「お金は心配ない」と笑う年金12万円・物忘れが増えた81歳母。54歳娘が〈実家の通帳〉を覗き“残高500万円”に一安心も…一転「1円も使えない」と知り、絶句【FPの助言】
介護の準備で最も危険なのは、「お金がない」ことではありません。むしろ、「お金はあるのに使えない」という、皮肉な事態です。本稿では、ファイナンシャルトレーナーFP事務所の森逸行氏が、由紀子さん(仮名)の事例とともに介護とお金の盲点について解説します。 年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
「遠方介護」という壁
「お金のことは心配しなくていいから」 母は口癖のようにそういっていました。しかし父の他界後、少しずつ物忘れが増え、介護が現実味を帯びてきたいま、その言葉が娘の由紀子さん(仮名/54歳)を重く圧迫しています。 母は日常の買い物もまだ自分でできています。けれど最近は、歩くスピードも遅くなりました。「もし、このまま本当に介護が必要になったら……」母を見守る娘の心には、不安が募るばかりです。 母は地方の実家で一人暮らし。一方の由紀子さんは都内に在住。仕事と家庭を両立しながら、月に数回、電車で3時間以上かけて実家に帰り、母の様子をみています。距離の壁は大きく、母に介護が必要になったら、「遠方介護」になることは必然でしょう。 「ご飯を食べたのか聞いても、答えがあいまい」 「同じ話を何度も繰り返す」 最近は訪問介護を入れはじめましたが、電話での受け答えがおかしくなっていることに気がつきます。小さなサインが増えていくたびに、「そろそろ施設を……」と由紀子さんの不安は募るばかりでした。
500万円の残高に安堵も…
ある帰省の日、由紀子さんは介護施設の具体的な費用計画を立てるため、母に頼んで実家の通帳をみせてもらいました。 「ほら、心配ないといったでしょう」 母が差し出した通帳の残高は500万円。由紀子さんは、まず胸を撫で下ろしました。「よかった、これだけあれば当面の一時金にはなる……」と。 しかし、その晩、ネットで「認知症」「介護」と情報収集をしていたところ、由紀子さんはハッとします。 (もし、母の認知症がもっと進んで、銀行に“判断能力なし”とみなされたら?) 本人の認知症が進行すれば、たとえ家族であっても、この500万円は銀行に凍結され、原則として1円も引き出せなくなります。 さらに、母が「心配ない」という根拠はもう一つありました。「実家」です。しかし、売却を検討してみましたが、地方のためすぐには買い手がつきません。 由紀子さんは絶句しました。 「預金はあるのに“凍結”されて使えない」「家はあるのに“売れなくて”お金にならない」 介護施設の入居一時金に数百万円、月々の費用も20万円前後。年金だけでは到底足りません。まさに八方ふさがりの現実に直面したのです。
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