厄ネタ×二乗は一周回って厄ネタではない(白目)   作:ハゲチャビン

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厄ネタが一つだけで済む訳が無いんだよなぁ。


厄ネタ対策が厄ネタを引き寄せたでゴザルwwww(白目)

 つ、疲れた……。

 

 4時間近い取り調べの末に解放された。ダ・ヴィンチさんの質問攻めは強敵でしたね(白目)

 現在はダ・ヴィンチさんにもう一つやってもらうことがあると言われ、その待機時間中。ついでに食堂で軽く飯を食ってこいとのこと。

 なので目的地に向かうついでに、カルデア内をあっちこっち散歩している。考えてみれば此処に来てすぐに爆破テロが起きたから構造とか知らないからね。

 とはいえ、テロのせいで破損が目立つし血の跡も……うん、見なかったことにしよう。こら、やめなさい。ステイ。アレは食べちゃいけませんし眷属の苗床にしてもいけません。

 

 影の中で騒ぎ始めた『笑う死体の山』と『規制済み』を抑えながらそそくさとその場を離れる。これ以上この場に居たら雪原を見たハスキー宜しく飛び出しかねない。

 さて、次。食堂……あ。

 

「文目! 目が覚めたんだね!!」

 

 飯食ってた藤丸が俺を見つけて手を振る。その横にはキリエライトと相変わらず鼻に皺を寄せて威嚇するフワモコの姿。

 

「文目さん、体調は大丈夫ですか? 三日も寝ていたので…」

 

 三日も寝てたの俺……。この通りよ。まあ、動く分には問題ない。

 腕をぶんぶん振りながら全快になった事をアピールして対面の席に座る。

 

「で、おふたりは食堂で何してたのさ? 飯食ってたわけじゃなさそうだけど」

 

「ああ、歴史の事をね」

 

「歴史ぃ?」

 

 うん。と藤丸が頷く。

 聖杯探索をするにあたり、昔の歴史について知っておきたいというのは彼の言。一理ある。

 

 じゃあ俺も、と言いたいところだが小腹が空いている。先に腹に入れないと落ち着かない。

 という事で座ったばかりの席から離れ、向かう先はキッチンへ。

 

 すいませーん、飯くださーい。

 

「すまないがこの後のシフトの者達と一緒で良いか? なに、もう少しでできる」

 

 褐色肌の男はそう言うと再び料理の仕込みに戻る。

 しょうがない。じゃあそれまで藤丸達の勉強会の様子でも見学しよ。

 ……あれ? あんな奴いたか?

 あんな浮いた格好、他のマスター候補にも見なかったしスタッフにも見たことが無い。

 

「藤丸ー、あの人誰?」

 

「ああ、エミヤさんのこと? 特異点から戻った後に召喚したんだ」

 

 召喚。

 藤丸が言うには聖晶石を使い、召喚陣でサーヴァントか或いは概念霊装なるものを呼ぶ儀式。らしい。他にもサーヴァントが居るみたいで、今は飯を食い終わってシミュレーションで訓練をしているみたいだ。

 それを聞いて俺はピンときた。

 

 はっはーん。これ、もしかしなくてもガチャだな?

 この世界がFGOというゲームで楽しまれていた世界の頃、よくSNSで爆死報告なんかを見ていたな。

 後で紹介するって言って藤丸達は再び勉強会に戻る。

 俺も半分混じりながら眺めていると再びキッチンに居るエミヤさんに呼ばれる。

 

「そろそろスタッフたちが来て混雑する。その前に君に渡しておこう」

 

 そう言いながらトレー和食のセットを乗せて俺に差し出す。

 それを受け取り、遅れながらに挨拶を交わして俺は三日ぶりの食事にありついた。

 

 うっま。なにこれうっま。

 

 

 

 

 腹も膨れ、食堂を抜けてブラブラしていると端末から呼び出し。もうそんな時間かと思いながら指定された場所に向かう。

 ドアを潜ると、スタッフに混じって室内の機器を弄るダ・ヴィンチさんがそこにいた。

 

「やあ、文目君。彼の料理は如何だったかな?」

 

「これから毎日あれが食えるんスか」

 

「残念ながら彼も聖杯探索に同行することがあるから此処までの食事は期待しないでくれ」

 

「ですよねぇ……。で、今から何をすればいいんですか」

 

「よく聞いてくれた!」

 

 俺の質問を待っていたかのようにバッと振り返り、瞳を輝かせて人差し指を天井に向ける。

 

「ズバリ君にもサーヴァントを召喚して貰おう。という事さ!」

 

 ……あれ? 俺にはあいつら居るし必要なくね? 何だったら藤丸にリソースを回した方がいい様な……。

 そんな俺の疑問を察してか、チッチッチと指を振りながらダ・ヴィンチさんは説明してくれた。

 

「まず、一つ目に切れる手札がアブノーマリティ……彼等だけでは不安が残る。記録を見た限りでは、彼等は君の指示があって初めて動くように見える。その点、サーヴァントはまあ……非戦闘のサーヴァントもいるが、大半が戦闘ができる英霊だ。自身の経験に基づいて動くことが可能だ」

 

 まあ、納得は出来る。

 例の液体、恐らくコギト……を入手できる手段が無い以上、更にアブノーマリティを増やすことは出来ない。

 ただ、アレを入手したとしてまたあの状況に陥る可能性が在る。それは、俺の精神衛生上とてもよろしくない。覚悟を決めているとはいえ、気持ち悪いものは気持ち悪いのだ。

 

 次に、と二本目の指を立てて彼女は説明を続ける。

 

「二つ目に、人理を修復した後の君の為だ」

 

 あ――――……、成程。

 組織に属している以上、起きたことの報告はしなければならない。となると、俺の存在も記録しないといけない。

 そこで情報を下手に改竄しようものなら疑いの目が向けられ組織としても俺個人としても危機に陥るという訳だ。

 

「察しがよろしいようで何よりだ。じゃあ、早速始めようじゃないか」

 

 そう言いながら俺に星の形をした石を渡す。これは?

