DHSBことのは配列と連接の話 その2
今回もDHSBことのは配列がどれくらいの連接を入力できるのかを調べてみました。
配列制作者の方だけでなく、DHSBことのは配列を導入してみようと考えている方や、配列を作ってみたいと思っている方の参考資料となるようにまとめたつもりです。
前回の調査記事はこちらです。「連接」が何を指すのか分からない方向けの項目もあります。
DHSBことのは配列が何なのか分からない方はこちらをご覧下さい。
1. はじめに
使用した連接のデータベースはこちらです。「のにいると」「漢直WS」開発者の岡さんが集めたものです。
データベースの使用許可も貰っています。
Wikipedia日本語版の記事を解析したものとして公開されているデータベースです。
今回は2連接の「wikipedia.hiragana-ized.2gram.txt」と3連接の「wikipedia.hiragana-ized.3gram.txt」を使用しました。
前回のひらがな部分のみを抽出したデータベースとは異なり、漢字とカタカナが含まれているデータとなっています(両方ひらがなに変換されて収録されています)。
集計条件についてです。
今回はDHSBことのは配列のみデフォルトレイヤー(単打面)だけでなく、拗音レイヤーと記号レイヤーも含めて集計しました。
他の配列は前回と同じく、全てのシフト面、レイヤー、同時打鍵などを含めて集計しました。
注意事項(※前回のものほぼ同じ内容です)
全て手作業でやったので集計ミスがあると思います。0.5%から1%くらいの誤差があるかもしれません。子どもの自由研究程度と思ってください。
他のかな配列のデータを参考値として掲載しています。これらは比較対象ではなく「参考用」です。
どの配列もかなの配置、シフト面やレイヤーの数、拗音の入力方法などが異なっています。設計思想も想定している使い方も違っています。用途によって向き不向きがあり、純粋に比較することが難しいものだからです。
特に、DHSBことのは配列は特殊なキーレイアウト(物理配列的)を持つSvalboardでの使用を前提としています。一般的な一体型や分割型キーボード向けの配列とは棲み分けが必要になるタイプだと思います。
さらに、単打でほぼ全て書けるDHSBことのは配列と、そうではない配列とでは、参考値として掲載するにしても数値のズレが大きく公平とは言えません。
そこで、参考用配列の集計にあたり、いくつかの条件をつけることにしました。
まず前提として、それぞれの配列図に従って左右の振り分けを行い、各種入力方法に配慮しました。
DHSBことのは配列の単打に合わせるため、本来シフト操作や同時打鍵が必要な文字も片手で入力したものと仮定して集計しました。
なので、同指打鍵、ロールオーバー打ち、アルペジオ打鍵、各指の使用率などの運指効率や打鍵効率は一切調べていません。あくまでどれくらいの連接をカバーしているのか「だけ」を算出したものになります。
参考用配列にはシフト操作を交互打鍵のひとつとして数えるもの含まれていますが、どれくらいの連接が交互入力になっているのかを読み取ることはできません。
これらの措置はある程度の公平性を持たせるためです。ご了承ください。
拗音に関する扱いもややこしいことになっています。詳細は『拗音の集計条件について』に書いてあります。
Wikipediaの文体は「だ体(だ調)」や「である体(である調)」が非常に多いので、データベースの頻出順もその傾向になっています。これに照らし合わせて出した数値なので、他のデータを使えば異なる結果が得られるでしょう。
両手を使った左右交互打鍵を否定するものではありません。僕はM式配列(母音と子音を左右に分割した行段系ローマ字配列)を使っていた経験があるので交互打鍵はかなり好きなほうです。
2. 2連接のデータについて
2連接のデータを確認します。
使用したのは「wikipedia.hiragana-ized.2gram.txt」の出現頻度上位1000位までの2連接です。出現回数の合計は926,523,797です。
棒グラフにまとめました。前回と同じく1位から100位までと101位から200位までが100刻み、それ以降が200刻みとなっています。
