アマゾンからの段ボールに見覚えある「シミ」 男性が通報した理由は
東京都内に住む男性のもとに10月1日、ネット通販で注文していた浴室暖房乾燥機1台が届いた。新品のはずの段ボールには、黒いシミがあった。それを見た男性は、急いで警視庁に電話をかけた。なぜ「クレーム」ではなく「通報」だったのか。
光が丘署によると、男性は8月26日、マンションに設置する乾燥機1台をネット通販大手の楽天で8万4439円で注文した。営んでいるリフォーム業で使うためだった。
乾燥機は9月2日、東京都練馬区の倉庫に届いた。だが、約2週間後、客のマンションの一室に取り付けるために倉庫をのぞくと、あるはずの場所に乾燥機は無かった。
「誰かが間違えて持って行ったかも」 再び購入すると……
重さは約12キロ。誰かが間違えて持って行ってしまったかもしれない、と思った。
今度は別のネット通販大手のアマゾンで同じ型の乾燥機を注文した。前よりも2万4459円安かった。
10月1日、注文した荷物が届いた。その段ボールには、ペンで書いた文字を消そうとしたような跡があった。よく見ると、見覚えがあった。
乾燥機がなくなる前、段ボール上部に、設置先のマンション名と部屋番号を黒のペンで書いていた。他の商品と取り違えるのを防ぐためだった。
なくなったはずの乾燥機は、思わぬ形で自分の手元に戻ってきた。急いで光が丘署に電話して、この経緯を説明した。
男性の電話を受け、光が丘署は捜査を始めた。今月5日になり、埼玉県の男(40)を窃盗容疑などで逮捕した。容疑は9月16日午後2時50分ごろ、練馬区の倉庫に侵入し、男性が保管していた乾燥機1台を盗んだというものだった。容疑を認め「生活に困っていた」と話しているという。
男は、盗んだ乾燥機を東京都江戸川区の買い取り店に持ち込んでいた。売却額は1万8千円で、男性が最初に買った値段の5分の1だった。
段ボールの文字について男は、新品に見せるために除光液で消そうとした、と説明しているという。乾燥機はその後、買い取り店とは別の人が、アマゾンに出品。男性が2度目に買ったのはこの乾燥機だった。
乾燥機は買い取り店に、めぐりめぐって男性のもとに
どのように盗まれたのか。
男は配送業を営んでおり、練馬区の倉庫にも配達に訪れたことがあったという。その時に倉庫の鍵が入ったキーボックスの暗証番号を知り、それを覚えていて侵入したとみられる。
男は「倉庫から他にも盗んだ」と話しているといい、光が丘署が捜査を続けている。
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- 【視点】
このニュース、要するに、ある男性が乾燥機を購入して倉庫に置いておいたら、それを盗まれてしまったため、再度別のところで購入してみたところ、それがまさに自分が盗まれた乾燥機だった、自分で印をつけておいたからピンときた、というニュースなんですね! 何度か読んで理解しました。いやあ、そんなこと、あるんですね。 アクセスランキング上位の記事でしたので、ちょっとした窃盗事件も、書き振りや見出しの付け方で「読まれる記事」になるのだなと思いながら読んだのですけれども、見出しを「謎解き」のようにしたことで、本文もそれに合わせた仕立てにしなければならなくなり、かえって事実関係が整理しにくい文章になってしまった、ということはないのかな、とも思いました。いや、自分の読解力がないだけかもしれませんけれども。 だいぶ前の話になりますが、自分が朝日新聞の「パブリックエディター(PE)」だったときに、「デジタル版の記事の見出し」について議論したことがあったのを思い出しました。紙の見出しに比べて、デジタル版の記事は「煽るようなものが散見される」というような意見がPEからあり、これに対し、どれほどいい記事も、読まれなければ意味はない。ネットの広大な海で1本の記事を読んでもらうためには、強いフックが必要なんだと、いろいろな話がありました。 あれからだいぶ時間が経ち、いよいよ「デジタルファースト」の時代になって、「デジタル版の見出しは煽ってる」なんてことを言う人はいなくなりました。むしろ、ちょっとした事件も、記事の書き方で読まれるようになるし、地域の小さなニュースでも、全国で読まれる記事になる。ますます記者の腕の見せ所だと言えるかもしれません。 見出しの付け方も、記事の書きぶりも、時代によって、メディアの特性や諸条件によっていろいろと変わるものかと思います。記事の中身、事件とは全然関係のない話なんですけれども、そんなことを考えながら新聞を読むのもたまにはいいのかなと思い、コメントに残してみた次第です。
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