算数や数学で習った知識の中には、日常であまり使う機会がないものもあります。
例えば、√が付いている数の計算、今でもできるでしょうか?
「そういえば習ったような気がするけど…」と記憶があいまいになっている人は、ぜひ今回の問題にチャレンジしてみてください。
問題
次の計算をしなさい。
√27−√12
解答
正解は、「√3」です。
「27−12は15だから...」と、答えを√15としてしまった人はいませんか?
この計算方法は残念ながら間違いです。
√の付いた数の正しい計算方法は、次の「ポイント」で解説します。
ポイント
この問題のポイントは、「√の中を同じ数にすること」です。
√が付いている数の引き算では、√の中の数どうしを引くのではなく、√の前についている数どうしを引きます。
b√a−c√a
=(b−c)√a
例:
5√2−2√2
=(5−2)√2
=3√2
ここで注意したいのが、√の中の数が同じでなければ引き算はできないということです。
では、√27と√18の引き算はできないのでしょうか?このように一見計算不可に見える式では、√の中の数が同じになるように式を変形できないか考えてみましょう。
式を変形する手掛かりとなるのは、√という記号の意味です。
√a(a>0)は「ルートa」と読み、「二乗するとaになる正の数」を表せます(二乗するというのは、同じ数を二回掛け合わせることです)。
この問題に出てくる√27は「二乗すると27になる正の数」なので、√27×√27=27が成り立ちます。
また、中には自然数で表せる√付きの数も存在します。例えば、√4は「二乗すると4になる正の数」ですが、2は二乗すると4になります。よって√4=2が成り立ちます。
√4×√4
=2×2
=4
このように√の中が「ある数の二乗」になっている場合は、自然数に直せるのです。
また√の中の数を掛け算に直したとき、二乗している部分が見つかれば、その部分は√の外に出せるというルールがあります。
a=b×b×c(a>0、b>0)のとき、√a=√(b×b×c)=b√c
ここで、√27と√12がb√cの形に直せないかを見てみましょう。
27を掛け算に直すと、3×3×3になるので、3×3の部分は3として√の外にだせますね。また、12は2×2×3になるので、2×2の部分が√の外に出せます。
√27
=√(3×3×3)
=3√3
√12
=√(2×2×3)
=2√3
√の中の数字がそろったので、引き算ができるようになりましたね。
では、引き算の過程をまとめてみてみましょう。
√27−√12
=3√3−2√3
=(3−2)√3
=1√3
=√3(√の前の1は省略できる)
これで√3という答えにたどり着けましたね。
まとめ
今回は、√が付いた数どうしの引き算にチャレンジしました。
√が付いた数の引き算は、√の中が同じ数どうしでしか行えません。もし、√の中が違ったら、まず√の中をそろえるところから始めましょう。
ちなみに√の足し算も、√の引き算と同じようにできます。気になる人は、√の足し算にも挑戦してみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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