自動運転バス衝突、位置情報の読み込みに不備 東京都が原因発表
東京都八王子市で8月、自動運転の実証実験中のバスが街路樹に衝突し乗客3人が軽傷を負った事故で、事業主体の都は10日、システムに不備があり、22秒前の古い位置情報に基づいて自動的に急ハンドルを切ったことが原因と発表した。
都によると、運転手が乗る必要がある自動運転「レベル2」で実験中だった。システムは0.1秒ごとに進行の目標となる位置情報を読み込む仕組み。事故の際は一部のデータが読み込まれず、22秒後にデータが反映されたことで、誤った位置に進行しようとハンドルが切られて街路樹にぶつかった。
システムは歩道にある街路樹を障害物と認識できず、時速20キロ程度の低速だったため急ハンドルを制限する仕組みも作動しなかった。
事故は8月29日午前11時半ごろ、八王子市高尾町の国道20号で発生。乗客乗員計15人が乗っていた。実験は同23〜31日の予定だったが、事故を受けて中止した。〔共同〕
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