「実は男」というトンデモ陰謀論を流しているのは誰? ブリジット・マクロン大統領夫人の闘い
陰謀論の主張に「キャリアのすべてを賭ける」
オーウェンスがブリジット夫人に関する陰謀論を広め始めたのは2024年3月。ポッドキャスト「キャンディス」で「ブリジットが実は男性であるという主張に、私のキャリアの評判のすべてを賭ける」と「世界に宣言した」という。この主張は他にも彼女が当時働いていたメディア「デイリーワイヤー」で繰り返され、Xへの投稿によって700万人を超える彼女のフォロワーたちに向けて繰り返し発信された。大統領夫妻の裁判書類にもこの内容が記載されている。
陰謀論を宣伝に利用か
オーウェンスはこの陰謀論を自分の信念として拡散した一面もあるだろうが、売名のために利用した可能性も濃厚。彼女は同じ2024年3月に反ユダヤ主義的発言でデイリーワイヤーから契約を打ち切られている。デイリーワイヤーとオーウェンスはブリジット夫人に関する陰謀論ではタッグを組んでいたが、ユダヤ人に対する差別については立場が違ったというわけ。オーウェンスはデイリーワイヤーから解雇後、自分のYouTubeチャンネルを立ち上げ、フリーランスとして活動するように。ピン芸人ならぬ、ピン論客として支持層を固めるため、この陰謀論をツールとして使ったと見られている。
陰謀論のミニシリーズを配信する驚異の熱量
オーウェンスは2025年初めに自分のYouTubeチャンネルに「Becoming Brigitte(ブリジットになる)」と題した、自称ドキュメンタリーを発表。ブリジット夫人が男性だという主張を展開している。ちなみにこれは約1時間のエピソード、計8本からなるシリーズもの。自らのキャリアを賭けると発言しただけあって驚くべき熱量。このミニエピソードやポッドキャストの中でオーウェンスは「マクロン夫人は他の人の身元を盗み、女性になった」「大統領夫妻は血のつながった親戚だ」「マクロン大統領はアメリカ政府のマインドコントロールプログラムの1つとして大統領に選ばれた」「マクロン夫妻はそれらの秘密を隠すために偽造行為や詐欺、権力の濫用に手を染めている」と主張している。またポッドキャストではフランス人ジャーナリストのグザヴィエ・プルサールがブリジット夫人がトランスジェンダーだという「事実」を追ったノンフィクション本『Devenir Brigitte(こちらも「ブリジットになる」の意味)』も猛プッシュしていく。