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盾の勇者の成り上がり  作者: アネコユサギ
外伝 槍の勇者のやり直し
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システムエクスペリエンス

「あの発明を壊せば……? 何かあるみたいなの。ここに住んでいた竜帝が発見した事みたいだけど破損が激しくてまだ修復出来ないなの」

「どっちにしても行くしかないのは変わらないみたいだね。じゃあ……行こう」

「なんかわくわくしてきました」


 お姉さんの友人がコウの頭の上に乗っかって主張しますぞ。


「コウもがんばる」

「これも世界平和の為ですわ」

「んー? サクラ眠いー早く帰ってメルちゃんのお手伝いしたい」

「クロとレンで暗黒救世主<ダークメシア>になる!」


 フィロリアル様もやる気を見せておりますぞ。

 はは、フィロリアル様達の手を煩わせるまでも無いですぞ。

 そのような下らない発明品など!


「あらー……なんかすごい話になって来たわねー」

「サディナお姉さん、がんばろう」

「そうね。波なんて起こす黒幕が本当にいるって言うなら……お姉さんがお灸を据えて上げないとね」


 お姉さんのお姉さんがにこやかに怒りを見せておりますぞ。

 お義父さんがその様子を見て、察して教えてくれました。

 おそらくお姉さんの両親や村の者達が殺された事に対して怒っているとの話。


 何分、怒っているのかわかり辛い方ですからな。

 俺もよく観察しないとわかりませんでした。


「悪魔ってこんな目的があって行動していたのね、大発見だわ。後でレポートに纏めて発表しないと……四聖勇者の口添えがあれば通るのは確実よね」


 主治医はホント研究者ですな。

 ですが主治医が世界に発表する事で人々が波がどんな物であって、挑む気概を出せるなら良いのではないですかな?

 とかお義父さんが仰っていましたぞ。

 という事で俺達は吹き抜けの広間を抜け、地下室っぽい道へと進んで行きました。



 そして、迷路のような地下通路を通って行きますぞ。

 途中仕掛けのような物がありましたが、最初の世界のお義父さんが自慢気に話す、仕掛け壊しをして突破して行きました。

 邪魔極まりないですからな。


 それに、補充される悪魔共が仕掛けを通り抜ける時に開く事があるので、案外突破は容易でした。

 さて、そんなこんなで地下の奥深くへと到着すると……それは有りましたぞ。

 そろそろ日が昇りそうな時間帯で、薄らと明かりが見えてきました。どうやらここはドーム状の本来は植物園みたいな場所だった様ですな。


 地面をくり抜いて作った実験場という趣ですな。

 実験場に入る前に何やら看板っぽいのが壁に掛っておりました。

 煤けた文字で何か書かれている様ですぞ。


「随分と古い文字ね……なんて読むんだったかしら?」

「古代文字なの……えっと……システム……エクスペリエンス……なの? 何語なの? 勇者文字みたいな文字遊びみたいなの」

「まんま経験値って意味だね。なるほど、経験値を集める装置っていうのは本当みたいだ」


 そんな場所の中央に、幾重にも魔法陣の溝が掘られ、真ん中に悪魔を生産していると思われる怪しげな装置が鎮座しておりました。

 まるで何かに蓋をしているかのように装置の下から赤い光が噴出しているように見えますぞ。

 マグマをせき止めているとでも言うのですかな?

