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【永遠の論争】なぜSwitchだけ決定ボタンが右なのか? PS5・PCゲーマーが「毎回誤爆する」問題の深層と、任天堂が「世界標準」に屈しない本当の理由を徹底解説。

どうも、ゲーム業界の片隅で飯を食わせてもらってる俺だ。

今日は、ゲーマーなら誰もが一度はブチ当たり、そして「くっそ!」と叫んだことがあるであろう、あの問題について深く語っていきたい。

そう、「なんで任天堂ハードだけ決定ボタンが右(Aボタン)なんだよ!」問題だ。

俺も仕事柄、Switch、PS5、Xbox、そしてPC(Steam)と、あらゆるプラットフォームを日々横断してプレイしてる。Switchで『ゼルダ』に没頭した直後、レビューのためにPS5を起動して、いつもの癖で〇ボタン(右)を押してキャンセル…。「ああ、こっちは×(下)決定だった!」と頭を抱える。

逆に、PCで『Apex』や『原神』をパッドで遊んだ後、Switchに戻ると、今度は無意識にBボタン(下)を「決定」のつもりで押しちまう。もちろんキャンセルだ。

ネット上でもこの話題は定期的に燃え上がってる。「PCゲーマーだけど、このボタン配置が嫌でSwitchで遊ばない理由の一つ」「PS箱PCは統一されてるのに任天堂だけ蚊帳の外」「毎回誤爆する」…。まぁ、言いたいことは痛いほど分かる。

じゃあ、なんでこんな「ねじれ」が発生してるのか? どっちが「正解」で、どっちが「間違い」なのか? そして、なぜ任天堂は頑なに「右決定」を貫き通すのか?

今日は、ITジャーナリストとしての視点も交えながら、この根深い「決定ボタン戦争」の歴史と、各社の思想の違いをガッツリ掘り下げていこう。


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「右決定」は日本の“ガラパゴス”だったのか?

まず、時計の針をぐっと巻き戻してみよう。

この問題の根源は、日米のゲーム文化の成り立ちの違いにある。

日本のコンソールゲームの「原点」といえば、もちろんファミリーコンピュータ(ファミコン)だ。あの四角いコントローラーを思い出してほしい。ボタンは二つ。左がBで、右がA。この時点で、主要な操作(ジャンプや攻撃など)を行う「Aボタン」は右側に配置されていた。

この流れはスーパーファミコン(SFC)にも受け継がれる。Y、X、B、Aというダイヤモンド型の配置が生まれたが、やはり主要な「決定」や「アクション」はAボタン(右)が担うことが多かった。これが日本のゲームにおける「暗黙の了解」であり、デファクトスタンダード(事実上の標準)になっていったんだ。

そこに登場したのが、初代PlayStationだ。彼らは「〇、×、△、□」という、非常にアイコニックな記号を採用した。日本では、文化的に「〇(マル)」は「正解・承認」、「×(バツ)」は「不正解・拒否」を意味する。だから、PlayStationが「〇(右)を決定」、「×(下)をキャンセル」と割り当てたのは、日本のユーザーにとって極めて自然な流れだった。「PS4まではずっと右だった」というネットの声がある通り、この文化はPS4の時代まで長く続くことになる。

だが、海を渡ったアメリカ(北米市場)では、この常識がまったく通用しなかった。

彼らにとって、「X(バツ印)」は「チェックマーク(承認・選択)」を意味することが多い。逆に「〇(マル)」は「空白・無効」や「キャンセル」を連想させる記号だった。つまり、日本とは真逆の認識だったわけだ。

さらに、北米では日本以上にPCゲーム文化が根付いていた。PCゲームのメニュー画面では、選択肢が縦に並び、一番下の「OK」や「Accept」を選ぶことが多い。この操作感から、「リストの一番下にある選択肢は、ボタンの一番下で押す」というロジックが自然なものとして受け入れられていた。

