一晩中、病室で「うううああー!」と叫び続けた…37歳の酒飲みに「地獄の激痛」を与えた恐ろしい病気の名前
■腎臓障害で尿がほとんど出ていなかった また、最初の数日は点滴そのものが異常な苦しみになっていた。 なぜか点滴をしているのにまったく水分が補給されている感覚がなく、渇いた体が内部から栄養成分で押しつぶされているような耐え難い苦痛が延々と続いていた。自分が風船になって限界を超えて空気を注入されている感じだ。 何度も看護師や医師を呼んで「本当につらいからこの点滴を抜くか、もしくは多めに水分補給をするか、なんとかしてほしい」と懇願しても「こういう治療なので点滴は抜けません」と冷静にあしらわれた。本当に苦しくて、頭がおかしくなりそうだった。あまりに僕が言うので医師が「さすがに変だからちょっと水分を増やしてみようか」と言ってくれたときもあったが、体感としては何も変わらなかった。 実は入院直後から腎臓障害が出ておりおしっこがほとんど出ていなかったらしい(入院直後に尿道カテーテルを入れられたので自分ではわからなかった)。医師としては「普通の急性膵炎なら点滴して寝てればよくなっていくのにおっかしいなあ」という感じだったのかもしれない。僕としては「こんだけ苦しいんだからそらそうやろ」という気持ちではある。 ■入院して治るどころか、苦痛は増すばかり 救急車を呼んだときには「病院にさえ行けばその場の痛みはなんとかしてくれるだろう」と思っていたので、入院してからさらに苦しみが増すというのは思ってもみないことだった。 というわけで、入院3日目にして「こりゃICU(集中治療室)のある病院で本格的にやらないとアカン」となり、さらなる転院が決定する。 連日の入院対応と自分の仕事でほとんど寝れていなかった妻もまた急遽呼び出された。結局、妻が持ってきてくれた荷物は一度も開けることができずにベッドの上に置いたままだった。 ---------- たろちん(たろちん) ゲーム実況者、ライター 1985年10月14日生まれ。本名は大井正太郎。2008年、ニコニコ動画で「たろちん」としてゲーム実況を開始。Webニュースサイト「ねとらぼ」のライター・編集者を経て、現在フリー。お酒をこよなく愛する人間だったが、2022年に「重症急性膵炎」を患い膵臓の3分の2が壊死。現在は生涯禁酒の身。noteでも闘病体験やその後の生活を綴っている。 ----------
ゲーム実況者、ライター たろちん