そう…ですか…」

 

「………」

 

「…また…今度一緒にご飯食べに行きませんか…」

 

「え?」

 

突然ユウカからそんなことが言われた…

 

「先生と一緒にいられるなら…(ボソッ)」

 

「いえ!先生がちゃんと栄養を取れるようにしないといけませんから!」

 

「私はちゃんと先生がご飯を食べているのか心配なんですから!」

 

またユウカに説教された…

いやどこに説教する要素があるのか?

まぁ…心当たりはあるが…

 

「とりあえず…先生がちゃんとしたご飯を作って食べるように…食材を買いに行きますよ!」

 

「いや俺は…料理を作った事なんて…」

 

「私が1から100まで教えます!」

 

「これからちゃんとご飯を作れるようにしてください!」

 

そうしてユウカはまた俺の手を引っ張って食材を買いに言ったのである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回ユウカの絆ストーリーがご飯デートみたいになってしまったが…まぁ良しとしましょうか…

ブルアカの本編を見ていると先生とアロナの絡みってあまり無いって感じだからこれからリンクスとアロナの絡みを増やしていきたいなぁとは思っています

次回は少し重要(?)な話になりますので次回もよろしくお願いします
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