 

「それは聖晶石。疑似霊子結晶ともいうが、まあ要するに君とサーヴァントとの縁を繋げるための触媒の様なものでね、基本的にはそれを使ってサーヴァントの召喚を行うのさ。英霊に関連する触媒が無いから召喚されるサーヴァントの指向性は持てないけど、逆に言えばどんな英霊とも縁を繋げることが可能だ」

 

 何か…………すっごい怨念が詰まってそうだな。

 具体的にはこう、なんだろう。数多の人間が望む結果を手繰り寄せられなかった。そんな怨念がみっちり詰まってそうで。

 取り敢えず、ダ・ヴィンチさんの言う通りに聖晶石を3つサークル内に置いて呪文を唱える。

 

 サークルに置かれた聖晶石が砕け粒子になり、それらは淡い光を放つ球体になりサークルの円に配置された。

 

「召喚陣、正常に作動!」

 

「サーヴァント召喚―――開始!」

 

 しかし。それらが何かしらの反応をすることは無かった。

 一瞬、強く明滅してそれっきり消えてしまったのだ。

 それだけではない。召喚陣が設置されているこの部屋も、同じように光を失う。

 停電、ではない。もしそうなら周囲に配置されている機器も同様に電力を失い物言わぬ鉄塊になっている筈だ。

 

「――っな、何が」

 

 起きているんだ。

 職員の誰かから漏れかけたその言葉は最後まで発されることは無かった。

 

 先ほど消えたサークル、その中心が光を放ち―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どす黒いまでの赫が部屋を満たした。

 

「魔力反応、急上昇! これは――そんな、正規のサーヴァントの規格じゃありません!!」

 

「パターンネガティヴ! 反英霊です!」

 

「緊急停止! すぐに停止するんだ!」

 

 異常を察したダ・ヴィンチさんが指示をを出すも、そのすぐ後に悲鳴のような声が響く。

 

「駄目です! 停止できません! これは我々の構築した召喚術式ではありません!」

 

「何だって!?」

 

「いえ、召喚術式ですらありません! これは――我々の術式を利用して顕現しようとしています!」

 

 なおも緊急停止を続ける者、外部に緊急事態を告げる者、入室した藤丸と彼のサーヴァント達。

 悲鳴溢れる部屋の惨状を喜ぶように赫い光は輝きを強め、召喚陣を侵食し染め上げる。

 いつの間にか、俺の周囲を魔法少女達が囲み、その得物の切っ先を部屋の中央、赫い光に向けている。

 

 俺達の惨状を他所に赫い光は次第に収まり、一人の少女がそこにいた。

 

 齢10も行くかどうかの背丈を紅いドレスで着飾り、抱えているのは特異点Fで見た聖杯の様なカップ。

 人形の様な顔立ちは、あどけない少女を思わせる。

 しかし、その背。尾てい骨から生える禍々しい尻尾はそれがただの幼子ではないと俺に告げた。

 

 全員が動けない中、彼女は閉じていた目を見開いた。赤い瞳が俺を視界に捉える。魔法少女たちは得物を握る手に力を強め、いつでも攻撃できるように警戒している。

 

「……成程。それだけの獣に飽き足らず、余をも手繰ろうとするか」

 

 邪悪な笑みに貌が歪む。彼女が此方に近づいて来る。一歩一歩近づく度に魔法少女たちの警戒も臨界点に使づいていく。

 後一歩、それだけでコップから水があふれる。そこまでの距離に達した時、俺は魔法少女たちの腕に手を置いた。

 憎しみの女王の瞳が揺れる。その眼には警戒と、心配と驚愕が混じっている。

 

「……取り敢えず、落ち着いて」

 

 それだけ言って、俺は彼女達の輪から抜けた。

 

「何の武器も持たずに手綱のない獣に近づくか。命知らずか或いは酔狂者か」

 

 彼女の指が俺の胸の中心、心臓にとん、と置かれた。

 細い、何もしなくてもひとりでに折れそうな白い指は、その見た目に反して俺の胸板を貫かんばかりの力で俺の身体に食い込もうとしていた。

 

「……こんな状況でも心の臓は一寸の動揺も無く。か」

 

 くく。

 何が面白いのか喉を鳴らして彼女は嗤う。

 

「良いだろう。その勇気に免じて余に手綱を掛ける事を赦す。

 

 

 

 

 我が名はドラコー。ソドムの獣、ドラコー。うむ……ああ、そうだとも。クラスは―――ビースト。貴様、とんでもない当たりを引いたな?」




という訳で単発ガチャでビーストドラコーちゃんが来ました。超当たりを引いたよ、やったね! 主人公君!!

今後の展開次第ですが、その時が来たら主人公にE.G.Oを付けていいか否か。

  • 『武装』主人公も戦力を付けるべき
  • 『非武装』そのままの方がおもしr、輝く
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