また、グラフのタイトルに「漢字カタカナ込み」とありますが、これは先ほども書いたように全てひらがなに変換して収録されています。漢字とカタカナのN-Gramデータではない点に注意してください。
前回のひらがなデータベースとはだいぶ違いますね。1-100位は37.738%で圧倒的な割合というわけではありません。
101-200が15.836%でへこんでいますが、これは100刻みにした影響ですね。
どんな連接がランクインしているのかは元のデータを見てください。さすがに全てを書き出すととんでもない長さになるので……。
ですが、例として一部をピックアップしてみます。
まず2連接の出現頻度1位は「ねん」です。出現数は9,583,379で全体の1.034%を占めています。たぶん「年」ですね。Wikipediaには人物や歴史の記事が多いので、年月日の記述に欠かせない漢字です。
2位には「こう」が入っています。出現数9,183,887で0.991%です。「後年」「後世」「後期」「人口」「参考」などで使われているかもしれません。他にも「高校」「こうして」といった熟語やひらがなの表現でも使う連接だと思います。
3位は「てい」です。出現数は8,505,262で0.918%%です。前回のひらがなデータベースだと4位(出現回数5,692,972)でした。「している」「していた」などの表現以外にも、「推定」「定義」「程度」のような漢字で使われているのかもしれません。
ちなみに前回1位だった「る。」は出現回数7,772,452(0.839%)で4位となり、2位だった「た。」は、出現回数7,405,632(0.799%)となっていました。
101-200位には「はい」「おお」「っぽ」「やく」「との」などが入っています。
拗音の集計条件について
次は集計条件について説明します。
前回使用したひらがな2連接データベースには、3文字の拗音「しょう」「きょう」などが2連接として出現しました。
「しょ」「ちゃ」「きゅ」などの形だけでなく、「ゃ」「ゅ」「ょ」の単体入力や「ょう」「ゃん」「ゅう」といった入力方法を尊重するため、どの配列でも連続で2文字書ければOKとして対策しました。
3連接データベースには拗音が出てこなかったので問題にはなりませんでした。
ですが、今回の漢字(ひらがな化)2連接データベースには、「しゅう」「いじょ」「しゃか」「しゅつ」など3文字の拗音が70種類(6.590%)も含まれています。漢字3連接になるとより複雑になり、「うきょう」「いしょう」「せんしゅ」「しゅつじょ」「きょうじゅ」といった拗音混じりの4文字、5文字のワードが108種類(9.028%)出現します。
これまでのようにシフト(レイヤー)移動や同時打鍵の操作数、動作数をカウントしないとしても、左右のかなを使うケースが多く出てきてしまいます。
これらの点で、どういう風に集計するかとても悩みました。
そこで「拗音混じりは2連接なら2文字分、3連接なら3文字分書ければOK(部分一致)」と「全て書けなければ不可(完全一致)」のふたつのグラフを用意することにしました。
前者は様々な入力方法を尊重してある程度の交互打鍵を受け入れたパターンです。例えば「いじょ」の入力判定なら「いじ○」「○じょ」となります。このケースはかなを多く入力できたほうの手で集計します。
「い○ょ」のようなパターンは同時打鍵による実装(例:薙刀式配列)であれば可、完全な交互打鍵(例:新JIS、飛鳥カナ配列)ならは不可としました。
「しゅう」「ちょう」「きょく」のように真ん中に小書きがあるパターンは、前回の集計方法と合わせるため「し○う」「ち○う」「き○く」といった完全な交互打鍵入力を不可としました。
それと、拗音を「しゅ」「きゅ」などの形で入力する配列では、そちらの仕組みを優先しているので「い○ょ」のパターンを不可としました。
3連接の場合、例えば「いしょう」では「○しょう」「い○ょう」「いし○う」「いしょ○」も可になります。このケースでも多くかなを入力できたほうの手で集計します。5文字も同様の対応で、例えば「しゅうりょ」「きょうじゅ」は「しゅ○○ょ」「○ょ○じゅ」で部分一致とします。
2連接と3連接ともに「ょうし」「ょうしつ」のような小書きから始まるものはなかったので、このパターンに関する定義はありません。
