味覚は学習に依って確立される感覚であるからして、男は母成る人物の作りしそれを忘れることはありません。
母成る人物への劣等感が或るが故に、男はより理想の女性を求めさまようのでしょう。
還暦にしてふと、母の味を想い真似てみますが……
口にして顔がほころぶのは、貴方の味を引き継ぎつつも確実に貴方の味を越えたと思うからです。
貴方を越えました、貴方の息子は貴方を越えたのです。
子供の数も貴方が産んだ11人を越えました、貴方の息子は貴方を越えたのです。
貴方よりとは言いませんが、貴方と同じぐらい素晴らしい女性とも出逢いました。
(でも逃げられただろうは受け付けません)
この上、何を手にすれば貴方への劣等感から介抱されるのか……
そこには、ただただ感謝することが貴方に許されることなのでしょう。
貴方が誇れるような息子ではなかったことを申し訳なく思っています。
事あるごとに貴方が
「おらぁ、ちよすゃーやー」
(うちの清志が)
と、いう言葉が
「私の清志が」
そう聞こえて幸せだったことを覚えています。
今の幸せは全て貴方のお蔭です。
AD









