ダンジョンに幻想体という名の厄ネタがいるのは間違っている!!   作:シビトバナ

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アンケートのやつです。
締め切ったほうが良いかな?


罰と黒
全く持ってか弱くない!!


そこは生い茂った森だった。周囲には川の音が響いている。

ここはダンジョン18階層。迷宮の楽園(アンダー・リゾート)

そんな場所で生まれた存在が一人―――いや、一羽。

 

 

「……キュ?」

(………うん?どこだここ?……)

 

 

――それが彼?の第一声だった。

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

かつて、【彼】は“罰”を与えるだけの存在だった。

管理され、観測され、恐れられ、そして――忘れられた。

 

終わりの瞬間、【彼】は確かに見た。

人間が機械が、自らの「罰」を抱えて立ち上がる姿を。

そして互いの「罰」を許し合うところを。

 

(…………)

 

【彼】の魂はもうすでに此処にはない。

混ざり、溶け、消えてしまった……

 

 

 

 

光も届かぬ暗闇の中で、かすかな羽音が響いた。

自らの形が崩れていくのを感じながら、【彼】は瞼を閉じる。

 

「……キュ?」

 

最後の音。

それは【彼】の願いの現れだったかもしれない。

 

◇◆◇◆◇

 

(ん?いまのは……?)

 

反響する自分の声に違和感を覚え、

喉に手を当てようとして、――気づいた。

 

(……手が、ない?)

 

いや、正確には“見慣れた手”がなかった。

代わりに、純白の羽が視界の端で動いた。

 

(……え、え? 羽? 俺の……手が羽?)

 

まさかと思い、自分の体を見下ろす。

だが、見下ろす“首”がやけに短い。

胴体は小さく、足は細い。

そして何より、全身を覆う白い羽毛。

 

(おい待て待て待て……このフォルム、明らかに鳥じゃねえか!?)

 

木の上でバタバタ暴れ、盛大に滑って転んだ。

ぺちん。

全身が地面に当たって小気味よい音を立てる。

 

「キュキュ!」

(痛い! めっちゃ痛い!)

 

どう考えても夢ではない。

なぜならリアルに痛覚がある。

ということは……これは現実。

 

(いやいやいや、俺死んだんだっけ!?)

 

記憶を探る。

夜道。スマホ。横断歩道。

――眩しいヘッドライト。

――衝撃。

――真っ暗。

 

(あっ……俺、まじで死んだのか。)

 

現実を受け止めるまでに十秒。

そのあとでようやく、自分の体の現状に立ち返る。

 

(で、なんで俺、鳥になってんの……? 

しかもこの羽の色、白って……うん?、どっかで見たぞこれ。)

そう思い近くの水辺で自分の姿を見る。

そこには―――

 

 

――水面に映る、小さな白い鳥。

体は常に伸び縮みし、胸には赤い紋様。

 

「……キュ?」

(あ、これ完全に罰鳥だわ。)

 

現実逃避の時間、わずか三秒。

次に来たのはパニックだった。

 

(いやちょっと待て! よりによって罰鳥!? あの、ペチッてしたら即&死☆の、あの!?

もっとこう、スライム(溶ける愛)とか、犬(大きくて悪い狼)とか、せめてスズメバチ(女王蜂)とかあっただろ!)

 

 

・・・・・・・・・・・?

 

 

(いや、もっとだめだったわ!!)

 

焦りすぎて羽をばたつかせた拍子に、木の根に頭をぶつける。

ぺちん。

 

「キュゥゥゥ……(痛ってぇぇぇ……)

 

(落ち着け、落ち着け俺。まず状況を整理しよう。ここはどこだ? )

 

あらためて辺りを見渡すとそこには鬱蒼と生い茂る森、湿った空気。どこかで流れる水の音。

見上げると、木々の枝の向こう――空のはずの場所が、淡く光っていた。

 

(……森? いや、でも空が……ない?)

 

光は、透き通るようで、硬い。

まるでガラス越しの照明。

 

(あれは……天井? いや、まさか。)

 

視界の端を風が撫でる。

風があるのに、空がない。

その不自然さに、背中の羽毛が逆立つ。

 

(……もしかして、観測区画? 管理施設の中か?)

 

思考がそこまで来て、違和感を覚える。

冷たく、無機質で、息苦しいあの空気がここにはない。

代わりにあるのは、湿った土と、生き物の気配。

 

(……ちがう。あの“箱”の中じゃない。外だ。

でも、空があるのに天井もある……? 何なんだここ。)

 

そうして俺はここがどこなのかを知るために辺りを調べるのだった。

 

 

◆◇◆◇◆

 

――数時間後、天井の光が淡く橙色に染まる頃。

 

(マジでどこだよ……!)

 

数時間の探索ではここがどこなのか、ヒントとなるものは見つからなかった。

*1

 

小さな体を震わせながら、俺は少し開けた場所の

苔の生えた石の上で休んでいた。

 

冷たいけれど、心地いい。

苔がやわらかく、まるで羽毛布団みたいだ。

思わず、目を細めて身体をうずめる。

 

「……キュ」

(今日はもう……寝よ……)

 

様々なことが一つになって襲ってきた弊害か、はたまた数時間の探索によってか

彼は疲労の限界に達していた。

 

水晶の光が淡く瞬き、夜の帳がゆっくりと降りていく。

鳥の小さな体が丸まり、穏やかな寝息を立てはじめた。

 

――彼が眠っているその場所には、

風化しかけた石碑がいくつも並んでいた。

ひとつ、またひとつ。

墓標に、消えかけた名前。

 

『アストレア・ファミリア』。

 

彼らの魂が眠る場所。

けれど、鳥はそんなことなど知る由もない。

 

ただ、静かな光の下で、

世界でいちばん安らかな顔をして眠っていた。

*1
飛べないので探索範囲が狭かった弊害(元人間がすぐに飛べるわけないので)




人々は大昔から罪を犯してきた。

「何故彼らはそのようなことをするのだろう?それが悪いことだと知っているのに」

分類:O-02-56 リスクレベル:TETH

【罰鳥】
小さい羽根と胸に赤い模様のある可愛らしい小鳥の姿をしている。
悪い行いを罰する鳥であり、悪い行いをした人物には嘴を使ってつつく。
つつかれた際に受けるダメージはたった1~2なので、瀕死でもなければ
まず死亡することはない。


特に何もしなければ、だが。



このアブノーマリティの危険度はTETH。下手を打つと少人数の職員を死亡させ得るものが分類される危険度だ。

では、罰鳥の場合はどのようなことをすると人が死亡し得るか。

それは、人によるこのアブノーマリティへの攻撃である。

人が罰鳥を攻撃してしまうと怒って罰鳥の身体全体が赤くなり、最初に攻撃をした人を執拗に追いかけるようになる。

そしてその人に追いつくと………



胸の赤い模様からもう一つの嘴を出して啄んでくる。

この攻撃をもらった場合ダメージにすると800~1200のダメージを受けるため、これを受けた人はほぼ確実に死亡する。


【リスクレベル】と【ダンまちのレベル】比較
 
ZAYIN;1レベル

TETH;1〜2レベル

HE;2〜3レベル

WAW;4〜5レベル

ALEPH;6レベル以上

名前案

  • ムーン
  • 雪月
  • ミル(ミア×リュー)
  • なしで
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