後者は文字通り完全一致以外は認めないパターンです。拗音のややこしい集計条件がないので、こちらのほうが分かりやすいと思います。DHSBことのは配列の数値を見るのに一番適しているので、僕はこちらをオススメします。先に書いておきますと、拗音レイヤーがある配列だと部分一致と完全一致で差が出にくいですね。
僕にはこれ以上のアイディアが浮かびませんでした。苦肉の策ということでご理解よろしくお願いいたします。
ちなみに、前回のひらがなデータベースを使った調査では部分一致のみの集計となっていました。理由は、拗音が2連接上位1000種類中9種類(0.117%)しか含まれていなかったからです。3連接では1種類も出てきませんでした。このことから、完全一致のグラフを作っても誤差の範囲だと考えました。
それでは、2連接上位1000種類(出現総数926,523,797)のうち、どれだけ入力できているのかを見ていきましょう。
データの見方と紹介順は前回と同じです。
各配列に関する基本的な情報も既に書いたので適当に省略しています。文章も少なめです。
この記事に掲載しているグラフや数値は、これらの特殊な条件下で算出されたものだということを念頭に置いてください。
2-1. DHSBことのは配列
DHSBことのは配列には拗音レイヤーがあるので、そちらを使った入力を優先しています。
部分一致と完全一致のカバー数です。
部分一致と完全一致のカバー率です。
前回のひらがなデータベースでは全体カバー数523、全体カバー率が55.080%だったので、同程度の数値が出ていると思います。左右の割合もほぼ同じですね。
漢字カタカナ込みでもなかなか良いスコアが出せていると思います。
次に「っ」と「。」を左手側に配置した場合のデータを見ていきます。
部分一致と完全一致のカバー数です。
部分一致と完全一致のカバー率です。
ひらがなのときはカバー率が激増していましたが、今回はあまり伸びていません。
これは「る。」「た。」の順位が下がって影響も少なくなっているからかもしれません。
数値的にはこちらのほうがカバー率1%ほど上なので、前回に引き続き変な癖がない方は「っ」と「。」を左手側に配置したほうがいいかもしれませんね。
2-2. JISかな配列
基本的に前回の調査と同じ集計条件になっていますが、改めて書いておきます。
かな配置の分け方はこうなっています。
次は濁点についてです。
JISかな配列では清音の後に「@」を打つことで濁音化することができます。上記画像のように左右に分けると、左手側が清音のみになってしまいます。なので、「だ(Q+@)」のように両手で入力しなければならない文字でも、かながある方の手だけで入力したものとして見なして集計しました。この場合、「た」が左手側にあるので「だ」は左手のみで書いたことになりますね。
拗音についてですが、JISかな配列は右手側に「や」「ゆ」「よ」があり、シフトによって小書き化します。そして「しょう」「ちゃん」「きょう」などで使う「し」「ち」「き」「う」は全て左手側にあります。これだと交互打鍵になるので打てない扱いとしています。「のきょ」も「の○ょ」になるので打てません。
「りょう」「にゅ」「しゃの」などは「りょ○」「にゅ○」「○ゃの」の形で入力できるので右手側集計としました。
部分一致と完全一致のカバー数です。
部分一致と完全一致のカバー率です。
ひらがなのときは左手寄りでしたが、今回はかなり偏っています。「こう」「てい」「たい」「さい」などの上位連接が左手側にあるからでしょう。
完全一致のカバー数471種に対して、カバー率が50.421%なので良い数値だと思います。
2-3. 親指シフト(NICOLA)
親指シフトの左右分けです。
拗音も前回と同じ扱いにしています。
NICOLAでは「しょう」と入力する場合、右左右の交互打鍵になるので打てない扱いとしています。
「きょう」「ちょう」の場合、右手のみで「きょ」「ちょ」と書くことができます。こちらは右手側部分一致で集計しました。
「いしょ」は「い○ょ」なので不可、「うきょ」は「○きょ」になるので右手側部分一致集計です。
部分一致と完全一致のカバー数です。
部分一致と完全一致のカバー率です。
前回のひらがなデータベースだと左手寄りのグラフでしたが……漢字カタカナ込みではカバー数カバー率ともに素晴らしいバランスです!
