「運転支援システム」に頼り切って事故? 1歳児死亡、12日初公判
昨年9月に高知県で、車が中央線を飛び出して対向車と正面衝突し、1歳児が死亡する事故があった。事故を起こした運転手は「運転支援システム」を使い、助手席のサンダルに履き替えようとしていたとして起訴された。「常識で考えられない事故」と遺族が厳罰を求める中、今月12日に初公判が開かれる。 【写真】事故で亡くなった当時1歳の神農煌瑛ちゃん=遺族提供 事故は昨年9月21日午後1時ごろ、高知県香南市の高知東部自動車道で起きた。家族4人で旅行をしていた神農(かみの)諭哉(ゆうさい)さん(34)一家の車に、対向車線から竹崎寿洋被告(61)の車が突然飛び出し、正面衝突した。 この事故で、神農さんの長男煌瑛(こうえい)ちゃん(当時1)が死亡。竹崎被告は今年8月、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)罪で高知地検に在宅起訴された。 起訴状によると、竹崎被告は当時、トヨタ車の「運転支援システム」を使い、助手席のサンダルに履き替えようとして前を見ず、持っていた右手で誤ってハンドルを切ったとされる。 使われていたトヨタの「レーントレーシングアシスト」はハンドル操作を支援する機能だが、運転の主体はドライバーであることが前提のシステムだ。説明書でも「運転者は常に自らの責任で周囲の状況を把握し、ハンドル操作で進路を修正し、安全運転を心がけてください」という警告が明記されている。 過失運転致死傷罪は懲役の上限が7年。自らも骨折などの重傷を負った諭哉さんは、妻とともに厳罰を求める署名活動を行い、10月末までに約16万7千筆の署名が集まった。諭哉さん「常識では考えられない運転で1人の命を奪った行為に見合った罰なのか」と話す。(染田屋竜太)
朝日新聞社