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盾の勇者の成り上がり  作者: アネコユサギ
外伝 槍の勇者のやり直し
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ですぞなの

 お姉さんの友人はライバルの上下する尻尾を凝視してますぞ。


「その、よろしくお願いします。私もなおふみ様の事が大好きですから仲間ですね」

「なの!」


 好きは共通なのか、ライバルはお姉さんの友人の言葉に頷きました。

 で、手を繋ごうとしたのですがライバルはお義父さんに絡みつくので精一杯で尻尾を手の代わりにするように出しております。

 お姉さんの友人がその尻尾を軽く握って握手をしたその時!


「な、なの!?」


 ビクッとライバルが震えました。

 そしてお姉さんの友人と己の尻尾を見ます。


「あ、ざらざらだけど肌触りが良い……」

「な、なの?」


 すりすりと撫でるとライバルはしおしおと座り込んでしまいました。


「や、やめ――」

「ラフタリアちゃん、ガエリオンさんの尻尾、とてもさわり心地が良いよ」

「え? でも……」


 お姉さんの友人はライバルの尻尾を撫でるのを止めます。

 するとライバルは何やら潤んだ目で振り返りました。


「やって欲しいみたい! じゃあやってあげるね」

「ち、ちが――」


 お姉さんの友人はやめるのを再開してライバルの尻尾を撫でます。

 そこが弱点なのですかな?


「ほら、なおふみ様もここを撫でてあげよ。なんか喜んでる!」

「え? 良いのかな? あ、確かにさわり心地良いね」

「な、なおふみに撫でられてるなの! でもそこじゃないなの……なおふみにやって欲しいのは――ああ……ダメなの! そこを撫でてるとガエリオンおかしくなっちゃうなの! や、め」

「何だろう……凄く卑猥な事をしている気になって来た。ここが噂の竜の逆鱗なんじゃ……」


 お姉さんの友人は何度も何度もさすっています。

 手つきがコウを撫でる時とおんなじですぞ。

 やがて魔法が解けたのか、ライバルは子竜の姿で痺れたように俯いて堪え始めました。

 くくく……化けの皮がはがれた様ですな。


「もっとやるのですぞ!」

「なんで煽ってんの?」

「コウはね。こうやって撫でて欲しい所を触るとおんなじ様に気持ちよさそうにしてるんだよ? 首筋あたりだけど、で、途中でやめると不機嫌になるからきっとガエリオンさんも最後までやって欲しがるよ」

「い、いやなの!? そこは、そこでガエリオン、行ってはダメなの! でもなおふみも一緒に撫でてる……ガウウウ……なのおおお」


 コテッとライバルはそのまま力尽きました。

 ビクンと何度か痙攣しております。


「えーっと……とりあえずリファナちゃんありがとう」

「ん? どう致しまして」

「凄く簡単に落ちましたね」

「卑猥な事はよくわからないが、リファナはテクニシャンなのか?」

「かもしれません」


 完全に錬と樹は傍観者を気取ってますぞ。

 ですが、これは大発見ですな。


「これからコイツがお義父さんに性的に近づいて来たらお姉さんとその友人はこうして落とすのですぞ」

「え? うーん……」

「ナオフミ様が好きなら……ナオフミ様自体が答えて上げたら良いと思いますけど」


 何を言っているのですかな、お姉さん!

 最初の世界の様にお義父さんを守って欲しいですぞ。


「あらー……」

「な、なの! 大変な世界を見させられたなの!」

「あ、復活した」

「どんな事があろうともガエリオンは諦めないなの! なおふみを攻略するために頼れるお姉さんを見せてやるなの」

「何かあるんですか?」


 樹!

 ライバルの戯言に付き合ってはいけませんぞ!


「なの! 槍の勇者が説明不足である様な事の全てをガエリオンは前回の尚文達から言付かっているなの! 例えばフォーブレイや世界各地に生息する敵の先兵を一から順に覚えているなの!」


 おお! と錬と樹が感嘆の声を発しましたぞ!

 何故ですかな!