数に対する割合を考えると若干下回っているので、出現頻度が高い連接ばかりを押さえているわけではないようです。
2-4. 新JIS配列
左右の分け方です。
拗音に扱いです。例えば「うきょ」「うりょ」などは右手で「うき」「うり」と書けるので右手側部分一致の集計です。「しょう」「んしゅ」などは左手で「しょ」「しゅ」と書けるので左手側部分一致の集計になっています。
完全一致は左手側の「にしゅ」「しゃか」「にしょ」「しゅと」くらいでした。
部分一致と完全一致のカバー数です。
部分一致と完全一致のカバー率です。
前回は全体カバー数459種、カバー率43.331%で若干左手寄りのバランスでした。
今回は完全一致のカバー数411種、カバー率32.597%で右手寄りな感じです。
交互打鍵を取り入れている配列なので、出現頻度の高い漢字を交互入力でカバーしているとすればなかなか良い数値ではないでしょうか。
2-5. 飛鳥カナ配列
配列図はこちらで確認してください。
前回と同じく「しょう」など拗音は交互打鍵になっているので、部分一致でも完全一致でもほとんど入力不可となっています。
「ん○ゅ」「い○ょ」などの形も片手での入力不可としています。
「うしょ」は左手側で「うし」を入力できているので部分一致で集計しました。
部分一致と完全一致のカバー数です。
部分一致と完全一致のカバー率です。
前回と同じく右手側に偏っています。
ただ、全体カバー数とカバー率が減っていますね。ひらがなでは506種57.566%でしたが、今回は部分一致480、完全一致457で、カバー率はどちらも50%を切っています。
片手だけで漢字やカタカナの2連接を作るのはちょっとだけ苦手なのかもしれません。
2-6. 新下駄配列
配列図はこちらで確認してください。
※旧ブログです。
新下駄配列には左手側に拗音が用意されているので、この入力方法を優先して集計しました。
右手側に拗音がなく集計できないことから、右手側部分一致と完全一致の数値が同じになっています。
部分一致と完全一致のカバー数です。
部分一致と完全一致のカバー率です。
1-100は右手寄りで、それ以外の部分は全体含めて少し左手寄りといった感じです。
完全一致のカバー率は左右ほぼ同値となっているので素晴らしいバランスだと思います。
部分一致では前回のひらがなよりも良いスコアが出ていて、完全一致だと少し下がるくらいです。
漢字やカタカナの連接にも強そうですね!
2-7. 薙刀式 v15
配列図はこちらで確認してください。
基本的に前回の調査と同じ処理になっています。
薙刀式は左手「し」と右手「よ」を同時打鍵することで拗音「しょ」を入力することができます。ここに濁音キーを入れると「じょ」になります。「う」「ゃ」「ゅ」「ょ」は右手に配置されているので、今回の集計でも「しゅう」「しゅつ」などは全て右手側部分一致としました。
また『拗音の集計条件について』でも触れましたが、「いじょ」は同時打鍵で「い○ょ」の形になるため右手側部分一致の集計になります。これは拗音の入力システムに合わせた措置です。
「しゃか」のように「し」「か」が左手にあるものは左手側の集計になっています。これは完全な交互打鍵ではなく「左+右」「左」の同時打鍵混じりの入力だからです。
このような形で実装されているので、拗音の完全一致はひとつもありませんでした。
部分一致と完全一致のカバー数です。
部分一致と完全一致のカバー率です。
前回のひらがなは427種47.534%でした。
カバー数は部分一致、完全一致ともに余裕で越えています。
完全一致のカバー率が41.575%で下回っていますが、拗音入力の仕組みから考えると仕方のないことだと思います。
なので、薙刀式の場合は部分一致のグラフを見たほうがいいかもしれませんね。
2-8. のにいると配列
漢字込みのデータベースと照らし合わせるべきか迷ったんですが……単体でも素晴らしい配列なのでやってみました。
配列の詳細はこちらを確認してください。
https://gist.github.com/oktopus1959/7cb0e392cbed7b7f12a6c0cefb67e306
拗音は同時打鍵系で全て右手側配置となっているため集計も右手側のみです。左手側は拗音集計不可で、部分一致も完全一致も同じ数値になっています。
部分一致と完全一致のカバー数です。
部分一致と完全一致のカバー率です。
カバー数とカバー率が非常に高く、左右のバランスもかなり良いですね!