 ですが全然熱くはありませんぞ。


「アレか?」


 辺りには気化したエネルギーなのか何かが漂って渦を描いております。

 お義父さんがそれを見て眉を寄せますぞ。


「なんて言うか……悪魔繋がりのとあるゲームの三作目を思い出すなぁ。神とか転生とかのワードを聞いてこれだと」

「何か知っているんですかな?」

「んー……たぶん違うね。ただ、ここに目視出来る程の力が流れてるっていう所がね。まるで新しい世界でも作り出せそうな場所だなって思っただけ」

「作れるのですかな?」


 俺の問いに主治医が首を傾げます。


「どうかしらね。だけど活性化地とかで報告されるエネルギーと似た波形がここに集まっているわね」


 ふむ……どうやらとんでもない場所に来てしまったようですな。

 そして装置の所から煙が噴出して悪魔が生産され、俺達を見つけて突撃してきますぞ。

 よく確認すると先ほど俺が吹き飛ばしたドラゴンタイプの悪魔ですな。


「ハンドレッドソードⅩ!」

「グングニルⅩ!」

「アローレインⅩ!」


 俺と錬が即座に迎撃し、後続に出てくる悪魔は樹が矢の雨を降らせて仕留めますぞ。


「ぼんやりせずに行こう!」

「ええ」


 お義父さんを先頭にして俺達は進みましたぞ。

 もはや装置は目前ですな。

 完全に装置の全景が見えてきましたぞ。

 かなり機械チックな外見をしておりますぞ。


 過去に豚と見たハエ男が出てくる様な装置とも、シリンダーが浮かぶ怪しげな装置にも見えますぞ。

 その上には機械で作られた目玉のような物が見えますな。

 ウイーンと音を立てて機械が俺達を見ますぞ。


「ハロー」

「しゃべった!? ……英語?」


 俺達が驚きの表情を浮かべると、装置とやらが煙を吐きましたな。

 お義父さんの疑問通り、英語で喋りました。

 どういう事ですかな?


「人工知能か何かかな? 異世界の文明ってのは進んでいるね」

「AIか? それくらいなら当たり前にあるはずだが」

「俺の認識じゃ錬の世界はSFカテゴリーに入るからねー……樹の世界でも同じだし、元康くんもそうでしょ」


 と、お義父さんが説明している最中、装置が俺達の数を数える様に視線を動かし続けておりますぞ。


「幾重にも張り巡らされたマモリを突破し、ココマデクルトハ……」

「随分と厳重な守りであるのは確かですね。そして貴方が秘匿していた宝の一部、知識に関してはこちらが手に入れました!」


 樹がここぞとばかりに応じますぞ。

 何故お前が答えているのですかな?


「一応、確認だけど、貴方が……この地で暴走を引き起こした装置って事で良いのかな? 間抜けに話をしている気がするけど」


 念の為とばかりにお義父さんが装置に問いかけます。

 すると装置は笑っているとでも取れるかのように煙を吐き出して悪魔を出しますぞ。

 まるで呼吸しているかのように装置が動いておりますな。


「ソウダ。ワレは世界中のケイケンチを収集シ、キタルベキ時に備える神のシト」

「来るべき時ね……それって波の事か。その神に関して聞きたいけど、答えてくれるかな?」


 お義父さんが尋ねますが、装置は悪魔を無数に吐きだして襲いかからせて来ましたぞ。

 アークデーモンと名前が浮かんでおりますな。


「甘いですよ!」


 コピーしたライフルをアークデーモンに向けて引き金を引きますぞ。

 銃身から幾重にも弾が発射されてアークデーモンの眉間に命中して絶命して行きました。

 凄いですな。

 確かアルテミスとかいう武器でしたかな?


「どうやら話をする気は無い様だぞ。尚文」

「ワレはセカイを変換セシシステム。全てはカミにこの汚れたセカイをジョウカして貰うタメ。ユウシゃドモの妨害をする為にツクラレタ。そのシト達を……」

「人でも魔物でも無く、言葉も通じずに作られた生き物を使役して勇者の妨害をして波に力を貸そうなんて、この世界に存在する者として許されない事なの! ガエリオンが手に入れた竜帝の欠片が教えてくれるなの。大地に根を張る神の先兵。お前は世界の為に滅ぶべきなの!」


 むむ、ライバルがポイント稼ぎをしていますぞ。

 俺も何かした方が良いのではないですかな?


 そう思っていると、またも煙を吐き出しましたな。

 カッと装置の下にある魔法陣が赤く輝き、脈動を強めるかのように何かを吸い上げている様に見えますな。


「どういう事?」

「少しずつ汚染の浄化が済んで情報が引き出せて来たなの。あの装置……システムエクスペリエンスはこの世界の大地に根を張って龍脈から経験値を奪い続けて人々が強くなれない様にしているなの」

「なんだって!?」

「え? それってどういう意味?」


 なんと、経験値を奪う、ですかな?

 そういえばゲームの頃よりも経験値が少ない様な気はしていましたな。

 それは樹も同じだったのか、俺が思った事をそのまま樹が言いました。


「道理で……ゲームだった頃と比べて魔物を倒して手に入る経験値が思ったよりも少ないと思ったんですよ」


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