そこへ殴り込みをかけたのが、MicrosoftのXboxだ。彼らは北米のPC文化と、セガ(ドリームキャスト)のボタン配置(Aが下にあった)なども参考に、コントローラーの下側にあるAボタンを「決定」とする配置を採用した。これが北米市場で受け入れられ、やがてPCゲーム(Steam)のコントローラーサポートもこのXbox配置を標準とするようになり、グローバルスタンダードとしての地位を確立していく。

この流れを見て、ソニーはどうしたか。

「昔から日本だけガラパボス仕様で右だっただけだぞ」というネット上の厳しい指摘がある。これは半分正しく、半分は違う。日本市場では確かに右決定が主流だった。しかし、グローバル市場でのシェア拡大と、PCプラットフォームとのマルチ展開が当たり前になった現代において、地域ごとにUIが異なる(日本は〇決定、海外は×決定)という「ねじれ」は、開発コスト的にもユーザー体験的にも無視できない問題になっていた。

そして、PS5の発売時、ソニーはついに苦渋の決断を下す。日本市場も含め、全世界的に「×(下)決定」にUIを統一したんだ。日本の古参ゲーマーからは「丸から逃げたソニー」「日本の文化を捨てた」と揶揄されたが、これはグローバル企業としての合理的な判断だったと言える。


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任天堂はなぜ「右決定」を貫くのか? 思想と合理性

さて、ここで本題の任天堂だ。ソニーがグローバルスタンダードに「降伏」したのに、なぜ任天堂は「右決定」を頑なに守り続けているのか。

ネットでは「任天堂はられてる(仲間外れにされてる)」「ゲーム会での強調性がない」とまで言われている。だが、任天堂にしてみれば「知ったこっちゃない。うちはうちの哲学でやってるだけだ」というのが本音だろう。

「スーファミからAボタンの形だろ」という声があるように、任天堂にとってAボタンは「Primary(プライマリー=主要な)」ボタンであり、それはコントローラーを握った時に親指で最も自然に、かつ力強く押せる「右側」にあるべき、という思想が一貫している。

これは単なる懐古主義じゃない。人間工学(エルゴノミクス)的な視点からも合理性がある。「普通に右決定の方がやりやすくない?」という意見は、実はかなり的を射ている。

実際にコントローラーを握ってみると分かるが、親指の腹が自然に触れるのは、右側のAボタンや上側のXボタンだ。逆に下側のBボタンは、親指を少し曲げ込む意識が必要になる。

「右手でインタラクトするのが人間として多数派だからマウスも右手で使う」という理屈にも一理ある。主要なアクションを、最も押しやすい右側のボタンに割り当てる。これは任天堂のハード設計における哲学なんだ。

さらに、「誤爆防止」という観点も重要だ。「左と下は同時に押しやすぎて誤爆されやすいからわざと右と下にしてるんだぞ」という指摘。これも鋭い。

XboxやPS5の配置では、「決定(A/×)」と「キャンセル(B/〇)」が物理的に隣接している(下と右)。しかし、任天堂の配置では「決定(A)」は右、「キャンセル(B)」は下、と対角線上に離れている。

シビアな操作が要求されるアクションゲーム中、焦って決定とキャンセルを押し間違えるリスクは、ボタンが離れている方が当然低い。UI/UXデザインとして、どちらが優れているかは一概に言えないが、任天堂の配置にも明確な合理性が存在することは分かるだろう。

もちろん、「なんで左から右へ読むのにY, X, B, Aなんだよ」というアルファベット配置へのツッコミも分かる。Xbox配置(上からY, 左X, 右B, 下A)とは違う。だが、任天堂に言わせれば「あれはアルファベットの順番じゃなくて、SFC時代から続くボタンの“名前”だ」ということなんだろう。


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「PS5でPS4ソフトを遊ぶ」という混乱

この決定ボタン戦争において、俺が個人的に「最も地獄だった」と感じているのが、PS5の移行期だ。

ネットの声にも「PS5で4のゲームやると逆転するの本そう」とあるが、これは経験した者じゃないと分からないレベルで脳がバグる。

具体的に何が起きていたか。

PS5は、OS(システムUI)レベルで「×(下)決定」に統一された。ホーム画面や設定メニューはすべて×決定だ。しかし、PS4の後方互換ソフトを起動すると、そのゲーム自体は日本仕様の「〇(右)決定」のまま動作する。