前回も581種57.175%で良いスコアだったんですが、それを軽々越えてきました。
データベースとの相性はあるものの、これだけの数値が出せるのは驚きです。
2-9. 月配列 2-263式
配列図はこちらを確認してください。
「うきょ」は「うき○」になるので右手側部分一致集計、「んしゅ」「しょう」は「○しゅ」「しょ○」になるので左手側部分一致集計になっています。
「りょく」は「り○く」で交互打鍵となるので集計不可になっています。
部分一致と完全一致のカバー数です。
部分一致と完全一致のカバー率です。
前回は全体カバー数468、カバー率43.971%、バランスは左手に偏っていて、各数値からも新JIS配列の要素があまり感じられないグラフでした。
今回は数値が少し下がって、バランスは若干右手寄りになっています。
特に完全一致は新JIS配列とほぼ同じ傾向が見られますね。
2-10. シン蜂蜜小梅配列
配列図はこちらを確認してください。
部分一致と完全一致のカバー数です。
部分一致と完全一致のカバー率です。
拗音は全て左手側に配置されているので、右手側では一切集計されていません。右手側部分一致と完全一致の数値が同じなのもそのせいです。
ひらがな2連接では左右のバランスが良かったんですが、今回は右手側に偏っています。
完全一致の全体カバー数は451種、カバー率は40.885%で、前回よりも約50種減の約1.5%増といったところです。
前回の調査と同様に、2連接グラフの数値がかなり低めです。シン蜂蜜小梅配列は交互打鍵を重視した配列なので、数値の低さが大事になりますね。
3. 3連接のデータ
3連接のデータを確認します。
使用したのは「wikipedia.hiragana-ized.3gram.txt」の出現頻度上位1000位までの3連接です。出現回数の合計は313,818,470です。
2連接と同じく1位から100位までと101位から200位までが100刻み、それ以降が200刻みとなっています。
こちらも漢字とカタカナのN-Gramデータではない点に注意してください。
3連接も前回とはだいぶ違います。1-100位を除いて緩やかなグラフになっています。
101-200が15.836%でへこんでいますが、これは100刻みにした影響ですね。
少しピックアップしてみましょう。
なんと出現頻度1位から4位までひらがな3連接と一緒です。上から順に「ている」「いる。」「である」「ある。」です。
漢字の一部と思われる連接は14位から出現します。
14位「んこう」は出現回数1,441,115(0.459%)です。2連接でも「こう」が2位に入っていましたね。「参考」「人口」「観光」「運行」「天候」などがありそうです。
17位と18位は「っぽん」と「にっぽ」です。それぞれ出現回数1,318,173(0.420%)、1,315,244(0.419%)です。これは簡単ですね。「日本」でしょう。先に「っぽん」があるのは「一本」のような漢字があるからでしょうか。
19位「ねんに」は出現回数1,275,210(0.406%)です。「794年に」や「翌年に」などの表現で頻繁に使われていそうです。
101-200位には「にちに」「となる」「しよう」「のため」「には、」などが入っています。
これら3連接上位1000種類(出現総数313,818,470)のうち、どれだけ入力できているのかを見ていくんですが……前提として、前回と同じく3連接は2連接以上に文字の繋がりが複雑になるので、カバー数カバー率ともに減少しています。
グラフの見方、配列を紹介する順番はこれまでと同じです。
拗音の集計条件は2連接の項目で書いた通りです。
こちらも内容がかなり短くなっています。
3-1. DHSBことのは配列
部分一致と完全一致のカバー数です。
部分一致と完全一致のカバー率です。
ひらがな3連接では全体カバー数319、カバー率24.898%でした。
漢字カタカナ込みのほうが良いスコアが出ていますね。個人的には結構頑張っていると思います。
次は「っ」と「。」を左手側に配置した場合のデータです。
部分一致と完全一致のカバー数です。
部分一致と完全一致のカバー率です。
2連接とほぼ同じで1%くらいしか差が出ませんでした。
3-2. JISかな配列
部分一致と完全一致のカバー数です。
部分一致と完全一致のカバー率です。
3連接「ちゅうし」「きょうと」「たいしょ」などはそれぞれ「ち○うし」「き○うと」「たいし○」となるので、このパターンは左手部分一致の集計になっています。
今回の調査で一番驚きました。
グラフからどういう運指になっているのかを読み取ることはできませんが……このデータベースと集計方法だととても良い数値が出るようです。
前回のひらがなのみ3連接ではもっと低い数値でしたからね。
前の記事でも書きましたが、配置を工夫したら運指面も改善されて使い心地も良くなるんじゃないでしょうか。
3-3. 親指シフト(NICOLA)