「元康の説明が時々凄くわかりづらかったり、いきなりだったりするからそれは助かる!」

「転生者や転移者が敵だとは聞いていましたが何処の誰なのかを詳しく知っているなら助かりますね。七星武器もその所為で選ばれる事が無くなるそうですし、挑戦者を定められれば選ばれる者も出てくるかもしれないです」

「ああ、尚文の童貞を捧げて得られるなら儲けものだ!」

「あのねー!」

「なんですか? 尚文さんも前に言っていたじゃないですか、勇者だしモテルらしいから少しはそう言う経験したい。ハーレムって男の夢だって」

「それは錬も樹も同意してたじゃないか! 世界が平和になったら少しはやってみたいって!」


 何やら醜い争いの匂いがしてきましたぞ。

 やはりライバルは俺にとって最大の敵であるのは間違いないですぞ。


「うっふーん! なおふみ、ガエリオンが頼りになるお姉さんである事を証明して、攻略してあげるな――なの! 尻尾を撫でないでなの!」


 再度人化したライバルはお義父さんを後ろから抱き締め、お姉さんの友人に尻尾を撫でられて仰け反りました。

 そんな感じで不服ですが……ライバルが勝手に加入する事になったのですぞ!

 これはサクラちゃんをさらに強化して行かねばならなくなりましたぞ!

 絶対にお義父さんの童貞を奪われる訳にはいきませんからな!



 で、ライバルを連れてイヤイヤ東の村へ帰還したその時ですぞ。


「んー? ナオフミ達おかえりー」


 サクラちゃん達が出迎えてくれましたぞ。

 俺はその言葉を素直に受け止め、いつも通り返事をしようとしました。

 しかし……。


「あ、フィロリアルですぞなのー!」

「んー!?」


 ライバルが事もあろうに素早くサクラちゃんに抱きついてサクラちゃんは瞳を大きく見開きました。

 本気で驚いている表情ですぞ。


「なのなの……!? な、なんでガエリオン、フィロリアルに抱きついているなの!?」

「自分から抱き付きに行ってるじゃないですか!」

「しかもコイツはサクラなの! サクラも見た目が大きくなってガエリオンに張り合おうとしているなの!」

「んー……放して」


 サクラちゃんが嫌そうにライバルを押しのけますが、ライバルの方も嫌そうな顔をしながらも手をからませるのをやめません。

 どういう嫌がらせですかな?


「絶対にガエリオンはなおふみ争奪戦に負けないなの! サクラがやる気なら全力で相手をするなの! 離れるなの!」

「引っ付いているのはガエリオンさん、貴方です」


 お義父さんが的確なツッコミを入れますぞ。

 その通りですな。

 お前が離れろ、ですぞ。


「そうですぞ! サクラちゃんが汚れますぞ! 離れるのですぞ!」

「なのなのー! フィロリアルなのー!」


 混乱した様に目を回しているっぽいライバルがサクラちゃんを抱擁する手を緩める気配がありません。


「くんくんくん! フィーロなのー!」

「何を言ってるのですかな!」

「やー!」


 本気で嫌がるサクラちゃんがフィロリアル形態に変身してライバルの顔面を蹴りますぞ。

 しかし血迷ったライバルは引く気配がありません。

 ……殺しますかな?


「いい加減にしないと本気で殺しますぞ!」

「そうですわ! 匂いからドラゴンですわね! サクラから離れなさい!」

「なのー! んー」

「離れない! 離れない! 助けてナオフミー!」


 サクラちゃんも本気で嫌がってますぞ。

 ホント、何を血迷った事をしているのですかな?

 ライバルをサクラちゃんからユキちゃんとコウが引き剥がそうとしますが、梃子でも動かないとばかりに離れません。


「わ、わかったけど……エアストシールドとかで遮れば」

「ジュテームなのー!」

「やー! むぐ――」


 一同、唖然となりましたぞ。


「あらー……」


 完全に血迷ったライバルがとうとうサクラちゃんの唇を奪ってしまいました。


「うわ! ガエリオンさん! 何をやってるの!」


 ハッと我に返ったお義父さんがお姉さんの友人に視線を移します。

 なるほど! 友人に任せるのですな。

 しかし、それでは手ぬるいですぞ。


「リファナちゃん! お願い!」

「うん!」

「やめるのですぞ! いい加減にしないと殺しますぞ!」


 俺はライバルに向けて槍を……ってサクラちゃんが近すぎてスキルを撃ったら危ないですぞ!

 なので仕留めるつもりで槍をライバルに突き立てますぞ。

 ガツッと槍が上手く刺さりませんでしたぞ。

 く……力を入れ過ぎたらサクラちゃんまで貫通してしまいそうで、思う様に力が出ません!

 ですが俺の殺意を舐めて貰っては困りますぞ。

 と言う所でお姉さんの友人がライバルの弱点である尻尾を撫でます。


「なの!?」


 ビクッと仰け反ったライバルは我に返ったように何度も瞬きをしました。

 それから……。


「ギャアアアアアアアアアアアアアア! なんでガエリオンがサクラにキスをしてるなの!」


 シュバっとライバルはサクラちゃんから飛びずさって距離を取りました。


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