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Conversation

国会の質問通告が遅い云々の件ですが、私も今は与党サイドなので触れておくと、いまの国会構成で与党がそれを騒ぎ立ててもむしろデメリットが大きすぎるので、そっとしておいた方がいいような気がするんです。なぜなら「通告は2日前の正午」といっても、実際はその時点で委員会の開催が決まってない場合の方が多いわけなんですよね。 与党「2日前の正午までに通告するように」 野党「なら3日前の正午までには開催をセットするように。できなかった委員会は延期で」 みたいな話になりますよ。 与党が絶対安定多数とか持っていればまだしも、いまは少数与党政権なので、野党が本気で反対したら委員会の強行開催は制度的にも難しいです。委員長も野党に握られたりしているわけで、委員長の職権による開催もできないわけですよ。 もともと、通告の遅れが許容されてきたのは、開催セットと質疑者決定が遅いので、そのスケジュールじゃ物理的に通告不可能だからです。「午前9時からの委員会の質疑者に指名されるのが、前日午後」とかいうことすらあるので。 この場合、どうしても委員会を開きたいのは与党(というか内閣)なわけで、通告が遅いのなんのとゴチャゴチャ騒ぐより、1回でも多く委員会を開催した方が得なんですよね。成立させられる法案の本数が増えますから。まあ、官僚の皆さんにはご苦労かけることにはなりますが。 あるいは、日程闘争中心の駆け引きをやめる、という方法もありますが、その場合は代わりに「野党の要求に応じて法案を一部修正する」ような対応が必要になりますから、与党としてはむしろ日程闘争の方がマシなんですよね。国のためには法案修正の方が良いのかもしれませんが。 なので、与党の一部の議員が「通告が遅い」などと騒いだところで、むしろ内閣や国対に迷惑をかけるだけなんじゃないかと。安倍政権くらい圧倒的な議席があれば、それで押し通せた可能性もありますが、それでもやらなかったわけです。現状維持の方が内閣にとって都合がいいので。 実際、安倍政権当時も一部そのことで騒いだ与党議員はいましたけど、肝心かなめの国対委員長とかはそういう要求はしなかったですよね。この件は正論を振りかざして突き詰めてもむしほ与党に損になるから、触らなかったわけです。今の議席構成では押し切ることすら無理なので、まあ放っておくしかない。せいぜいマスコミに「あの議員は特にひどい」とこっそり告げ口する程度が関の山でしょう。