性犯罪や虐待…被害にあった子どもの「司法面接」 法改正から2年、浮上した課題とは 識者に聞く
●性被害では、心のケアをする際に記憶が書き換えられてしまうことも…
──そのほかに司法面接の現状で検討が必要な問題は何かあるでしょうか。 性被害については、子どもの被害者に限ったことではないですが、被害に関する聴取だけではなく、心のケアもしないといけません。しかし、この心のケアの際、記憶が書き換えられてしまうことがあります。 心のケアを行うのはセラピストや臨床心理士、精神科医などですが、被害者の言うことを否定せず受け止め、前向きな気持ちになるような手法が多く用いられます。その手法で被害者から被害の話を聞くと、実際に経験したことと違う話になってしまう可能性が決して小さくないのです。 ──そういう問題には、どのように対処すればよいのでしょうか。 被害者が心のケアを受ける前にちゃんとした聴取を受ける仕組みづくりが重要です。心のケアを受ける前に被害について聴取されるのは辛いですが、あとでまたクドクドと事件のことを聞かれると、かえって辛い思いをします。そうならないように最初に被害の証拠をしっかり固めておくのが正しいやり方だと思います。 【取材協力】 高木光太郎(たかぎ・こうたろう) 青山学院大学社会情報学部教授。供述心理学者。所属学会は日本心理学会、日本発達心理学会、法と心理学会など。供述鑑定を手がけた事件は、前川彰司さんが今年、再審で無罪になった福井女子中学生殺害事件、原口アヤ子さんが3度再審開始決定を受けながらすべて取り消される異例の展開となっている大崎事件など多数。著書に「証言の心理学」(中公新書)など。
弁護士ドットコムニュース編集部