立花孝志容疑者を送検 亡くなった元兵庫県議の名誉傷つけた疑い

根本快 武井風花
【動画】立花孝志容疑者を名誉毀損容疑で送検=大山貴世撮影
[PR]

 兵庫県の内部告発文書問題にからみ、自死した元県議に関するデマを拡散して名誉を傷つけたなどとして、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者(58)が名誉毀損(きそん)容疑で逮捕された事件で、県警は10日午前、立花容疑者を送検した。

 午前9時40分過ぎ、立花容疑者を乗せたシルバーの車が県警本部から出てきた。眼鏡をかけた立花容疑者は後部座席の中央に座っていた。

 県警は捜査に支障が出るおそれがあるとして認否は明らかにしていないが、捜査関係者によると、逮捕後、容疑内容となった発言をしたことは認めているという。

 竹内英明・元県議(当時50)の妻(50)が立花容疑者を同容疑で県警に刑事告訴し、今年6月に受理されていたが、告訴後の定例会見で立花容疑者は「名誉毀損したことは争わないが、十分、違法性が阻却されるだけの根拠をもって発言している」などと述べていた。

 捜査2課によると、立花容疑者は昨年12月13~14日、自らが立候補した大阪府泉大津市長選の街頭演説で、「何も言わずに去っていった竹内議員は、めっちゃやばいね。警察の取り調べを受けているのはたぶん間違いない」などと発言し、竹内氏の名誉を毀損した疑いがある。

 また、竹内氏が亡くなった後の今年1月19~20日には「昨年9月ごろから兵庫県警からの継続的な任意の取り調べを受けていました」「どうも明日逮捕される予定だったそうです」などと虚偽の情報を自身のSNSに投稿するなどして、竹内氏の名誉を毀損した疑いがある。

 竹内氏は内部告発文書の真偽を調べる県議会調査特別委員会(百条委員会)の委員を務めていた。昨年11月に議員辞職し、今年1月18日に自死した。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

【30周年キャンペーン】今なら2カ月間無料で有料記事が読み放題!詳しくはこちら

この記事を書いた人
根本快
神戸総局|事件・司法担当
専門・関心分野
事件、政治資金
  • commentatorHeader
    佐藤優
    (作家・元外務省主任分析官)
    2025年11月10日13時5分 投稿
    【視点】

     無罪推定の原則は、誰に対しても適用されなくてはなりません。それが人権を保障する近代民主主義社会の基本だからです。立花孝志氏の逮捕、送検に関して、朝日新聞の報道は立花氏の有罪が確定したからのような予断によって書かれていると思います。  立

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    長島美紀
    (SDGsジャパン 理事)
    2025年11月10日18時23分 投稿
    【視点】

    政策や発言に対する批判は民主主義に不可欠ですが、事実に基づかない発言や悪意ある虚偽情報の拡散は、「言論の自由」の範囲を超えた誹謗中傷になります。重要なのは、発言者がその情報の真偽をどれだけ確認していたかという点です。 最近では、政治家や政

    …続きを読む
兵庫県の内部告発文書問題

兵庫県の内部告発文書問題

2024年3月、兵庫県の斎藤元彦知事らがパワハラ疑惑などを内部告発されました。告発への知事の対応をめぐって県議会と対立しましたが、出直し選挙では斎藤知事が再選を果たしました。最新ニュースをお伝えします。[もっと見る]