地裁の敗訴には言及したが*1、その時点で逆転勝訴の見こみはないと思ったし、事実として最高裁で敗訴が確定したという。
【拡散希望】正義は勝つ‼️歴史学者の呉座勇一氏に関し、日本歴史学協会が、「歴史研究者による深刻なハラスメント行為を憂慮」する旨の声明を出した件で、呉座氏が協会を訴えた名誉毀損訴訟。本日、最高裁は呉座氏の上告を棄却。
日本歴史学協会の勝訴が確定した‼️
日歴協側の神原氏による勝訴報告だけでなく、呉座氏側で支援をしていた「呉座勇一先生の裁判を支える会」も敗訴報告をしている。
本年11月6日、呉座勇一先生が日本歴史学協会に対して訴訟を提起していた名誉毀損訴訟につきまして、上告が棄却され、裁判が終結いたしましたことをご報告いたします。
ここで気になったのが、完全に敗けた裁判をおこなった意味があると主張している部分のひとつだ。
しかし審理の過程において得られたものもあります。協会側は声明の根拠となる呉座先生の言動の具体的内容を示していませんでしたが、呉座先生による法的措置を受けて、協会側が後出し的に提示したことで明らかになりました。これらは裁判における提出資料ですので、爾後第三者も閲覧可能になります。
呉座先生のSNSアカウントは削除されているため、具体的な言動に依拠せず印象論によるレッテル貼りが行われることがありました。確かに投稿の中には不穏当なものもあったかもしれませんが、果たしてその内容が協会による個人攻撃的な声明の根拠に相当するものかどうか、これで検証が可能になりました。
「不穏当なものもあったかもしれません」と問題があったことを暗に認めていることや、検証が可能になったとしつつ具体的なそれを提示していないことは、別の場所と機会でおこなうならばいいとして。
そもそも「呉座先生のSNSアカウントは削除されている」といっても、いったんアカウントを公開したり批判されるような発言を削除していったのは呉座氏自身の行為であって*2、SNSの運営に強制的に削除などされて誰にも発言が検証できなくなったわけではない。
発言に恥じるところがなく、検証してもらいたいと呉座氏が思うのであれば、裁判をするまでもなく自身で発言を公開すれば良かったのだ。念のために二次加害をさけるよう注意しつつ提示することはできただろう。
実際、裁判のさなかに日歴協が提示した根拠を呉座氏が自身のブログエントリで公開し、注目をあつめていた。思うようには日歴協が不当という評価はえられなかったようだが。
弁護士の高橋雄一郎氏が呉座勇一氏を擁護しようとして、まともに文章を読めなくなっていた - 法華狼の日記
5月6日になって、反訴したと報告する呉座氏のエントリでは六つの「いいね」の他、リスト以外にひとつのツイートも「歴史修正主義」と評価する根拠として提示されたと説明して、反駁していた。
反訴の提起について - 呉座勇一のブログ
私は上記で指摘された他にひとつ、従軍慰安婦問題にまつわる呉座氏のツイートを知っている。それは元朝日記者の植村隆氏が「捏造」という評価に反論したことへの、否定的な論評だった。
しかも上記のように裁判に提出されなかった問題発言は他にもあった*3。
アカウントが削除されていたため裁判の根拠として出せたのは保存された発言だけだったろうが、日歴協の判断を動かした呉座氏の言動は他にも複数あったかもしれない。
あたかも裁判で提示された発言だけが呉座氏の問題であったかのような主張は、矮小化につながるとしか思えない。
*1:日本歴史学協会の声明が名誉棄損だとして歴史学者の呉座勇一氏が訴えた件で、とりあえず地裁では呉座氏が完全敗訴したとのこと - 法華狼の日記
*2:最終的にアカウント削除にいたったあたりは指示もあったらしいが、それでも当時の報道を見れば呉座氏にとって削除まで1週間の時間があったことが確認できる。 呉座勇一氏ツイッターアカウント1週間後に削除へ 不適切投稿を改めて謝罪 - 芸能 : 日刊スポーツ
*3:一応、アカウントが公開されていた時期の発言なので、非公開で問題発言をしていたことにはふくまれないという理屈をつけられなくもないが。