部分一致と完全一致のカバー数です。
部分一致と完全一致のカバー率です。
拗音の完全一致はほとんどありませんでした。
ひらがなのときはカバー数203種、カバー率19.256%で左手側に偏っていました。
今回は少し下がった代わりに左右のバランスがだいぶ良くなっています。
3-4. 新JIS配列
部分一致と完全一致のカバー数です。
部分一致と完全一致のカバー率です。
3連接の拗音は「うきょう」「んきゅう」が右手で「うき○う」「んき○う」が書けるので右手側部分一致の集計です。
完全一致はありませんでした。
集計外なので数値として反映されていませんが、新JIS配列の3連接は前回同様に出現数上位は右左右、下位は左右左のパターンが多い気がしました。
前回と同様に配列の設計思想を考えると、このくらいのスコアでもおかしくないでしょう。
3-5. 飛鳥カナ配列
部分一致と完全一致のカバー数です。
部分一致と完全一致のカバー率です。
拗音は3連接でも同様の処理をしました。
「かいしゃ」は「かい○ゃ」になるので部分一致で右手側集計となりましたが、完全一致はありませんでした。
前回のひらがな3連接はカバー数345種、カバー率32.506%でした。
ひらがな部分は片手で書き、漢字やカタカナの大部分は交互打鍵するタイプと言えそうです。
3-6. 新下駄配列
部分一致と完全一致のカバー数です。
部分一致と完全一致のカバー率です。
部分一致のカバー数がとても良いバランスですね。
前回は全体カバー数309種、カバー率24.491%だったので、かなり上がっているようです。
3-7. 薙刀式配列 v15
部分一致と完全一致のカバー数です。
部分一致と完全一致のカバー率です。
3連接「たいしょ」「のじょう」などは右手側で「たい○ょ」「の○ょう」と書けるので右手側部分一致の集計となっています。
2連接のときと同じく、仕組みから考えて部分一致を見るのが良さそうです。
前回のカバー数216、カバー率24.891%と比べると大きく増加しています。
3-8. のにいると配列
部分一致と完全一致のカバー数です。
部分一致と完全一致のカバー率です。
3連接「んちょう」「しょうわ」「だいひょ」は「○ちょう」「しょう○」「○いひょ」になるので右手側部分一致の集計です。
前回は全体カバー数357、カバー率26.790%でした。
完全一致でもカバー率が35%もあるのはすごいですね。
3-9. 月配列 2-263式
部分一致と完全一致のカバー数です。
部分一致と完全一致のカバー率です。
ひらがな3連接では全体カバー数194、カバー率16.631%で左手寄りのバランスでした。
今回は逆に右手寄りのバランスになっています。
あと3連接でも新JIS配列と似ているのが面白いです。
3-10. シン蜂蜜小梅配列
部分一致と完全一致のカバー数です。
部分一致と完全一致のカバー率です。
ひらがな3連接が特に低い数値(カバー数168種、カバー率11.258%)だったので、それと比べると微増といったところです。
それでも、どこを見てもかなり低い割合なので、交互打鍵配列としてかなり良いスコアが出ていると思います。
4. 2連接 単打面のみのデータ
前回のひらがなのときと同じくデータのみの掲載です。
4-1. DHSBことのは配列
左手側に配置した場合のデータです。
4-2. JISかな配列
4-3. 親指シフト(NICOLA)
4-4. 新JIS配列
4-5. 飛鳥カナ配列
4-6. 新下駄配列
4-7. 薙刀式配列 v15
4-8. のにいると配列
4-9. 月配列 2-263式
4-10. シン蜂蜜小梅配列
5. 3連接 単打面のみのデータ
こちらも前回のひらがなのときと同じくデータのみの掲載です。
5-1. DHSBことのは配列
左手側に配置した場合のデータです。
5-2. JISかな配列
5-3. 親指シフト(NICOLA)
5-4. 新JIS配列
5-5. 飛鳥カナ配列
5-6. 新下駄配列
5-7. 薙刀式配列 v15
5-8. のにいると配列
5-9. 月配列 2-263式
5-10. シン蜂蜜小梅配列
6. 最後に
これで漢字カタカナ込みの連接調査は終了です。
DHSBことのは配列がなかなか優秀な成績だったので満足しました。2連接では半分以上、3連接でも3分の1をクリアできたので嬉しいです。
みなさんもSvalboardを購入したら是非DHSBことのは配列を導入してみてくださいね。
念のために書いておきますが、配列の設計思想は人それぞれ違うものです。片手だけでたくさんの連接を打てることが配列制作における唯一の正解ではありません。
この記事に掲載したグラフも、特定の面からいくつかの条件をつけて算出した数値でしかありません。集計方法にも欠点があります。
前回と今回で各配列の数値が変わっているように、使用するデータベースによって傾向が変わります。
あくまで参考用のデータや判断材料のひとつとして考えてください。
おわり