この結果、最悪の「ねじれ」が生まれた。「ゲーム内は丸決定なのにセーブ時だけ罰決定のゲームが存在することだわ」。まさにこれだ。

ゲーム本編は〇ボタンで快適に進める。一区切りついたからセーブしようとオプションメニューを開く。その瞬間、UIがPS5準拠に戻り、セーブの実行は「×ボタン」になる。そしてゲームに戻るとまた「〇決定」…。

これを繰り返すうちに、自分が今どちらのルールで操作しているのか、完全に分からなくなる。

ネットの指摘通り、「ハード内で統一されてるPCや箱、NINTENDOハードは同じハードでプレイしていれば混乱が起きない」。Switchなら最初から最後まで右決定。PCなら最初から最後まで下決定(が基本)。ハード内でルールが統一されていれば、人間はすぐに慣れる。

ソニーが移行期に生み出してしまったこの「ハード内でのルールの不統一」こそが、ユーザーを最も混乱させた元凶だったと俺は断言する。

解決策はあるのか? ボタンリマップの「罠」

「ごちゃごちゃ言わずに設定で変えればいいだろ」という声も当然ある。

「SwitchでB(A)変更できるの知らないの?」とか「PCゲーマーは配置変えるわ」という意見。確かに、今のゲーム機(Switch、PS5)もPC(Steam)も、OSレベルでボタン配置を自由に入れ替える「リマップ機能」を搭載している。

じゃあ、SwitchのAとBを入れ替えて、PS5やPCと同じ「下決定」にしちゃえば解決じゃないか?

残念ながら、話はそう単純じゃない。そこには大きな「罠」が待っている。

「ハード側で利決定ボタン設定できるんだが、それ完全に入れ替わるからくそソフト側が対応してないと頭おかしくなるよ」。その通りだ。

ハード側(OS)でAとBの入力を物理的に入れ替えたとしよう。だが、ゲームソフト側の画面表示(UI)は変わらない。「Aボタンで話す」と表示されているのに、実際にはBボタンを押さなければならない。「Bでキャンセル」と表示されているのに、Aボタンを押さないとキャンセルできない。

結果として、「画面の指示」と「実際の操作」が食い違うという、さらなる認知負荷を自分に強いることになる。これほどストレスが溜まることはない。

結局のところ、一番マシな解決策は「郷に入っては郷に従え」。つまり、Switchを触る時は「今は任天堂モードだ」と脳内スイッチを切り替え、PS5を触る時は「こっちは世界標準モードだ」と切り替える。これが一番早い、というのが俺の結論だ。

長々と語ってきたが、結局のところ、この問題に「どっちが絶対的に正しい」という答えはない。

これは「文化」と「思想」の違いでしかないんだ。

任天堂は、自社のハードで最高のゲーム体験を提供するため、ファミコンから続く人間工学に基づいた「右決定」という哲学を選び続けている。

PC/Xbox陣営は、オープンなプラットフォームとしての標準化を重視し、「下決定」というグローバルスタンダードを選んだ。

そしてソニーは、両者の間で揺れ動き、最終的にグローバル市場での合理性を取って「下決定」へと舵を切った。

この「違い」を理解し、そのハードの「作法」に合わせて使い分けるのも、複数のハードを嗜む現代のゲーマーの「嗜み」ってやつじゃないか。

最初は誰だって誤爆する。俺だって今でもやる。でも、ネットの声にもある通り「一瞬で慣れるよな」「すぐなれるよ」というのも、また事実だ。

こんなUIの些細な(いや、当人にとってはデカい問題だが)違いだけで、『Pokémon』や『ゼルダの伝説』、『スプラトゥーン』や『マリオ』といった、Switchでしか味わえない神ゲーの数々を遊ばないのは、あまりにもったいない。

ハードごとに異なる「作法」の違いも含めて、ゲームという文化の奥深さを味わってみるのも一興だ。もしボタン配置の違いでSwitchを敬遠しているなら、心配ない。人間、5分も触れば慣れる。気になったら、まずは触ってみることを強くオススメする。


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